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新型コロナ分科会メンバー・押谷仁 SARSで友人の医師を亡くしながらも対応を続けた理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月6日 11時30分

新型コロナ分科会メンバー・押谷仁 SARSで友人の医師を亡くしながらも対応を続けた理由

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(10月4日放送)に、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーであり、東北大学大学院医学系研究科・医学部 微生物学分野教授の押谷仁が出演。SARS(重症急性呼吸器症候群)について語った。


淵澤由樹(アシスタント):押谷さんはWHO西太平洋事務局の感染症地域アドバイザーとして、かなりの国と地域を回り、「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の蔓延を防がれたそうですね。具体的には、どのようなことをされていたのですか?

押谷:中国の広東省で謎の肺炎が流行して、多くの人が亡くなっている可能性があると聞いたのは、2003年2月11日でした。それから中国政府に情報の提供を呼び掛けたのですが、なかなか情報が得られず、中国の北京に行きました。その後、ベトナムのハノイでも流行が起きたと聞き、ベトナムへ行って、さらにマニラにも足を運んで対応しました。最初は何が原因か、まったくわかりませんでした。

淵澤:そして、中国やベトナムなどで爆発的に感染が拡がったのですか?

押谷:特にSARSの場合は、病院内での感染が拡がり、多くの医療従事者の方が亡くなりました。

淵澤:押谷さんのご友人のお医者さんである、カルロ・ウルバニさんも亡くなったそうですね。

押谷:彼はイタリア人の医師で、当時はベトナムのWHOで働いていました。僕のところにハノイでの流行を伝えて来たのも彼でした。一緒にハノイで対応をしていましたが、彼自身も感染して亡くなってしまいました。

淵澤:素人から見ると、非常に怖いと感じてしまうのですが……。

押谷:自分も感染する可能性があることは考えていましたけれど、それよりも実際に何が起きていて、我々に何ができるのかを知りたいという気持ちの方が強かったと思います。

淵澤:――最後に、ラジオの前の子育て中のママやパパへ、メッセージをお願いいたします。

押谷:新型コロナウイルスを人類が経験して、社会をいろいろな形で変えて行かなくてはならない。いままでの価値観も少しずつ変えなくてはいけないと思います。必ずしも型にはまったような子育てだけが、本当に正しいのかということを、みんなで考えて行く必要があると思います。

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