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児童相談所常勤弁護士・船崎まみ~「児童虐待」という重い問題をどう対処するか

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月10日 8時10分

児童相談所常勤弁護士・船崎まみ~「児童虐待」という重い問題をどう対処するか

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に東京都江戸川区の児童相談所常勤弁護士・船崎まみが出演。児童相談所における常勤弁護士の役割について語った。

船崎まみ

黒木)今週のゲストは東京都江戸川区の児童相談所で常勤弁護士をされている船崎まみさんです。さまざまなケースに対処しなければなりません。初めての案件もあると思いますが。

船崎)児童相談所の案件は、通常の弁護士が関わるものとは違います。私も日々、初めての経験を積んでいる状態です。

黒木)どんな役割をされているのでしょうか?

船崎)重い判断を迫られることが多いので、現場に立つ児童福祉司やケースワーカーの方たちも毎日大変です。私は法律相談を受け、後方支援をしています。「児童相談所としては、これがお子さんにとっても親御さんにとってもいちばんいいだろう」というような判断については、私の方でさせていただいています。

黒木)児童相談所に来る相談というのは、ご本人の場合もあるし、地域や学校など、いろいろありますよね?

船崎)お父さんお母さんからは、子育てについての悩みのご相談をいろいろお受けします。そのなかでも、「これはお子さんに対しての虐待ではないか」というような行為があるときは、場合によっては、親子を分離して施設に入れたり、保護したりというようなこともします。

黒木)それは親御さんから相談が来るのですか?

船崎)虐待については、「虐待を見たら児童相談所に連絡をください」ということを積極的に周知していますので、学校や保育園など、普段お子さんを見ている場所からご相談を受けることもありますし、親御さんから相談を受けることもあれば、お子さん本人からご連絡を受けることもあります。

黒木)「私たちにもできることは何だろう」ということを考えたりするのですが。

船崎)地域の人たちが、「自分の子どもだけではなく、周りの子どもを見る」ということが大事だと思います。私たちも、学校、保育園や近所の方から、「この子ちょっと心配だよ」という声を寄せていただけることによって、お子さんやご家庭の問題に気付いて、相談や支援など解決策を一緒に考えることができます。社会全体でみんなが子どものことを見守る体制をつくることが必要だと思います。

黒木)他にはどのようなケースがあるのですか?

船崎)お子さんが言うことを聞いてくれず、「ついかっとなって手を上げてしまう、どうしたらいいのだろう」というようなご相談もあります。

黒木)弁護士の方がいらっしゃると、児童相談所の職員の方たちも心強いでしょうね。

船崎)それは言われますね。弁護士から「大丈夫だよ」と後押しをしてもらえるだけでも、気持ちがだいぶ楽になるというようなことは、職員の方からよく言われます。

黒木)「介入できるか、できないか」というとっさの判断は、弁護士でないとわかりませんよね。

船崎)私たちも案件が入ると、「どう対応するか」ということを、緊急で協議します。いろいろ相談を聞いていて、「これは本当に危ないから、すぐ立ち入り調査に行ってください」というような判断をしたこともあります。

船崎まみ

船崎まみ(ふなさき・まみ)/江戸川区児童相談所常駐弁護士

■1980年生まれ。東京都足立区出身。
■中央大学法学部卒業。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。
■2007年弁護士登録。東京弁護士会の都市型公設事務所、愛知県岡崎市の法テラス三河法律事務所と公設系事務所に約4年半勤務。
■2012年1月より北千住法律事務所勤務。
■2014年4月から東京・多摩市役所に任期付き職員として勤務。
■現在は東京・江戸川区総務部副参事。
2020年4月に開所した江戸川区児童相談所の常駐弁護士として勤務。
児童相談所常勤弁護士は東京都では初めて。

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