菅内閣~「解散」はオリンピックの後になる理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月18日 17時30分

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストで東海大学教授の末延吉正が出演。菅内閣の今後と解散時期について解説した。

2020年9月16日、会見を行う菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/16suganaikaku.html)

菅内閣が本格始動

菅総理)国民のために働く内閣をスタートさせて、しっかりとした成果をあげて国民の期待にお応えしたい、そう思います。

 

発足から一夜明けた9月17日、菅内閣が本格始動した。菅総理大臣は総理官邸に河野行政改革担当大臣、平井デジタル担当大臣、田村厚生労働大臣の3人を相次いで呼び、自民党総裁選で掲げた「縦割りの打破」、「デジタル庁の新設」、「不妊治療への保険適用」の検討を加速するよう改めて指示している。

飯田)アイドリングなしで一気に来た、という感じですね。

末延)河野さんと平井さんを呼んで、デジタルですよね。それから、田村さんを呼んでコロナ対策です。不妊治療の問題もあります。これを具体的に仕上げて行くということで、来年(2021年)の通常国会、野党とはガチンコになりますよ。

飯田)この辺りの法案が、すべて出て来るわけですね。

2020年9月16日、菅総理及び総理大臣補佐官等の記念撮影~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/16suganaikaku.html)

解散時期は後ろになるか~実績を積んでから

末延)国をデジタル化するということは、オープンガバメントをつくることであり、社会をガラス張りにすることです。一大実験ですよ。これを下から積み上げて、一気に変えて行けば、世のなかは変わる。「仕事をし内閣」ですので、その実績を積んでから解散する。私は、解散は後ろになるのではないかと思います。

飯田)そうなのですね。

末延)もちろん野党への牽制がありますし、常に世論調査をしていますから、「解散はいつでもするぞ」とは言っています。1年先に送ったら追い込まれて、麻生政権のように負けると言われています。あのとき、それをアドバイスした菅さんと麻生さんの関係が、それでおかしくなったと言われている。あれがトラウマになっているというのが、マスコミの解説です。私も以前はそういう解説をしていました。しかし、よく考えると、解散をせずに引っ張って、デジタル化や不妊治療、コロナ感染を収め、オリンピックを何とかやる。そこまで低い目線で説明しながら積み上げて行ったときに、野党は持ちますかね? 野党はおそらく、またモリ・カケ、桜ですよ。

飯田)なるほど。

森友問題再検証チームを発足し会見に臨む野党各党の役員。中央は立憲民主党・川内博史座長=2020年3月18日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

国民がやって欲しい不妊治療などの実績を積まれると野党は苦しい

末延)モリ・カケ、桜の問題は、本来なら1つずつ明らかにして行かなくてはいけないのです。政府も1つずつ答えなくてはいけませんが、なぜああなったかと言うと、すべて政局ベースになって、レッテルの貼り合いになってしまったのです。野党は他に道具がないから、特に不妊治療のような、「みんながやって欲しい」と思っている政策を出されると、焦るのではないでしょうか。そうすると、また予算委員会で声を大にして同じことを言うのですよ。3年も4年も言っている。それでは野党への支持率にはなりません。だんだん疲弊して行きます。

飯田)いつまでやっているのかと。

末延)もうすでに思っていますよね。そういうところから、オープンガバメントで社会を本当に変える。デジタル化が進めば、いずれアメリカのように銀行口座とつながります。まさにガラス張りの透明な社会をつくるのです。そこまで社会が動き出しても、野党が同じことを言っていたら、置いて行かれてしまうでしょう。もう見えているのですよ。

政治 自民党新四役が決定 佐藤勉総務会長、菅義偉総裁、二階俊博幹事長、下村博文政調会長ら=2020年9月15日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

解散はオリンピックの後か~次の総裁候補になる3人

末延)そこまでやって、オリンピックの後……どういう形でもオリンピックはやるでしょうから、その後に解散をやった方がいいだろうと。そのときには、総裁選を戦った石破さんと岸田さんは、後景に消えてしまっている。

飯田)次の世代に移っていますか。

末延)ええ。この政権でいちばん目立つ役柄に、いまの既得権を壊す係として、ネットで大人気の河野さんを動きやすいポジションに据えたでしょう。

飯田)防衛大臣から変えたのは、その意味もあるのですね。

末延)しかも一部メディアで誤報がありましたが、総務大臣だという情報が流れたでしょう。「総務大臣を外したから、どんどん下がっている」と、ある夕刊紙は批判していたけれど、そうではないのです。フリーハンドですよ。壊す方を、ネットを含めてガンガン発信しろということです。

飯田)内閣府の特命担当だから、下に官僚ががっちりと組織で付いているわけではない。

末延)彼のよさは組織の調整力ではなく、発信力の強さです。行革担当と字幕では出すけれど、実はその後ろについている「規制改革」の方が大事なのです。ここで規制の緩和ではダメです。規制を残すのだから。

飯田)緩和は残すことになるから。

末延)いままでの役所がみんなごまかして来たのは「緩和」です。

飯田)改革という名の緩和だったと。

末延)岩盤規制を一気に壊して行くのです。オープンな社会をつくる。その発信力で実績をあげたときに、河野さんは次の総裁候補になります。菅さんはもともと河野さんに期待していますから。そして「菅さん頼むよ」と言った安倍さんが信頼している、加藤勝信さんを官房長官にした。これも総裁候補です。それから、最近丸くなったと安倍さんが褒めていたけれど、仕事はできる外務大臣の茂木さん。これも間違いなく総裁候補です。これだけ揃っている。この面々を育てながら、実務内閣として腰を据えてやるのですよ。

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