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柳亭小痴楽~二ツ目集団ユニット「成金」が教えてくれたこと

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月23日 8時10分

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に落語家の柳亭小痴楽が出演。二ツ目の若手落語家と講談師11人によって結成したユニット「成金」について語った。

柳亭小痴楽

黒木)今週のゲストは柳亭小痴楽さんです。去年(2019年)、真打に昇進された小痴楽さんを有名にさせたのが、若手落語家と講談師11人で構成されたユニット「成金」だそうですが、この「成金」についてお聞かせください。

柳亭)前座修行で4年間、休みなしで通い詰めて修行をするのですが、同じ修行をすると仲間意識が強くなります。私がいちばん上で、その下は3年くらい離れていますが、前座修行を共にした11人で結成したユニットです。仲がよくて、プライベートでも飲みに行く上に、お互いの芸も好き合っているのです。芸が全然違うからいいのですね。神田伯山(当時・松之丞)と桂伸衛門の2人が飲んでいるとき、「一緒にやりたい」と言ったことがきっかけでつくりました。毎日のように11人で集まって、どのようなことをやるのか話し合いました。月イチにするのか、毎週にするのか。「毎週でないとお客さんは定着しないだろう」とか、「毎週なんて、めんどくさいだろう」などと意見し合って。名前も「成金」だから、生意気ではないですか。私はいまだに反対しているのですが。いまはこのユニットも解散しています。

黒木)「どなたかが真打になったら解散」ということだったのですよね。

柳亭)それを最初に決めていたので、終わっているのですが、終わったいまでもこの名前には反対しています。生意気だから。

黒木)どなたがネーミングしたのですか?

柳亭)昔昔亭A太郎です。いろいろな言い訳をつくりました。毎週金曜日にやっていたので、「金曜日に成り上がろうという意味です」とか、「将棋で言えば、自分たちはまだ歩兵だから、金になる“成金”ね」とか。後付けで名前の理由をいろいろつくって、なるべく生意気にならないようにしました。でも、楽しかったですね。5~6年くらいやりました。最初の年は、お客さんが30人も入ればいっぱいになるような、小さなCD屋さんでやっていました。それでも10人しか入らなかったですね。年末には大きくやろうということで、3部制にして、メンバーにそれぞれゲストを1人ずつ呼んでもらってやったのです。歌丸師匠、小遊三師匠、昇太師匠という、落語芸術協会の大幹部3人に声をかけて、「出てください」と言ったら出てくれました。その翌年から、お客さんが一気に増えました。お三方が「奴らを可愛がってやってください」と言ってくださったので、お客さんも信用して来てくれたのでしょう。

黒木)そして、次にやったのが「大成金」ですか。これはいまでもやっているのですよね。

柳亭)どんどん生意気になって行きます。

黒木)みんなそれぞれの個性が好きで、信頼し合っている11人という、とてもいいユニットだったのですね。

柳亭)「切磋琢磨」という言葉がありますが、そんな感じですかね。芸歴は私がいちばん上ですが、年齢はいちばん下なのですよ。後輩に17歳上がいたりして、いろいろな意味でトントンでした。「あのセリフをやるなら、こっちの方がよくないですか?」などと言い合ってくれました。

黒木)普通だと、あり得ないですよね。

柳亭)11人のなかで、いちばん影響を受けて伸びたのは私だと思います。枕もつくれない、落語も教わったことしかできなかったのが、ふざけられるようになったのは、あの人たちのおかげです。伯山さんがお客さんをたくさん呼んでくれて、私では呼べないような、700人ほど入る大きな小屋でやったりもしました。そこで松之丞(伯山)が、「アニさん、これは僕の客じゃないですから、香盤ですから。アニさんが先輩なので、トリで行きましょう」と言うのですよ。「意地悪だなあ、お前」と言いながら、私がトリをやりました。松之丞が「ワッ」と盛り上げた後の、トリのプレッシャーと闘いました。誰も私を求めていない700人の前で、「頑張らなきゃ」という経験をもらって、いい勉強になりましたね。

黒木)そのときのモチベーションは何だったのですか?

柳亭)出番だからやるけれど、「降りたら松之丞を殴ろう」という気持ちで頑張りました。でも終わったら、松之丞は先に帰っていたのですよ(笑)。

柳亭小痴楽

柳亭小痴楽(りゅうてい・こちらく)/落語家

■1988年12月、5代目・柳亭痴楽の次男として誕生。本名:沢辺勇仁郎。
■2005年10月、16才のとき、入門を申し出た途端に父が病に伏したため、2代目・桂平治(現:桂文治 )へ入門。「桂ち太郎」で初高座。
■2008年6月、父(痴楽)の門下に移り「柳亭ち太郎」と改める。
■2009年9月、父(痴楽)の没後、父の弟弟子・柳亭楽輔の門下へ。
■2009年11月、二ツ目昇進を期に「3代目 柳亭小痴楽」を襲名。その後、二ツ目の若手落語家と講談師11人によるユニット「成金」を結成。メンバーには講談師の6代目 神田伯山ほか、昔昔亭A太郎・瀧川鯉八など。
■2011年2月、「第22回 北とぴあ若手落語家競演会」奨励賞を受賞。
■2015年、2016年と2年連続「NHK 新人落語大賞」ファイナリスト。
■2019年9月、真打に昇進。同時に6代目・柳亭痴楽襲名の話もあったが襲名せず。
■ユニット「成金」については、メンバーの誰かが真打になったときに終了するとされていて、小痴楽の真打昇進前日の2019年9月20日に終了。全メンバーが出演する年末開催の「大成金」は継続。

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