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尖閣諸島沖で海保巡視船と台湾の漁船が接触~調査するべき“その背景”

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年9月29日 17時30分

尖閣諸島沖で海保巡視船と台湾の漁船が接触~調査するべき“その背景”

沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P―3C」 から

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月29日放送)にジャーナリストの有本香が出演。尖閣諸島沖の領海内で起きた海上保安庁の巡視船と台湾のはえ縄漁船の接触事故について解説した。

沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P-3C」 から=2011年10月13日 写真提供:産経新聞社

尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船と台湾の漁船が接触

沖縄県の尖閣諸島沖の領海内で、海上保安庁の巡視船「くりま」と台湾のはえ縄漁船が、9月27日午後に接触した。双方の乗組員に怪我はなく、大きな損傷もなかったことから、海上保安庁は拿捕などの措置は取らなかった。当時の状況から、漁船が故意に接触した可能性は低いと判断したとみられている。

飯田)領海内で、ということですよね。

第2次安倍政権で締結に至った日台漁業協定

有本)つまり、違法操業であることは間違いなかったということです。しかし、10年前に尖閣諸島沖で中国の漁船が体当たりをして来たことがありましたが、あのケースとはまったく状況が違うということ。また、日本・台湾両国とも、これを政治問題化しようという動きはありませんので、それはそれでいいことだと思います。ただ、台湾側は自国の海上警察……日本の海上保安庁のようなところがあります。そこを通じて調査をするということです。これは正しい対応だと思います。「問題なかったからいいよね」ということではなく、「一体何が起きたのか」ということは、映像等もあるはずですから。

飯田)海上保安庁は映像を撮っているはずですよね。

有本)「何が起きたか」ということは、国民にも明らかにするように習慣づけるべきだと思います。日本と台湾の場合は、日台漁業協定を第2次安倍政権になって結んでいます。第1次安倍政権のときにも模索しましたが、別の要素があって、成立しませんでした。この件について、第1次政権が終わった後に安倍前総理に聞いたことがあります。いまは言ってしまっていいと思いますが、第1次政権のときに台湾側と漁業協定を締結しようという目的で、接触を試みていた。当時トップであった陳水扁総統と安倍総理が直接、国際会議の場面を通じて、会うということも含め、調整していたけれど、日本側の情報が全部、北京に漏れていた。そういうことがあって、うまくいかなかったということを聞きました。ですから、これが第2次政権で締結できたということは大きな成果でした。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

いい漁場であるEEZの一部を台湾に譲った理由

有本)ここで日本はEEZの一部を台湾に譲っています。沖縄の漁業関係者に聞けば、マグロのいい漁場を譲ったということです。だから日本側はそこを一部譲ってでも、台湾とはことを構えたくないということだったわけです。しかし、今回のように漁船のなかにはどうしても、魚が獲れるというと入って来る人たちがいます。この漁船に他の背景が何もないのであれば、「まあよし」ということですが、違法操業に対しては厳しく対処する必要があります。

飯田)陳水扁政権も民進党政権だった。いまの蔡英文政権も民進党政権です。国民党政権になると、やはり北京とパイプがあるというか、近くなる。

有本)馬英九政権は特に近かったですからね。

飯田)そこで中台が連携するとなると、日本にとってはいちばんの悪手になるということですよね。

10日、台北で開かれた双十節の式典で手を振る台湾の蔡英文総統(中央右)=2019年10月10日 写真提供:時事通信

日台を離間させようとする中国

有本)そうですね。ただ、逆に言うと、日本と台湾が連携するということが、北京にとってのいちばんの悪夢なわけです。

飯田)だからこそ、日本の情報を何とかして奪おうとしていた。

有本)いまも、日台を離間させようという動きは、あらゆる分野からあると思った方がいいと思います。そういう意味でも、この漁船の問題1つ取っても、「単に漁船がちょっと無法者だった」という話だけで終わりなのかどうか、よく調査する必要があるとは思います。

飯田)それは背景も含めて。

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