『メイキング・オブ・モータウン』創業一代記から、激動のアメリカが透けて見える
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月19日 13時0分
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第902回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、9月18日公開の『メイキング・オブ・モータウン』をご紹介します。
デトロイトの一軒家から世界の音楽を変えた! “モータウン”のノウハウを初解禁!!
ビートルズやローリング・ストーンズもその影響の大きさを公言し、日本を含む世界の音楽に影響を与え続けている音楽レーベル”モータウン”。愛称はヒッツヴィルUSA。
スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5などを輩出し、2019年に創立60周年を迎えたレジェンド的レーベルの正史を描いたドキュメンタリー映画『メイキング・オブ・モータウン』が、ついに日本に上陸しました。
89歳で引退を表明した<モータウン>の創設者ベリー・ゴーディJr.が“伝説”を生むノウハウ、そしてレーベルの魅力を解き明かして行きます。
『メイキング・オブ・モータウン』のあらすじ
ベリー・ゴーディJr。モータウン・レコードの創設者であり、音楽エクゼクティブ、音楽プロデューサー、ソングライター、そして映画・テレビプロデューサーである。
モータウン・レコードは歴代でもっとも成功を収めた音楽レーベルのひとつであり、現在では、これまで設立されたアフリカ系アメリカ人の事業体として最高収益をあげる会社のひとつにまで成長した。
そんなレーベルの出発点は、アメリカ・ミシガン州デトロイトの西グランド通り2648番地にある一軒家。そこを拠点に、若者に向けたポップな音楽を発信し、アメリカン・ドリームを実現させた。
上昇志向が強く大金を掴むことを夢見ていたゴーディは、新聞販売員を経てジャズのレコード店を経営し、実業家としての一歩を踏み出す。そしてジャッキー・ウィルソンの曲をつくって、音楽業界に参入。
1959年、家族から借りた800ドルを資金にタムラ・レーベルをスタートさせ、モータウンの歴史は幕を開けた……。
『メイキング・オブ・モータウン』のみどころ
ベリー・ゴーディによりその歴史をスタートさせたモータウン・レーベルは、ソウルやR&Bを中心にヒット曲を連発。数多くのスターを世に送り出しました。
本作では、ベリー・ゴーディが初めて密着を許可したインタビュー映像をはじめ、関係者、所属アーティストの回想や証言といった貴重な映像群で構成。
ゴーディの一代記としてはもちろん、モータウンの歴史を振り返るドキュメンタリーとしても、非常に希少価値の高いものとなっています。
名曲の誕生秘話や、モータウンが映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史を、元副社長で親友でもあるスモーキー・ロビンソンと旧交を温めながら語る様子は、とてもエモーショナル。
そして、さらに圧巻なのが、2人のトークの合間に差し込まれる秘蔵映像の数々。なかでも、まだ幼いマイケル・ジャクソンのオーディション風景は鳥肌モノですよ。
創設された60年代から70年代、80年代、90年代……。そして、現在に至るまで素晴らしい音楽を生み出し続けているモータウン・レーベル。
スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ、テンプテーションズ、ダイアナ・ロス&スプリームス、フォー・トップス、マーサ&ザ・ヴァンデラスといったスターたちが黄金期を彩る一方で、人種差別や暴動、作家の離脱といった苦難にも直面して来ました。
それでも、人種や性別に分け隔てない社風同様、分断された社会さえも1つにするエネルギーを持ち合わせていることこそ、モータウン・サウンドの魅力と言っても過言ではないでしょう。
地球規模の異常気象や新型コロナなど暗い話題が少なくないいまこそ、永遠のサウンドとアメリカン・ドリームに酔いしれて。
<作品情報>
『メイキング・オブ・モータウン』
2020年9月18日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督:ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー
出演:ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソン、ジョン・レジェンド、ブライアン&エディ・ホーランド、ドクター・ドレー、ニール・ヤング、ラモント・ドジャー、ジェイミー・フォックス、マーサ・リーヴス、スティーヴィー・ワンダー、メアリー・ウィルソン、ヴァレリー・シンプソン、ジャクソンズ、オーティス・ウィリアムス
(C)2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved
原題・英題:Hitsville: The Making of Motown
公式サイト http://makingofmotown.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『水深ゼロメートルから』 山下敦弘監督最新作、高校演劇リブートプロジェクト第2弾
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年5月4日 11時50分
-
追悼・佐川満男さん 出演映画『あまろっく』公開とともに逝く
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月24日 11時5分
-
『陰陽師0』 山﨑賢人主演、新たな安倍晴明像を作り上げる!
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月20日 11時30分
-
Netflix映画『パレード』長澤まさみ主演、死者と生者をつなぐ物語
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月13日 11時50分
-
『恋わずらいのエリー』宮世琉弥&原菜乃華 次世代スター豪華共演の青春ラブストーリー
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月6日 11時30分
ランキング
-
1映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
2深夜の通話中、突然寝てしまった! 実は意外な「寝落ち」のしくみ
オールアバウト / 2024年5月3日 20時45分
-
3暗い場所で物がよく見えない…もしかして“鳥目”? 原因&対策を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月3日 20時10分
-
4コンビニは「前向き駐車」すべき? なぜ「バック駐車」は推奨されない? “納得の理由”と守らなかった際の「悪影響」とは
くるまのニュース / 2024年5月2日 17時10分
-
5スターバックス、8日から“人気フラペチーノ”が復活 「絶対に買いに行く」と意気込む声が続出
Sirabee / 2024年5月3日 4時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください