米軍が沖縄から撤退する可能性も~辺野古移転どころではない
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月12日 17時35分
玉城デニー沖縄県知事(左)から日台漁業取り決め及び日中漁業協定の見直し等を求める要請書を受け取る加藤勝信官房長官=7日午後、首相官邸
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月12日放送)に慶應義塾大学教授・国際政治学者の細谷雄一が出演。加藤官房長官が沖縄の玉城知事と会談したニュースについて解説した。
加藤官房長官が沖縄・玉城知事と会談
加藤官房長官は10月10日、玉城沖縄県知事と会談し、アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古の移転計画について意見交換をした。
飯田)日米関係も絡んで来ますが、ここのところというのはそうそう動くものではないですか?
米軍基地辺野古移転問題~難しい歩み寄り
細谷)基本的にはいまの知事は、かつての民主党系のリベラルな知事ですので、少なくとも、従来の保守系の知事よりは合意は難しいでしょう。そして、沖縄の一部では、菅総理が官房長官時代に、基地の移設の問題に関して、「着々と工事を進めて行く」という方針を取っていましたので、批判的な声が強いです。政府側も、沖縄側も、立場というものがある程度固定されているので、交渉によって歩み寄れる余地は限定的だと思います。
飯田)そうすると、この後の県議会選挙、その先2年後の知事選がありますが、それらの選挙を経ないと、なかなか変わらないということになりますか?
米軍基地を沖縄から撤退させたいという考えもあるアメリカ
細谷)そうですね。中国の問題もあり、日米同盟が更に重要性を増しています。ところが、逆にアメリカは一部では後ろに退きたいという考えがあります。沖縄が中国に近すぎて危ないので、これをグアムやハワイに下げようという動きです。
飯田)そうなると、そこを埋めないと中国は出て来てしまうので、自衛隊の力に頼るということになるのですか? それとも、アメリカ軍が退かないように、「ローテーションでもいいからいてくれ」と交渉するわけですか?
細谷)ドイツからも大幅に削減していますし、全般的にはアメリカは後ろに退きたい。あくまでもアジア地域に関しては、重視する姿勢を取っていますが、将来的にアメリカが中国の軍拡を受けて、「沖縄が中国に近すぎて危ない」という認識が出て来ます。家族もいますから、ハワイまで退いて、沖縄の問題を日本に任せることになってもおかしくありません。
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