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新型コロナ分科会メンバー・押谷仁、新型コロナの特性を解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月14日 17時20分

新型コロナ分科会メンバー・押谷仁、新型コロナの特性を解説

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(9月13日放送)に、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーであり、東北大学大学院医学系研究科・医学部 微生物学分野教授の押谷仁が出演。新型コロナウイルスについて語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

淵澤由樹(アシスタント):「新型コロナウイルス」は未知のウイルスと言われていますが、これまでにわかったことはありますか?

押谷:2003年に流行した「SARSコロナウイルス」とよく似たウイルスです。ただ、疫学――どのように拡がって、どういう病気を引き起こすかというところが、SARSとはかなり違います。SARSのときは、ほとんどの場合が重症化しました。それに対して、新型コロナは重症化しない人達もかなりいます。そのような部分が、今回のウイルスの制御を難しくしています。

淵澤:当初は、「日本でも数万人規模の死者が出る」と言われていました。しかし最近、押谷さんは「医療が崩壊するといった最悪のシナリオが起きる可能性は低まって来た」と分析されています。日本では上手に封じ込めているということですか?

押谷:新型コロナウイルスを完全に封じ込めることは難しいと思っています。日本はこれまで、ある程度は制御できています。日本は医療レベルが高く、多くの人が医療にアクセスでき、多くの感染者を見逃して来なかったということが、爆発的な感染が起こらなかった最たる理由だと考えられます。また、8割ぐらいの人は誰にも感染させていません。

淵澤:かかったとしても、誰かにうつしてはいないということですか?

押谷:ある地域で感染者が出たら、必ず大きな流行になるというイメージを持っている方が多いと思いますが、決してそうではありません。我々は「感染連鎖」と呼んでいますが、感染連鎖が消えて行ってしまうようなウイルスなのです。その一方で、「クラスター」と呼ばれるような感染状況がつながってしまうと、大きな流行になります。それらを防いで行けば、大きな流行は起こらないタイプのウイルスだと、我々は理解しています。

淵澤:でも、感染力が弱いわけではないのですよね。

押谷:「感染性」と呼ばれる感染する力は、SARSと比べてもかなり強いです。一部の人が、多くの人に感染させてしまう。だから世界中で大きな流行が起きていて、日本でも流行が拡大して来たということが背景にあると考えられます。

淵澤:日本は頑張っているということですよね。

押谷:流行をできるだけ抑えるような方向に来ていると思います。

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