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鳩レース競技者・及川茂~毎日見ているとわかる「鳩のコンディション」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月25日 8時10分

鳩レース競技者・及川茂~毎日見ているとわかる「鳩のコンディション」

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に鳩レース競技者・及川茂が出演。レース鳩のコンディションの見分け方について語った。

及川茂

黒木)今週のゲストは鳩レースの競技者、及川茂さんです。1回のレースに出す鳩はどのように選ぶのですか?

及川)レース専用の厩舎があり、そこに入っている鳩はほぼすべて行きます。最初のスタートでは100羽前後を出します。1000キロになると30~40羽くらいになってしまいますが、厩舎に入ってトレーニングしている鳩はほとんど、次のレースに向けて行きます。帰って来たら、また次を出すという感じで。

黒木)それで17歳のときに1羽だけ持って行って、それが優勝したのですね。奇跡のような素晴らしい話ですね。

及川)2年連続で優勝しました。若くして飛ぶから若大将、あと加山雄三さんの若大将がブームのころだったので、それにもあやかって付けた名前です。

黒木)この子が優勝するのではないか、ということは何となくわかるのですか?

及川)マークという鳩が、10年間で7回日本一になっています。毎日見ていると、動作やつやの色が変わって来るのです。顔も変わって来ます。

黒木)お顔も?

及川)そう、顔も違うのですが、わからないでしょ。オス、メスも顔で判断するのですよ。

黒木)どのように見分けるのですか?

及川)メスは優しい顔をしていて、オスはきつい顔をしています。鳩を飼って5~6年もやっているとわかります。あたりまえだけれど、兄弟は似ています。兄弟や親子はみんな似ています。普通はわからないと思うけれど。

黒木)鳩は鳩にしか見えませんけれどね……。

及川)そりゃそうです(笑)。でも私たちにとってはみんな違います。

黒木)競馬のサラブレッドをつくるように、血統が大事なのですね。

及川)それが夢です。若大将という系統をつくる。でも系統をつくるには近親でないとつくれないのです。自分で「シャンテリー」というものをつくりました。コンピューターで3つ系統をつくったのです。私の前は岩田さんという、三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんのおじいさんが日本でいちばん有名でした。系統をつくるということが鳩飼いの夢なのです。日本でいま継続している系統はありません。私は自分でつくった系統を3つ持っています。優生学や遺伝の法則などを知らないと、系統はつくれません。

黒木)優秀な鳩を育てるのは奥が深いですね。毎日忙しいとおっしゃっていましたが、どんな思いで鳩と向き合っていますか?

及川)10歳のときからやっていますので、生活の一部になってしまいました。

及川茂

及川茂(おいかわ・しげる)/鳩レース競技者・及川茂鳩舎

■1949年8月4日生まれ。生まれも育ちも墨田区業平。
■10歳から鳩を飼い始め、17歳のときに若大将号で1000キロのレースで初優勝。一躍、鳩界のプリンスとして名前を知られるようになる。
■その後、愛鳩・若大将号を舎外で亡くしたことを機に、「若大将系」をつくることを決意。両親、直子等を集め、近親系統にすることで大成功を収める。
■21世紀に入ってからは、21世紀を代表する系統「及川シャンテリー系」を確立。また「コンピューター系」という系統もつくり、数々のレースを制して来た。

【鳩レースとは……】
■同じ場所からスタートし、飼い主の厩舎に戻るまでのタイムを計るレース。
※北海道からスタートしたなら、千葉の人は千葉、東京の人は東京がゴールとなる。
※そのため、距離のハンデや地理のハンデがある。北海道からスタートしたら、東北地方では北西の風を受けるため海側が有利。関東地方では千葉県に厩舎を持つ人がいちばん有利。東京の多摩の方は逆風で不利。
※鳩レースをやるために引っ越す人もいるほど。
■距離を時間で割って、1分あたりの「分速」で勝敗を決める。
■鳩の足にはICチップが付いていて、GPSで飛行距離や時間がわかるようになっている。

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