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アニメ『鬼滅の刃』 ヒットを産んだビジネスプロデュース戦略 日経BP総研・品田英雄氏が解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年10月31日 11時45分

アニメ『鬼滅の刃』 ヒットを産んだビジネスプロデュース戦略 日経BP総研・品田英雄氏が解説

日経BP総研上席研究員・品田英雄氏が10月28日(水)、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。映画が空前のヒットを記録しているアニメ『鬼滅の刃』の放送・配信ビジネスについて解説した。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

辛坊)今回、テレビ局はどこもついていないのですか。

品田)そうです。基本的にはソニーの「アニプレックス」という会社が、少年ジャンプの連載を見て、映像化しようというところから企画が始まっています。

辛坊)私、映画を観に行ったのですが、「アニプレックス」って書いてありましたけれども、ソニーのソの字もなかったような気がするのですが。

品田)ソニーグループにソニーミュージックという会社があって、そこのグループ企業、子会社として、アニメを専門につくって世界開拓、製作から配給をいろいろやっているという会社です。

辛坊)おお、ソニーなんですね。

品田)そうなんです。

辛坊)ありゃまあ。でかいところがついているんですね。

日経BP総研上席研究員・品田英雄

品田)そういう意味ではそうです。アニメの制作自体は「ユーフォーテーブル」というところがテレビのときからずっと始めています。

辛坊)テレビ局がつかなかったというのは何か理由があるのですか。たまたまなんですか。

品田)まあ、結果的にはたまたまだとは思うのですが、大きな流れで言うと、「テレビ局がどうこう」という時代ではなく、実は『鬼滅の刃』がアニメ化されたときに、TOKYO MXをはじめとして、テレビ局をおさえることも大事だったのですが、もうひとつ、ネットの動画配信の会社で扱ってもらうということにすごく力を入れていました。

辛坊)ああ。いまはもう、そういう時代なんですね。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

品田)はい。テレビでその場でみるということだけじゃなくて、「面白いよ」って話を聞いてから探しにいっても、ネットで、スマホでみられる状態を読んでいたということが、いまとなっては大成功になったと思います。

辛坊)ぶっちゃけ言うと、たぶん、アニメをつくっている会社からすれば、どこか単一のテレビ局に持っていて、そこだけで放送するより、いまのようにネット動画配信その他で多面的に出口を探した方が儲かるということですね。

品田)そうなんです。テレビ局は数が限られていますが、動画配信は20いくつもあり、いろいろなところでみることができますし、条件が違います。例えばアマゾンは「Amazonプライム」で、それを見るために入っていなくてもみられるということがあるので、見るチャンスが増えるからいいんです。

辛坊)『鬼滅』の映画が、10日で100億の興行収益でしょう。これ、すごいですよね。動画配信での利益とか、DVDとか、それを入れると、とんでもないお金が動いていますよね。

増山さやかアナウンサー

品田)そうですね。しかも今回は漫画自体が売れた段階で、いろいろなコラボ企業がついているので、スーパーに行ってもコンビニに行ってもありますし、お寿司屋さんのチェーンでファイルを配るといったら、普段行かないような子どもが行くとか。

辛坊)私、普段買わないのに思わず缶コーヒー買っちゃいましたよ。

辛坊治郎

品田)辛坊さんはそうやってハマって見に行ったから違いますが、ニュースで「いきなり3日でこれだけいった」とか言っているじゃないですか。いきなり見るとわからなくないですか。「柱ってなんだ?」とか。

辛坊)そうですね。

品田)普通の大人がみるとわからないということがあるので、(興行収入も)伸びないかなと最初は思っていたのですが、ところが、辛坊さんのようにネットで調べればいくらでも後からわかりますので、ハマりやすいでしょうね。

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