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コロナワクチン 効果90%以上とファイザー発表〜「100%でなくていい」その理由を辛坊治郎が解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月11日 12時25分

コロナワクチン 効果90%以上とファイザー発表〜「100%でなくていい」その理由を辛坊治郎が解説

キャスターの辛坊治郎氏が11月10日(火)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。新型コロナウイルスのワクチンの有効性について解説した。

(左)Official logo of Pfizer / (右)ファイザー世界本社   w

ファイザー、ワクチン治験の初期結果、予防効果90%以上と発表

アメリカ製薬会社大手のファイザーは開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、感染発症を防ぐ有効性が90%以上になったとする、暫定的な臨床試験の結果を公表した。安全性の確認が終われば、今月中にもアメリカ食品・医薬品局に緊急使用許可を申請するということだ。

辛坊)本当なら、かなりいいニュースですね。なぜいいニュースかと言うと、小池知事がこのニュースに関して、「90%ということは10%はどうなるのか」と発言していましたが、それでいいのです。別に100%でなくていいのです。というのは100%のワクチンもあります。これは病気の種類による、つまりウイルスの種類によるのですが、そのワクチンを打っておけば絶対にならないというワクチンも現実にあるのですよ。確か天然痘などがそうなのではないですかね。天然痘ワクチンなんて1度打ったらまずかからないと思いますよ。そういうワクチンもあれば、インフルエンザのワクチンのように、効いているのか効いていないのかいまいちわからないというものもあります。今年打ちましたか?

増山)昨日、打ちました。

辛坊)私、打ちに行こうと思ったら、近所のクリニックは軒並みアウト、もう数がないというのです。あるところのクリニックでは看板が掲げられていて、「いつもの患者さんしか無理です」みたいなニュアンスなのです。となると、いつもこの病院に行っていないと打ってくれないみたいな。そして、クリニックによって値段が違いますよね。そこで、うちの嫁さんがかたっぱしから電話したら、近隣でいちばん高いところだけは「直接来ていただいて、予約の空き状況を見て、もしかしたら打てるかもしれません」くらいの回答があったそうです。皆さん警戒してインフルエンザのワクチンを打っていらっしゃると。

Corona vaccine is being tested. Themed picture, symbolic photo: Corona vaccine. SVEN SIMON/DPA/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

なぜ10%効かなくてもいいのか

それはそれでいいのですが、インフルエンザのワクチンって、ぶっちゃけ、打ったからと言って100%かからないかと言ったらそうでもなくて、一応重篤化は防げるとも言われていますが、それもよくわからないですよね。本当にワクチンを打ったからなのか。そういう意味で言うと、今回の90%超と。一体どうやって調べたのかと言うと、4万4千人を対象に臨床試験をしたそうです。そして、4万4千人を対象に打ちますよね。そして、効いているか効いていないかをどうやって見るかと言うと、その集団から患者が発生しないとダメなわけではないですか。そして、実は被験者のうち94人の感染を確認した段階で、と書いてあると。きょうはこれを伝える新聞なのですが。つまり4万4千人にワクチンを投与しました。そしてそのうちから何人か病気になる人が出てきます。そして、4万4千人が対象で詳しい内訳は出ていないのですが、仮に2万2千人に、開発したワクチンを打って、残り2万2千人に生理食塩水を打ちました。要するにそう言う比較をするわけですよ。そして、流行しているところならその4万4千人からどんどん患者さんが出てきますよね。そして、今回の臨床試験では94人が感染した段階で効果があるかどうかを調べる審査に入ったらしいです。つまり4万4千人に、おそらく半分かわからないですが、半分偽物の薬、半分は本物の薬を打ちました。94人の患者が出ました。その94人に投与されていたのは本物なのか偽物なのかを調べると。これでどの程度効いているのかわかりますよね。その結果9割以上の有効性がありましたので、このワクチンは有効だということでアメリカに食品・医薬品局、FBAという大変な権威ですが、ここに、とにかく急いで使わせてくれという許可申請をすると。

なぜ10%効かなくてもいいのかというと、病気の種類にもよるのです。かかってしまったら絶対に死んでしまうような病気なら、90%ではとてもという話なのですが、基本的にいま流行っている新型コロナの対策というのは、1人がうつす人数を1以下にすることによって、だんだん収束させていきましょうという戦略なのです。1人も患者を出さないなどという戦略は端からしいていないのです。不可能ですから。しかし、そういう病気もありますよ。例えばエボラ出血熱が日本に入ってきたということになったら、絶対に1人でも感染しないようにという徹底した防護策を講じるでしょう。しかし、このウイルスに関していうと、だいぶ正体が明らかになってきて、そんな防ぎ方はできないと。ある程度感染が広がるのは仕方ないけれども、徐々に抑えていくためには1人の感染者が移す人数が1以下ならば、だんだん収束していくという戦略なのです。

新型コロナウイルスのクラスター感染防止策について、記者会見する北海道大・西浦博教授(中央)=2020年4月15日午前、厚労省 写真提供:共同通信社

ワクチンの有効性が90%とは、1人がうつす人数が急激に減っていくということ

“8割おじさん”という人がいましたね。とにかく「人との接触を8割やめてください」という。あれはどういう意味かと言うと、1人が移す人数が、例えばこの病気最初に言われていたのは2.5人と言われていました。となると、1人が8割接触を減らせば、1人が移す人数が2.5人ではなくて、2.5人×1-0.8で、つまり8割に接触を減らしてくださいとなると2割の接触が残るのですよ。すると1人が2.5人に移す病気なら、その感染者が8割減らしていれば0.2しか接触しないわけです。だから1人が2.5人に移す、かける0.2になるのです。そうすると、2.5×0.2は0.5ですから。1人が0.5人にうつします。その感染した人が0.5人にうつします。1よりこの値が少なければグッと感染者が減っていくと言うのが理論なのです。だから、8割おじさんが言ったのはそのことで、これがエボラ出血熱なら0にしてくれと言うのですが、そういう病気ではないので、8割削減してくださいねと。

だから、ワクチンってそういう意味で「9割しか効かないではないか」、ではなく9割効くということは接触を9割減らすことと同じ意味なのです。つまり、ワクチンの有効性が例えば80%ということになると、接触を8割減らさなくても8割おじさんが「8割接触を減らして下さい」と言うのと同じ医学的効果が得られるという意味なので、ワクチンの有効性が90%というのは、周りの人間が全員打っていれば、1人がうつす人数が急激に減っていくということです。打っていなければ1人が10人にうつすところ、周り全員が打っていれば1人しか感染しないという数字ですよ。

増山)十分な数字ですね。

辛坊)はい。だから、90%超の有効性というのは、実はこの病気の拡散を止めることに関して、もし有効性が本当に9割あるとするならば、これは大変画期的なワクチンです。別に100%効く必要がないというのはそういう意味です。

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