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「選挙には負けるが、大統領はトランプ」~森永卓郎の「アメリカ大統領選」予想

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月4日 18時10分

「選挙には負けるが、大統領はトランプ」~森永卓郎の「アメリカ大統領選」予想

US President Donald Trump holds a Make America Great Again rally as he campaigns at Orlando Sanford International Airport in Sanford, Florida, October 12, 2020. (Photo by SAUL LOEB / AFP)

「垣花正 あなたとハッピー!」(11月4日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。アメリカ大統領選挙の結果について大胆な予想をした。

ドナルド・トランプ米大統領=2020年10月12日 AFP=時事 写真提供:時事通信

大統領選挙の行方

アメリカ大統領選挙の投票が日本時間の11月3日夜にスタートしました。関心度が高く、投票率は相当上がるのではないかということですが、その結果が正しく反映されるかどうかは謎です。選挙の行方は予断を許さないというところです。

「スーパーチューズデー」で予備選が行われた米カリフォルニア州ロサンゼルスでの集会で、聴衆に笑顔をみせるバイデン前副大統領=2020年3月3日 写真提供:産経新聞社

「バイデン氏有利で株価が上昇」は逆

バイデンさんが勝った場合の財政出動に期待して、株価が上がったという見方がありますが、私は逆だと思っています。歴代のアメリカの大統領を見ると、「共和党政権のときに減税、民主党政権のときに増税、財政引き締め」というのがいままでのパターンです。バイデンさんは、「富裕層は増税する」と明言しています。株式市場は、トランプさんがホワイトハウスに居座ると考えて、株価が上昇したのだと思います。

11月1日、米大統領選が大詰めを迎え、フロリダ州で演説する共和党のトランプ大統領(左)とペンシルベニア州で演説する民主党のバイデン前副大統領(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

バイデン候補とトランプ候補の経済対策の違い

アメリカは9月に会計年度が終わります。2020年度の財政赤字は330兆円です。日本のGDPの6割くらいの大赤字を出しています。バイデンさんが大統領になれば、当然、財政引き締めに出ます。景気という面では、1~2年の目先のことだけを考えれば、トランプさんの方がいいでしょう。しかし、長期で考えると、トランプさんは、「石油を積極的に使うぞ」という立場です。ロサンゼルスで森林火災が起きており、環境問題を考えるべきだという見方に対して、「それは管理の問題であって、地球温暖化は存在しない」という考え方です。一方、バイデンさんは石油産業を転換して、パリ協定に復帰して二酸化炭素を出さない社会にすると言っています。このまま二酸化炭素を出し続けると地球は壊れます。

ホワイトハウスで指名受諾演説に臨むトランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2020年8月27日 写真提供:時事通信

経済状態を無視して株価を上げて来た「トランプ氏のリスク」

もう1つのトランプさんのリスクは、経済実態を無視して株価を上げて来たということです。「バブルは必ず弾ける」というのが経済のこれまでの経験です。弾けたときの痛手は大きいです。弾けるとわかった上で、このままを望むのか、そうではなく現実を見るのか、大きな政策選択となるでしょう。バイデンさんは、みんなの平等、多様性を確保する。そして、パリ協定に復帰すると断言しています。日本も菅総理が2050年にゼロカーボンを目指すと言っていますが、アメリカもバイデンさんが大統領になれば、「二酸化炭素を出さない」と言い出す可能性が高いです。中国も「ガソリン自動車を売らない将来にする」と言っており、電気自動車になるので、産業も大きく変換します。

2020年10月22日、米テネシー州ナッシュビルで開かれた2回目の候補者討論会で発言するトランプ大統領(左)とバイデン前副大統領(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

バイデン大統領になればTPP復帰も

バイデンさんが大統領になった場合、TPPにも復帰するかも知れません。トランプさんはアメリカだけがいいという「アメリカ・ファースト」ですが、バイデンさんは世界協調を考えています。中国寄りだと言う人もいますが、それは中国を敵に回さないということだと思います。日本も中国と仲よくしていますし、アメリカとも仲よくしているのです。

24日、米共和党大会で親指を立てるトランプ大統領(左)とペンス副大統領=2020年8月24日 ノースカロライナ州シャーロット(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

それでもトランプ氏が勝つ「3つのパターン」

1つ目は、開票速報の段階で、大差で勝っている場合、「俺が大統領だ!」と早めの勝利宣言をするというパターンです。

2つ目は、僅差で負けた場合。それでも「郵便投票は無効だ」と言えば、トランプさんが勝てるのです。もちろん、裁判になります。裁判になり、最高裁まで行って、保守派の最高裁判事のバレット氏が最高裁で「トランプさんの言う通りだ」と判決を出すのです。

3つ目は、トランプ支持者があちこちで散発的に訴訟を起こして、投票を数え直させて、期間を延ばす。そうすると、選挙人を確定する州が少なくなります。期限までに過半数を獲る候補がいないと、下院で投票して決めることになります。その下院で投票すると、いまの議席では、州代表が共和党の方が多いので、トランプさんが大統領になるのです。

つまり、どのパターンに転がっても、「大統領はトランプ」というのが私の予想です。

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