『PLAY 25年分のラストシーン』ホームビデオの映像で人生を“再生”する!
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月10日 17時5分
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第932回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、11月6日に公開された『PLAY 25年分のラストシーン』をご紹介します。
フランス発! 斬新な試みが光る青春ドラマ
1990年代から2010年代まで、25年にわたって撮り続けたホームビデオの映像をつなぐというユニークな手法で、当時の空気感をリアルに再現した『PLAY 25年分のラストシーン』。
2019年のサン・セバスティアン国際映画祭に正式出品され、その斬新な試みが話題となった青春ドラマが日本でも公開となりました。
『PLAY 25年分のラストシーン』のあらすじ
1993年、パリ。両親からビデオカメラをプレゼントされた13歳のマックスは、家族や友人たちとの日常を撮り始める。それはやがて彼にとって、ライフワークとも言える趣味となり、大量のテープが保存されていった。
25年の歳月が流れ、38歳となったマックスはある日、その撮りためた25年分の映像を、1本の映像作品に仕上げようと思い立つ。テープの山を見返してみると、そこにはいつも一緒だった4人の仲間たちとのかけがえのない日々が記録されていた。
素直になれず、大切なものを手放してしまったマックスは、自分の“映画”のために、新たなラストシーンを準備する……。
『PLAY 25年分のラストシーン』のみどころ
ジャミロクワイ、オアシス、レニー・クラヴィッツなど、時代を彷彿させる名曲とともに人生を“PLAY(再生)”して行く主人公のマックスを演じるのは、俳優・コメディアンとして活躍するマックス・ブーブリル。
盟友アントニー・マルシアーノ監督のアイデアに惚れ込み、共同で脚本も手がけました。
家族との団欒や仲間との夜遊び、初めてのバルセロナ旅行に、初恋の人との出会い。「もう戻らない時間を、もう一度追体験したい」という思いから本作を手がけたマルシアーノ監督は、全編ホームビデオで撮影したようなリアリティを再現するために、カメラテストを入念に行って撮影に挑んだとのこと。
なかでも、マルシアーノ監督自身が「いちばん大変な撮影だった」と語るのが、1998年サッカーW杯フランス大会で、地元フランス優勝に湧く主人公たちの熱狂ぶりを収めたシーン。当時をそのまま映し出したような臨場感あふれる映像は、大きな見どころのひとつとなっています。
決してセンチメンタルなものではなく、いま、新たな一歩を踏み出す前向きなストーリーとなっていることに好感が持てる本作。
世界中が新しい生活様式に対応して行かなければいけないいまだからこそ、家族や友人、愛する人たちと過ごす時間を愛おしく描いた物語に、多くの人が心を揺さぶられることでしょう。
彼らの“ありふれた日常のなかの幸せ”に触れることで、きっとあなたも「あのころ、どんなふうに過ごしていたかな……」と、自身の思い出をプレイバックしたくなるはず。マックスが用意したラストシーンは、是非、スクリーンで確かめて。
<作品紹介>
『PLAY 25年分のラストシーン』
2020年11月6日(金)から新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA、kino cinema 立川高島屋S.C.館ほかロードショー
監督:アントニー・マルシアーノ
脚本:アントニー・マルシアーノ、マックス・ブーブリル
出演:マックス・ブーブリル、アリス・イザーズ、マリック・ジディ、 アルチュール・ペリエ、ノエミ・ルヴォウスキー
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:シンカ/アニモプロデュース
原題:PLAY
(C)2018 CHAPTER 2 – MOONSHAKER II – MARS FILMS – FRANCE 2 CINEMA – CHEZ WAM – LES PRODUCTIONS DU CHAMP POIRIER/ PHOTOS THIBALUT GRABHERR
公式サイト http://synca.jp/play/
劇中音楽 日本公式Spotify プレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/1lrzGKwjMoyCvM9Qzb9i7u?si=T5ikhsGGQW6PTllnmEumYQ
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/
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