綾野剛、菅田将暉の“クズミ最強説”を語る「それは将暉が、存在感っていうものだけじゃない……」

9月7日（月）深夜、俳優の菅田将暉がパーソナリティを務めるラジオ番組「菅田将暉のオールナイトニッポン」（ニッポン放送・毎週月曜25時～27時）に、ドラマ『MIU404』（TBS系）で共演した綾野剛が生出演。ドラマの最終回を迎えて今思うことや、裏話を語りあった。

「MIU404」では、敵対する２人だったが、今回は揃いのパジャマで生放送

綾野剛と星野源が主演の『MIU404』で、綾野は機動捜査隊に所属する伊吹役を、菅田はラスボス・久住（くずみ）役を演じた。最終話では、綾野と菅田が繰り広げるスリリングな攻防戦や、屋形船での対決シーン、菅田の怪演が視聴者を沸かせた。

作中は敵対していた綾野と菅田。そんな2人がラジオで顔を合わせ、役作りのことや、純粋で真っすぐなキャラクター・伊吹への思いなど、ドラマの秘話を語った。

綾野：なんか、やっぱ気持ちよかった。体調もよくなる、伊吹みたいな人が生きてると……。

菅田：あー、なるほど。ポジティブになるんですかね？

綾野：すっごいなる！ あの役は本当に少年漫画からしか作ってないから。少年漫画のエキスだけをあの役に突っ込んだの。

菅田：へぇー！ おもしろい！ どういう漫画を？

綾野：『ドラゴンボール』から、まっすぐ！ 『週刊少年ジャンプ』から。

菅田：確かに、「オッス！ オラ伊吹」って感じがあった。

綾野：そうでしょ？ あとは、「まぁ、いっか！」とか……。とりあえず、すぐ戦うところとか。

菅田：確かに、主人公感が。それは面白いですね……。

綾野：もう、だから、ずっと少年漫画ばっかり読んでいたら、途中で脚本の野木亜紀子さんから「そろそろ青年漫画を読んでください……」って言われて。

菅田：あははははは（笑）

綾野：野木さんに「8話ぐらいから青年漫画もお願いします」って言われて（笑）

菅田：そんな役の作り方もあるんですね。初めて聞いた。

綾野：過去に警察とかSATの役をやったから、大体のことは把握していたから。『ジャンプだ、伊吹はジャンプだ！』と、ふと思って。

菅田：面白い！ あんまり役作りの内容とか話さないですもんね。

綾野：そうだね、俺も話さないからね。ちょっと変な感じがするね（笑）

菅田：漫画かー。僕、死ぬほど読んでいるのに、それはやったことなかったです。

綾野：うれしかったのが、最終回で屋形船に乗ったシーン。オレ、“I LOVE JAPAN”って描かれたTシャツを着て、腕を組んで屋形船に立っていて（笑） 漫画か！ っていう……。あーいう要素は完全に漫画から。

菅田：一枚絵の強さね。

綾野：何でお前、腕を組んでI LOVE JAPAN着てるの！？ みたいな。どんないい台詞も、I LOVE JAPANのせいで入ってこなくて（笑）

菅田：あの時ね！ あれ、僕は好きだったけどなー。劇中で、源さんと剛くんが、2人でI LOVE JAPANのTシャツを着ていてね。いろいろ事件が終わった後、僕が病院にいて、シリアスなトーンで喋る時に、最初は2人とも、堂々とあのTシャツを着ていた。

綾野：（笑）

菅田：すると、引きの絵を撮った時、I LOVE JAPANが2ついるから、ぜんっぜん空気が重くならないってことで、Tシャツの上にジャケットを着させられていましたもんね。

綾野：前を隠してね。（カメラは）顔だけ狙ってください、ってね。

菅田：その時に剛くんが「やっぱ俺らもまだまだやな……」って、ボソっと言ったんですよ。これはつまり、「俺らのお芝居は、まだ、このI LOVE JAPANごときに、Tシャツの一枚絵に負けているんだな」って、すぐに察した感じが良かったんですよ。

綾野：ありがとう、よく聞いてたね（笑）

菅田：あれは良かったー！

綾野：いや、完敗だったよ。

菅田：それは、喋る前の一枚絵では、I LOVE JAPANの方が強いから、どんなお芝居しても無理ですよ！

綾野：久々に（ドラマを）やって、何て言ったらいいんだろう……“クズミ最強説”みたいな。結局、久住を何も掴めずにこの作品は終わって、だから、勝利か勝利じゃないかって言ったら、オレ達はたぶん圧倒的に負けた感が、敗北感があって……。それは将暉が、存在感っていうものだけじゃないというところで、ちゃんと彼の存在がはっきりしていたから。いやぁ、久々に楽しかったよね。ぜんぜん、まだやりたかった！

菅田が演じた久住に敗北感を感じていると、無念そうに振り返った綾野。明るく破天荒な伊吹を失い、現在“伊吹ロス中”という綾野だが、「まだやりたかった！」とドラマ最終回を惜しんだ。