落合恵子~深夜放送での「レモンちゃん」、そして「クレヨンハウス」主宰としての現在
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月2日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、作家で児童書籍専門店「クレヨンハウス」主宰の落合恵子が出演。31歳から続けて来た「クレヨンハウス」での活動について語った。
黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」。今週のゲストは、作家で子供の本の専門店「クレヨンハウス」を主宰している落合恵子さんです。
落合)お願いします。
黒木)元文化放送のアナウンサーでいらして、深夜放送の番組では「レモンちゃん」と呼ばれ、ラジオのパーソナリティとして大人気でした。
落合)笑ってしまうのですけれども。そう呼ばれて、正直に言うと、とても悩んでいました。普通に学生時代を終えて就職試験を受けて、放送局に入社して、2~3年経ってなぜかニックネームがついて……会社がニックネームをつけて商品化したかったのでしょうね。一方ではとても吹き出したし、「違う」という思いもずっとありました。
黒木)ぴったりな感じがしていましたけれども。
落合)「レモン」という単語には、英語のスラングで「生意気な女」という意味があるのですよ。「では、こっちで行こうかな」と内心思っていたりもしました。
黒木)放送局を退社なさってから、作家として活動されていますが、並行して、子どもの本の専門店「クレヨンハウス」を主宰されています。今年、2020年6月に第55回「ENEOS児童文化賞」を受賞されました。
落合)ありがとうございます。まだ授賞式も終わっていないのですが、取材を受けることで、だんだんと気持ちがそちらに向かっています。
黒木)「ENEOS児童文化賞」というのは、1966年に創設されて、日本の児童文化の発展に大きな業績をあげた個人、または団体を顕彰する賞です。今年は長きにわたるクレヨンハウスでの活動、そして子どもたちと本に関わる活動から受賞されたということです。未来ある子どもたちのために活動していらっしゃるわけですから、それは本当におめでとうございます。
落合)ありがとうございます。気がつけば、「クレヨンハウス」はこの12月で45周年です。
黒木)すごいですね。
落合)31歳から始めていますので。
黒木)12月に45周年ということですけれども、これまでを振り返って、どのようなお気持ちでいらっしゃいます?
落合)アカデミー賞も含めて、いろいろな授賞式で受賞者の方が、「皆さんのおかげです」と言っていらっしゃるではないですか。ああいうのは、その場のスピーチとして決まりきったものかと思っていたのですが、いざ、こういう形でいただくと、やはりスタッフに支えられて来たな、お客さんに支えられて来たなと思いますね。いまのお客様は3代目の方が多いのです。最初にお子さんで来た方が親御さんになって、その方たちがおじいさん、おばあさんになって来てくださる。「みんなに支えられて来た」というのは実感ですね。
黒木)「大人の方も読める絵本」。それから「一生に1度読んでみたい絵本」というコーナーもあるのですって?
落合)5万冊くらいあるのですが、どれもが一生に1度は絶対に読みたい本なのですよ。「絶対に読んでください。私はこの本が好きです」とすべての本に対して言いたいのです。「どうか自分でその1冊を見つけてください。ここにあるものはすべて、一生に1度は読んでいただきたい本です」とお伝えするべきかも知れません。
黒木)「どれがいいですか」と言われることも多いとは思いますけれども。
落合)「気にいる本に出会うまで、ゆっくり座り読みして、遊んでいてください。それから選んでください」と思います。
落合恵子(おちあい・けいこ)/作家・クレヨンハウス主宰
■1945年、栃木県宇都宮市生まれ。
■1967年、文化放送にアナウンサーとして入社。「セイ!ヤング」「こんばんは、落合恵子です」などでパーソナリティを担当。
■1974年に文化放送を退社。本格的な文筆活動を開始。
■海外取材で子供の本の専門店を見たのがきっかけで、1976年、本をはさんで大人と子どもが向かい合う場として児童書籍専門店「クレヨンハウス」を開設。
■東京都渋谷区神宮前に開店。1986年に港区北青山へ移転。約5万冊の児童書、オーガニックレストラン、子どもと大人の本のフロア、安全安心な玩具、女性の本やオーガニックな生活必需品などを扱う。
■1991年には大阪府吹田市に「クレヨンハウス・大阪店」をオープン。
■クレヨンハウスが絵本や児童書を月に1度届けるサービス「絵本の本棚」も人気。
■その他、総合育児雑誌『月刊クーヨン』、オーガニックマガジン『いいね』の発行人も務め、絵本の刊行や翻訳も多数手がける。
■近著に『泣きかたをわすれていた』『明るい覚悟』などがある。
■2020年、第55回ENEOS児童文化賞を受賞。
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