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静岡駅「駅弁屋のカツサンド」(700円)~総理大臣の交代時期……令和の「興津詣で」!

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月10日 11時50分

写真

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

373系電車・特急「ふじかわ」、東海道本線・由比~興津間

アユ釣りの名所として知られる、静岡市の興津川を特急「ふじかわ」が渡っていきます。
東海道の鈍行旅を楽しむ方にとっては、しばしばお世話になる興津(おきつ)駅。
静岡駅周辺では、熱海~島田間と興津~浜松間の普通列車が交互に運行されており、島田より先へ向かう人のなかには、興津で始発の下り列車に乗り換える方も多い様子。
興津駅のホームにも、下り始発列車の案内が大きく掲示されています。

旧東海道興津宿

学生の頃は、ひたすら乗り継ぐ旅ばかりしていましたが、年齢を重ねるにつれて、段々と途中下車が楽しくなってくるものです。
興津を代表する古刹・清見寺の前に、興津のまち案内がありました。
飛鳥時代(西暦680年頃)には、この地に関所(清見関)が置かれており、江戸時代には東海道十七番目の宿場町として栄えてきたといいます。

身延道入口

興津は薩埵峠(さったとうげ)の峠越えを前にした宿場で、身延道への分岐点でもあり、国道1号沿いを歩くと、法華経が刻まれた身延道への入口を表す石碑がありました。
現在も、国道1号から国道52号が分岐、中部横断自動車道の建設も進みます。
身延道は興津からのルートのほか、岩淵(現・富士市)からの富士川沿いルート、由比(現・静岡市)から内房(現・富士宮市)を経由する3ルートがあったと云われています。

(参考)山梨県身延町ホームページほか

興津坐漁荘

明治に入って東海道本線が通ると、興津の清見潟に面したエリアは、明治政府の重鎮たちの避寒地として、別荘が建ち並ぶようになりました。
約100年前に建てられた最後の元老・西園寺公望の坐漁荘には、内閣総理大臣の交代時期となると、政府要人がやって来たことから、「興津詣で」という言葉も生まれました。
現在は、平成16(2004)年に当時の建物を復元した記念館「興津坐漁荘」があります。

駅弁屋のカツサンド

明治の元勲たちに愛された興津を旅したら、サンドイッチ駅弁をいただきたくなりました。
静岡駅弁「東海軒」の「サンドイッチ」も歴史があり、明治33(1900)年発売といいますから、ちょうど今年で120年の節目を迎えます。
平成に入ってからは、姉妹品「駅弁屋のカツサンド」(700円)も登場。
富士山と豚のイラストが描かれたレトロ風なパッケージが旅心をくすぐります。

駅弁屋のカツサンド

【おしながき】
・カツサンド
・たまごサンド
・ハムサンド

駅弁屋のカツサンド

箱を開けると、ソースがよくしみ込んだ3切のカツサンドの間に、たまごサンドとハムサンドが1切ずつ挟まっていて、いただく人を飽きさせない作りになっています。
東海軒によると、トンカツの肉には、豚肉のほぐし身を使用することで、冷めても柔らかく、年配の方も美味しく食べられるようにしたといいます。
こういった工夫が嬉しいのが、駅弁屋さんのサンドイッチなんですよね。

211系電車・普通列車、東海道本線・興津~清水間

明治の文明開化に合わせて広まっていった、カツレツやサンドイッチ。
そんな時代の政府重鎮のアドバイスで生まれたとされる、日本のサンドイッチ駅弁。
そして、明治の元勲たちが愛した、東海道本線沿線の風光明媚な別荘地。
総理大臣の交代時期となったいま、明治の元勲たちに思いを馳せ、令和の「興津詣で」と駅弁と共に、歴史ある東海道本線の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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