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日米は中国と今後どう付き合うべき~APEC首脳会議がオンラインで開催

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月22日 11時48分

日米は中国と今後どう付き合うべき~APEC首脳会議がオンラインで開催

中国は14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月20日放送)に内閣官房参与で外交評論家、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。オンライン形式で始まったアジア太平洋経済協力会議(APEC)について解説した。

中国は2020年10月14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕写真提供:時事通信社

中国の習近平国家主席がAPECのオンライン演説でアメリカを牽制~トランプ大統領は20日の首脳会議に出席へ

日本やアメリカ、中国など21の国と地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、各国の首脳らが参加する一連の会合を11月19日からオンライン形式で始めた。中国の習近平国家主席は演説で、アメリカが中国との経済的なつながりを切り離そうとする、いわゆるデカップリングと言われる動きについて、「我々は経済の切り離しを行うことはない」と述べて、名指しは避けながらもアメリカを牽制している。

飯田)RCEPの締結をものすごく誇ったということです。

宮家)「対外開放は中国の基本的な国策だ」と言っているのですが、私に言わせれば、「片腹痛い」という感じです。中国との貿易ははまだ閉鎖的ですよ。WTOに入って、その閉鎖的な制度を一方で途上国としてきちんと維持しながら、もう一方で「自由化をやっている」とはおかしいですよね。いまアメリカが関税をかけて、強引にやっているから、中国がカッコよく見えるかも知れませんが、実態は決してそうではありません。アメリカにも頑張ってもらわないと困りますね。それからもう1つは、トランプさんが20日の首脳会議に出席するということです。負けを認めず、ホワイトハウスに籠っているのでしょう。それならば、すべての会合に出て欲しいですよね。APECだけ出て来るというのではなく。

飯田)ASEANの会議には、オブライエン大統領補佐官が出席しました。

宮家)しかも、飛行機で飛んで行くのではなく、オンラインでしょう。出ればいいではないですか。本当によくわかりませんね。

2020年11月15日、協定署名式~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202011/15rcep.html)

日米は中国とメリハリのつけた付き合い方をする必要がある

飯田)APECがはじまりましたが、この先のことを考えると、中国は対外開放と言っていますが、どうなのですか?

宮家)いまは逆の方向ですよね。中国はこれから、経済学で言えばミドルインカムトラップ、「中所得国の罠」に差し掛かるわけなので、それを防ぐためには、内需拡大、技術革新、国有企業の改革などの構造改革をやらなくてはいけないのです。しかし、現状はまったく逆の方向に行っています。国有企業が強くなって、民間企業が衰退しているのです。それはそうですよ。強権でやっているわけですから。それで「自由化をやっている」と言うのはプロパガンダとしてはいいけれど、本当に実行して欲しいですよね。RCEPも内容的にはTPPのような高度なものではありません。中国が許容できる程度ということで限られています。しかし、みんなで集まってルールをつくる方が大事ですから、みんなそれに付き合うわけです。でも、インドはそれにも乗れないわけでしょう。ですから、貿易の自由化ということで言えば、まだまだやることはたくさんある。さらに言うと、デカップリングと言うけれども、すべてがすべて中国との関係を切る必要はないのですよ。アメリカにとって、もしくは日本にとって、安全保障上の重要な技術や産業があるでしょう。これは中国で生産するわけにはいかないですよね。しかし、それ以外の安全保障に関係ないものは、中国に投資してやればいいのです。そのような、「メリハリをつけた付き合い方」をこれからしなくてはいけないと思います。

飯田)それは仮にバイデン政権になっても変わらないと。

宮家)基本は変わらないと思います。しかし、アプローチの仕方は、もう少しソフトになると思います。いまのトランプ政権は喧嘩腰ですからね、これがいいとは思いません。しかし、バイデン政権も中身は大きく変わらないと思います。

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