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尾木ママこと尾木直樹が語る、コロナ禍の教育現場の問題点

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月13日 18時30分

尾木ママこと尾木直樹が語る、コロナ禍の教育現場の問題点

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(10月11日放送)に、教育評論家の尾木直樹が出演。コロナ禍における教育現場について語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

自見はなこ:今回は、教育評論家の尾木直樹さんをゲストにお迎えしています。コロナ禍での教育現場について、ぜひお聞かせください。

尾木:いま、保育園や幼稚園では「コロナごっこ」というものがあります。マスクを外したら「マスク!」と言ったり、密になったら「密!」と言って注意し合う遊びです。先日、保育園の先生が笑顔を見せようとマスクを外したら、園児が驚いてマスクをするように促したそうです。浸透し過ぎていて、いま文科省は「マスクを外す指導もやりましょう」と言っています。

自見:私は小児科医ですけれども、子供の発育にとって、大人の笑顔を見ないということは、とても悪い影響があるのです。

尾木:最近、ある小学校の校長先生にお伺いしたのですが、マスクをしての登校ばかりだと、心の変化が表れない。何を聞いても同じトーンで返って来てしまう。これは学力よりもメンタルケアの方が重要だと、議論されているところもあるそうです。

自見:いま「デジタル庁」という話があるように、国全体がICT(Information and Communication Technology)教育に向かっています。でも、学校現場は先生と生徒が「向き合う」ことが大切なので、ICTのシステム管理は国が引き取ってやった方がいいのではないか、と思うのですけれども。

尾木:その分野は、特に50歳以上の先生は超苦手なのです。若手の先生に助けてもらっているなかで、オンラインなど、とてもではないけれどできません。自治体や国からの支援で進めてもらわないと難しい。一応、システム自体はできているのです。

自見:「GIGAスクール構想」ですね。

尾木:今年度(2021年)の3月末までに出来上がる予定なのですが、なかなか進みません。

淵澤由樹(アシスタント):それはなぜですか?

尾木:いろいろな要因があります。自治体の首長さんに電話取材をしてみた結果、わかって来たのは、「貧しい自治体は(政府が何割か負担しても)お金を出せない」ということです。また、先生方の意識の問題も大きいと思います。僕のなかにも、まだ残っている気配があるのですが(※尾木さんは元教師)、「授業は生でやってこそ」というか、そこに誇りやプライドをかけているところがあります。うまい先生は本当に上手です。生徒が40人いてもガッチリ心をつかんで、学力も保障しますから。

自見:日本の学校教育の先生たちには、本当にすごい力がありますよね。

尾木:世界でもトップクラスです。それだけの自信があります。だから、パソコンがいじれるようなICT担当の教師は、職員室でバカにされている部分もあります。その感覚は、僕も現場にいたのでわかりますが、もはやそうではないのです。時代は変わっているのに、先生方は忙しすぎて目の前のことに追われるあまり、視野がグローバルになっていないのです。本当にもったいないと思います。

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