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「リアリストに徹底する」新生立憲民主党・枝野代表の“最後の勝負”

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月17日 17時35分

「リアリストに徹底する」新生立憲民主党・枝野代表の“最後の勝負”

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月17日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。新政権誕生の裏で結党大会を開いた新生立憲民主党について解説した。

立憲民主党結党大会後会見する枝野幸男代表=2020年9月15日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

新生立憲民主党が結党大会を開催

野党の合流新党、新生立憲民主党は9月15日、結党大会を開いた。これによって、2017年秋に分裂した旧民進党以来の大規模となる150人規模の野党第一党が発足した。

飯田)16日に行われた衆参両院の総理指名選挙では、立憲民主党の枝野代表に共産、国民民主、社民党などが投票して、枝野さんに134票が入ったということがありました。国民民主が乗るかどうかという議論もあったのですかね?

鈴木)乗るのならば、「どうして別れたのだ」と一般の人は見ますよね。そこがわかりにくいところではあります。ただ、野党の統一首相候補というわけでもないですが、共産党が22年ぶりに枝野さんに乗ったでしょう。これは近くあると言われている総選挙に向けて、「野党は協力してやります」ということを、形として見せたのだなと思います。

立憲民主党との合流をめぐり国民民主党の分党を表明する玉木雄一郎代表=2020年8月11日午後、東京・永田町の国民民主党本部 写真提供:産経新聞社

離れた国民民主党が、枝野氏に投票した理由

鈴木)国民民主は、枝野さんに入れるのであれば、一緒になってもよかったのではないかと思います。国民民主は国民民主で、今度の合流に関しては、「自分たちは中道、そして政策提言型で行く」というこだわりを持って合流しなかった。しかし選挙事情を考えると、では自民党に寄って行くのかと。選挙区には自民党の候補がいます。選挙ということを考えると、やはり野党側でやって行かざるを得ない。その辺の現実的な事情などが複雑にあるなかで、「今回は野党として一緒に行動しよう」ということになったのだと思います。現実的選択というのかな。

新党代表選で選出された枝野幸男氏(左)と壇上で手をあげる泉健太氏=2020年9月10日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

“リアリスト枝野”復活~選挙に勝つためには何でもやる

鈴木)野党、新党の動きが菅さんの新政権誕生に奪われてしまい、ほとんどニュースにも取り上げられない感じになってしまいました。私は先日、代表選を争った枝野さんと泉健太さんのネット討論会を、生番組で司会をしました。枝野さんは前回の総選挙で希望の党からはじき出され、やむなく立憲民主党を結成した。そうしたら、みんなに支持されたわけです。「変な野合に参加しないで、よくぞ貫いた」と。そのとき、ニッポン放送の選挙特番で私が出させていただいて、枝野さんと電話をつないで話を聞いたのです。「枝野さんは現実主義だから、勝てるのならば、昨日の敵でもきょうは手を組むのですか?」と。すると、「いや、自分はそうだったけれども、今回の選挙で理念を貫いたら、これだけの人が応援してくれた。政治家として考え直す部分がありました」と言ったのです。

飯田)あのとき、あの結果に驚いていたという感じでしたね。

鈴木)やはり政治は現実主義だけでなく、理想や理念もあるのだと。そういうことを言っていたから、先日のネット番組で「そう言いましたよね。まだそういう感じなのですか?」と聞いたら、「いや、今度はまたリアリストに戻る」と。「徹底してリアリズムで行く」と言ったのです。今度の選挙では、選挙協力でも何でも、勝つためには何でもやるということです。政策でも、理念型ではなく、徹底していまの自民党政権と対決する。「リアリスト枝野」の復活です。例えば消費税についても、「下げろ下げろ」と言っているけれど、枝野さんは必ず与野党で合意しなければいけないから、「与党もOKならばいい」と。普通、攻めるだけの野党なら、「与党が何と言っても下げるのだ」と言って、アピールして票を取ろうとします。

飯田)実際に泉さんは、「凍結だ。ゼロだ」と言っていました。

鈴木)選挙で現実的というのは、「何でもあり」ということです。共産党とも手を組む。いま解散総選挙をやれば、新政権への支持もあって有利と言われているけれども、1つ、2つ、3つというように選挙で協力して、共産党が候補を下ろせば、ひっくり返ることもあるかも知れない。リアリスト枝野が「最後の勝負」という感じでやって来る、というように野党を見るべきでしょう。

合流新党の立憲民主党代表に選出され、記者会見で質問に答える枝野幸男代表=2020年9月10日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

ベテラン中村喜四郎氏の存在

飯田)後ろには、ベテランの人たちがたくさんいらっしゃるではないですか。

鈴木)小沢さんもいます。でも今回、中村喜四郎さんの存在を挙げる幹部が多いですね。この人が入って来たことによって、雰囲気も空気も変わった。そして、現実的にどう戦うかということについても、かなり刺激があるのだと言っていました。

飯田)もともとはバリバリの自民党で、田中角栄さんの秘書から始まった人です。

鈴木)経世会の主流の人でした。その人がいま野党側にいて、虎視眈々といろいろ策略を練っている。自民党としても嫌な感じですよね。

飯田)やはり組織づくりとか、そういうところの手練手管にたけています。

鈴木)選挙をどう組み立てて行けばいいとかね。鉄壁の選挙をやって来た人ですから。

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