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酒税の税率改正~トータルで見ると税収が下がるワケ

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月1日 17時40分

酒税の税率改正~トータルで見ると税収が下がるワケ

【酒税引き上げ・駆け込み需要】10月からの第3のビールなどの酒税が引き上げとなるのを前に特設コーナーを設置したスーパー。駆け込み需要が高まっている=9月24日、大阪府茨木市のアル・プラザ茨木

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月1日放送)に経済アナリストの森永康平が出演。10月1日からの酒税の税率改正について解説した。

10月から酒税引き上げで駆け込み需要 特設コーナーを設置、チラシを用意したスーパー=2020年9月24日 写真提供:産経新聞社

10月1日にビールなどの税率が改正

10月1日から酒税の税率改正で第3のビールやワインは増税となり、価格の値上がりが見込まれ、ビールや日本酒は減税となり、値下げが期待される。

飯田)全体を見てどうですか?

森永)酒税による課税額は1994年をピークにずっと落ちて来ています。人口が減っているということもありますし、若者のアルコール離れということもあると思いますが、国民の生活が豊かにならないなか、高いビールより安い第3のビールやチューハイを買う、という行動変容が起きたのです。そこに対して、ここの税収を取るために、安い方を引き上げ、高いビールを引き下げるというのは、国民目線ではありません。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

第3のビールもビールもシェアを失う~据え置かれるチューハイやカクテルに行く

森永)いまは複雑なのですが、今回を含めて3回の酒税変更をかけて、酒税が一本化されます。それは企業から見るとウェルカムだし、ビール企業からすると、「ビールでもう1度シェアを取り戻すチャンスだ」ということで意気込んでいます。ただ、いまの状況を考えると、第3のビールが値上がったから、安くなった方のビールを買うかというと、そちらには行かないのではないかと思います。結局、据え置かれるチューハイやカクテルに行ってしまい、結果的に「第3のビールもビールもシェアを失ってしまう」という可能性があります。

【新型コロナウイルス関連】「東京アラート」が発動された翌日、新橋駅周辺で営業する居酒屋=2020年6月3日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

コロナの影響でカクテル、チューハイの売り上げが伸びている~トータルで見れば税収が下がる可能性も

森永)家計調査を見ていると、コロナの影響で外での飲酒ができなくなってしまったので、外の飲酒代は落ちていますが、反比例する形で、まさにカクテル、チューハイが伸びているのです。

飯田)「家飲みしよう」ということですよね。

森永)若い子とかはZoomをつないで。

飯田)Zoom飲みとかですね。

森永)それが行動変容として、明らかに経済指標からも見えます。そうすると、今回の税率改正がカクテル、チューハイ側にさらなる追い風になる可能性はあります。

飯田)それで他のお酒の消費が鈍って行くということが、果たして日本経済にとっていいのかどうかということですよね。

森永)トータルで見ると、「税収下がっているのではないか」という話になるので、考えて欲しいですね。

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