佐久間P・加藤浩次、テレビが過激だった時代を「『昔はよかった』とはあんまり思わない」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月16日 11時45分
9月9日(水)深夜、テレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行がパーソナリティを務めるラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送・毎週水曜27時~28時30分)に、極楽とんぼ・加藤浩次が生出演。現在までに携わったテレビ番組の秘話を語る中、過激な演出が良しとされていた頃、SNSが普及する前の“イケイケどんどん”だった時期に、今思うことを語った。
2002年に放送されていた「本能のハイキック!」(フジテレビ)、2001年の「極楽とんぼのバスコーンだろ!!」(テレビ朝日)といった番組をあげ、「めちゃくちゃな番組だった」「あの当時、僕らだけじゃないけど、イケイケどんどんな感じがもうちょっと抑えられてれば、もうちょっと違った風になった」「コンプラで何か傷つく人がいるから表現を変えていくというのは当然」と、当時を振り返った2人。
番組の評価をSNSで簡単に発言できる時代に思うこと、1996年から 2018年まで放送されていた「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ)についても語り、過激な演出でクレームが続出したコーナー「爆烈お父さん」についても触れた。
加藤:ふと振り返った時にね、ああ、こんなに不満に思っていたんだ!? って。当時はSNSとかないから。テレビ局に苦情の電話をするって結構なカロリーだから、みんな、なかなかしないじゃない? でも、今はSNSで普通に感想をバンバン入れられる。SNSが出て、「あれは、ちょっと見ていられなかった」みたいな意見がパパパパッて出だしたわけね。それが出たということは、やっぱり……。たとえば、「爆裂お父さん」はコントじゃない?
佐久間:アイドルの顔を踏んでいたときですね。
加藤:うん、アイドルが来て、アイドルに僕がなんか納得しなくて怒ったりしたら(ジャイアントスイングをして)、CDが回る。CDの曲がかかって、その曲の宣伝になりますよ、という企画じゃない?
佐久間:はい。
加藤:で、その間に俺がどんどん疲れて、エネルギーがなくなって。でも、アイドルは回されて、痛い思いもしているんだけど、「お父さん、もっと回してください!」って言って、俺がどんどん負けていく、という企画のコンセプト。
佐久間:その構造は大抵の人は分かるんだけど、分からない人もたくさんいますもんね。
加藤:うん。で、そのコンセプトだけでやっていれば良かったんだけど、やっぱり、そのアイドルのね、顔を踏んだというか、最初はキャメルクラッチぐらいかな? 女子アナの高島彩アナの顔をキャメルクラッチしたり、そういうところから始まって。なんかそこが、俺も普通になっていたんだろうね。で、その流れで顔を踏んだり、靴下を噛み切ったり……なんか、人ってエスカレートするもので。
佐久間:はいはい。企画はそうですね。
加藤:で、その時にはもうね、SNSは出てきたわけ。「やり過ぎだよ」「嫌悪感だよ」って言う人が、いたということなんだよね。
佐久間:そうですね。毎回、いたのはいたんでしょうね。
加藤:そう! いたんだよ。いたのに、その声が耳に入らないから、どんどんどんどん、もっと! もっと! って。スタジオって恐ろしいもので、やっぱりさ、技術さん含め、スタッフ含め、「加藤、そんなもん!?」みたいな雰囲気に……。
佐久間:わかります、わかります。そうです。
加藤:そうでしょう? そういう空気を作るでしょ、佐久間くん。
佐久間:そういう空気、作っちゃうんですよ。だから「演者が勝手にやった」ということはなく、演者は目の前のスタッフ、ディレクターや技術に笑ってほしくてやるので、何か起きたら、本当にそれは連帯責任だとは思います。
加藤:で、佐久間くんもキラキラした目で「これ、面白くないですか!?」って。それ、やる気になるんだよ!
佐久間:僕ら、手を叩いて笑うしね。
加藤:笑ってくれるしさ。そうしたら、もっと! もっと! ってなって、マヒするんだよね。だから俺、「昔はよかった」とはあんまり思わないんだよね。
佐久間:わかります。この時に軌道修正というか、痛みとバランスを取れる企画にしていたら、急に叩かれた、なんてことはないってことですよね。
加藤:ないない。そういうこと。
SNSで「やり過ぎだ」といった意見が可視化されるようになって、『こんなに不満に思っていたんだ』と、気づかされたという加藤。いま改めて振り返ってみても、「昔はよかった、とはあんまり思わない」と語った。
さらに加藤が「『昔みたいなことやりたいっすねー!』とかって言うディレクターは俺、信用しない(笑)」と暴露すると、佐久間も「その中で面白いこと、ぜんぜんありますからね!」と深く同調した。
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