トランプ大統領コロナ検査「陰性」~最後まで行方がわからない大統領選
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月13日 17時30分
US President Donald Trump holds a Make America Great Again rally as he campaigns at Orlando Sanford International Airport in Sanford, Florida, October 12, 2020. (Photo by SAUL LOEB / AFP)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月13日放送)にジャーナリストの有本香が出演。産経新聞ワシントン支局長・黒瀬悦成を電話ゲストに招き、アメリカ大統領選の現地の状況について解説した。
トランプ大統領のツイッター投稿に運営会社が警告の表示
アメリカのトランプ大統領は自身のツイッターに「新型コロナ感染の免疫ができたので、もう人に感染させない」などと投稿した。この投稿について運営会社は、利用者が閲覧する前に「誤解を招き、害を及ぼす恐れがある情報の拡散についての規定に違反する」との警告を表示している。
飯田)トランプさんがコロナに感染し、どうなるかと心配されましたが。
有本)3日で出て来られて、元気な感じに見えますよね。
飯田)既に集会などにも行っているということです。ここで産経新聞ワシントン支局長の黒瀬悦成さんと電話をつなぎまして、この大統領選挙が目下どうなっているのかを聞いて行きたいと思います。黒瀬さん、よろしくお願いします。
黒瀬)よろしくお願いします。
アメリカで注目されているトランプ大統領の「本当の体調」~検査結果「陰性」と発表
飯田)現地時間の12日に、トランプさんがフロリダで選挙集会をやったということが伝えられていますが、トランプさんの一連の動きは、アメリカではどのように報じられているのですか?
黒瀬)トランプさんは間もなく決起集会を始めるところなのですが、いちばん注目されているのは、トランプさんの体調です。「本当に大丈夫なのか、治っているのか」ということです。先ほどホワイトハウスから主治医の発表がありまして、ウイルスについては陰性だという検査結果が出たということです。その辺の心配は少し解消されたという感じがします。
飯田)陰性ということになると、15日の2回目のテレビ討論会が中止になっていますが、開催ということになりますか?
黒瀬)委員会の方で「中止」となりましたので、いまからできるかどうかは、議論がまた分かれることになると思います。アメリカの一部のテレビ局は、「中止であればうちの方でやります」という形でオファーを出しています。これが実現するかどうかはわかりませんが、「やったほうがいいのではないか」という声が、共和党のなかにも多いということです。
飯田)トランプさんとしては、「面と向かってやる」というのがファーストプライオリティなわけですか?
黒瀬)そうですね。バーチャルですと自分の言いたいことがきちんと言えない、または、司会者からミュートを押されて声が出なくなることを心配しているようです。
2016年の二の舞になりかねない~情勢分析に慎重な民主党
飯田)日本では、バイデンさんが有利だと、いろいろなところで報じられていますが、取材されていての実感も含めて、いかがですか?
黒瀬)各種の世論調査も含めて、バイデンさんがリードしていることは紛れもない事実です。ただ、日本の専門家の方には、いまの時点で「バイデンさんで決まり」だと公言している人がいるらしいのですが、それは言い過ぎではないかなという気がします。前回の2016年の大統領選でも、投票日の1週間前から当日にかけて、「トランプさんに入れよう」と決心した人が多かったのです。ですからバイデン陣営の方も民主党も、情勢分析については慎重です。ここで勝ったと浮かれていると、2016年の二の舞になるかも知れないという警戒感があります。
確実に存在する「隠れトランプ支持者」~支持率はそれほど離れてはいない
有本)いまおっしゃったように、「トランプ大統領に投票する」ということは、なかなか言いにくい空気があるということです。前回、「隠れトランプ」などと言われましたが、今回もそういう傾向が強いと言われています。それは実感されますか?
黒瀬)実感しますね。ワシントンは非常にリベラルな土地柄なのですが、余計に共和党支持者が、自分たちのことを「トランプ支持だ」と言いづらい雰囲気があると思います。この前の白人警官による黒人暴行死事件を受けて、反差別のデモや暴動が起きましたが、トランプ支持者に対する肉体的暴力が懸念されています。実際に起きているということもあり、言いづらいという雰囲気はかなり強まっている気がします。
有本)ネットなどでは、トランプ支持者に対して、暴力を振るうような動画が出回っています。そちらに住んでいらっしゃると、「こういうこともあるだろうな」と思われますか?
黒瀬)あると思います。アメリカのメディアは特にそうなのですが、左派系の人たちが右の人たちに暴力を振るうというのは意外にスルーされて、その逆は批判的に扱われるところがあります。フェイクニュースでそういうビデオをつくって拡散させているというよりは、実際にそういうことが現場で起きていることは、信憑性が高いと思います。
有本)そうすると、先ほどおっしゃっていたように、紛れもない事実なのですが、各社の世論調査の数字が、「真実を浮き彫りにしているとも言い切れないところがある」ということでしょうか?
黒瀬)世論調査を見る際に気を付けているのは、サンプリングが偏っていないかということです。民主党の支持者の割合が多過ぎれば、どうしてもバイデンさんの支持という結果が強くなってしまいます。あまりにもバイデンさんの支持が高過ぎる、またはトランプさんの支持が高過ぎるような世論調査は基本的には無視して考えるようにしています。そう考えると、支持率の差は世間で言われているほど、幅広いわけではないような気がします。
どちらかが圧勝しない限り、郵便投票が訴訟に持ちこまれる可能性も
飯田)今回コロナウイルスの影響によって、郵便投票が広範囲で行われるということですが、それに対してトランプさんは否定的な言動をしています。それによって、11月3日が終わった後も揉めて結果が出ないのではないかという見方もありますが、いかがですか?
黒瀬)そうですね、どちらかが圧勝しない限りは、11月3日、また、夜が明けた4日に決まるということはないのだろうと思います。郵便投票の締め切りも、一部の州では延ばしてしまっています。例えば11月7日までに届けばいいと。そこまで待たなくてはいけなくなると、いまのアメリカの郵便制度や選挙管理委員会の時間差を考えると、訴訟に持ち込まれるということも考えられます。
飯田)年越しもあり得ますか?
黒瀬)年越しの配慮はできないかも知れませんね。しかし、大統領は1月20日までには決まっていないといけませんから、それまでには決着を付けると思います。
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