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アメリカ大統領選挙~「史上最悪の討論会」の影響は?

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月1日 17時35分

アメリカ大統領選挙~「史上最悪の討論会」の影響は?

(COMBO) This combination of pictures created on September 29, 2020 shows Democratic Presidential candidate and former US Vice President Joe Biden (L) and US President Donald Trump speaking during the first presidential debate at the Case Western Reserve University and Cleveland Clinic in Cleveland, Ohio on September 29, 2020. (Photos by Jim WATSON and SAUL LOEB / AFP)

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月1日放送)に経済アナリストの森永康平が出演。9月30日(日本時間)に行われたアメリカ大統領選の討論会について、電話ゲストに外交評論家の宮家邦彦を招いて解説した。

第1回テレビ討論会 米大統領候補者討論会=2020年9月29日 写真提供:時事通信

アメリカ大統領選挙~初のテレビ討論会で非難の応酬

11月のアメリカ大統領選挙に向けた、候補者同士の初めてのテレビ討論会が日本時間9月30日午前10時から行われ、トランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が激しい論戦を交わした。討論会は非難や中傷の応酬で度々中断し、アメリカの新聞ワシントン・ポストは、「妨害、非難、混乱の討論会だった」と酷評している。

飯田)大統領選のテレビ討論会について、外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦さんと電話をつないでお話を伺おうと思います。宮家さんおはようございます。このテレビ討論会、どうご覧になりましたか?

宮家)内政が中心で、最高裁のことやコロナなど、いろいろやりましたが、内容は非常に浅いものでした。この討論会を44年間観ていますが、最悪の討論会だったと思います。人の話を聞かない。相手の話に途中で割り込んで、罵倒する。これは大統領候補のディベートですよ。ディベート学の基本に反するものだと思います。ボクシングに例えれば、すぐクリンチする。反則ばかりで、レフェリーにも毒づくような有様ですね。多くはトランプさんがやりましたが、バイデンさんも相当汚い言葉を使っていました。どっちもどっちです。本来なら正々堂々、技術と論理で、「どちらが大統領にふさわしい男か」というコンテストだったのですが、がっかりしましたね。

2月11日、米サウスカロライナ州の集会で演説するバイデン前副大統領(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

バイデン氏有利は変わらず

宮家)トランプ陣営は、数字が悪いので焦っているのだと思います。でも結果は逆効果になりましたよね。あのように安価に苦言を呈させるというのはよくありません。「ではバイデンさんは上手くやったのか」と言うと、ごく普通の人だったと思います。トランプさんだったからよく見えただけです。トランプさんが突っ込めば、失言や暴言が出るかと思いましたが、トランプさんが喋らせてくれないので、そんな時間はなかったですね。

飯田)CBSが出していましたけれど、世論調査を見ると、48対41とバイデンさんがよかった。これは「ややましだった」という感じですか?

宮家)全国レベルや激戦州でも、バイデンさんが有利というのは変わりませんが、大勢にはあまり影響なかったかも知れません。世論調査では、バイデンさんが50%を少し超えてるくらいですけれども、変化はそれほどありません。いずれにせよ、これから数%で右に振れるか左に振れるかで結果が変わります。

18日、オンラインの米民主党大会で、司会役を務める女性の後ろの画面に映し出されるバイデン前副大統領とハリス上院議員の写真(ゲッティ=共同)=2020年8月18日 写真提供:共同通信社

「隠れバイデン」の存在

飯田)スタジオには森永康平さんもいらっしゃいます。

森永)前回の大統領選では、事前にはヒラリー・クリントンさんが有利だったなかで、蓋を開けてみると、俗にいう「隠れトランプ」、大々的には言えないけれども、実は支持していたという層がいて、これが波乱要因になりました。アメリカの知人と話していたところ、もちろん今回も隠れトランプは一定数いるという一方で、実は今回は「隠れバイデン」がいるのではないかということを聞きました。共和党支持者なのだけれど、トランプ大統領のコロナ対策や一連の不適切な発言に嫌気がさしてしまった。それは大々的には言えないわけですから、直前までは黙っているという人たちも一定層いるという話が興味深かったのですが、どうなのでしょうか?

宮家)「隠れトランプ」について言うと、当時の世論調査は、白人労働者層の調査が薄かったために、その部分が見誤った理由だったということです。その反省もあって、今回は世論調査のやり方を4年前と変えているということです。ただ、いずれにせよ、「隠れ何とか」とかいうのは少なくありません。それが数%で決まってしまうというところが恐ろしいところです。どちらかに投票すると決まっている人たちは9割なのですから。残りの10%のなかの数%がどちらに行くかによって、激戦区では状況が変わってしまうのです。

ホワイトハウスで記者会見するトランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2020年7月28日 写真提供:時事通信

厳しい状況にあるトランプ陣営

飯田)今後どういう展開になって行きますか?

宮家)討論会はトランプさんが得意としていることなのですが、これが逆効果になったとなると、もうバイデンさんの失策を待つしかありません。今回は喋る機会もなかったために、バイデンさんが自滅することはありませんでした。しかし、そのくらいしか方法はないのではないでしょうか。いま注目の州がありますが、トランプさんの状況は厳しいですね。

飯田)最高裁判事の指名が、今回も最初の質問に出ていましたけれども。

宮家)出ていましたが、泥試合で飛んでしまったでしょうね。これから上院で手続きが始まりますから、その手続きの内容次第では、また少し状況は変わるかも知れません。いずれにせよ、トランプさんにとっては難しい選挙になっていると思います。

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