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うなぎパイ、大ヒットのきっかけは「夜のお菓子」のイメージを逆手にとったある戦略

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年11月25日 11時30分

うなぎパイ、大ヒットのきっかけは「夜のお菓子」のイメージを逆手にとったある戦略

作家で『ゆるパイ図鑑』の著者・藤井青銅が、11月22日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)に出演。「夜のお菓子」というキャッチコピーでお馴染みの、静岡県浜松市の銘菓『うなぎパイ』の意外なエピソードを紹介した。

ご当地パイ研究家で、一般社団法人日本パイ倶楽部理事でもある藤井。『ゆるパイ図鑑』では、北海道から沖縄まで全国にある94種ものパイを、写真入りで解説している。パイといえば全国にファンが多い『うなぎパイ』。年間8000万本も生産される大人気のお土産だが、昭和36年の発売当初は売れ行きが芳しくなかったという。

戸田:うなぎパイって“大人のお菓子”って言われているじゃないですか?

藤井:「夜のお菓子」ですね?(笑)

戸田:あ……そう、夜のお菓子!

藤井:素晴らしいコピーですよね。「夜のお菓子」というキャッチフレーズは、昭和36年に発売したときから付いていたそうですよ。ただ、その解釈が違っていて……(笑)

戸田:精力がつくぞ! みたいなイメージ?(笑)

藤井:正しくは、夕ご飯を食べた後に家族団欒で、みんなで甘いお菓子を食べましょう、という意味での「夜のお菓子」なんです。

戸田:3時のお菓子、とかじゃなくてね。

藤井:そう、夕食後のちょっとしたお菓子という感じだったんですけど、これが売れなかったんですよ。ぜんぜん。

戸田:そうなんですか!

藤井:ちょっと高かったらしいんですけどね。でも、「夜のお菓子」という名前が一人歩きするんです。うなぎパイにはガーリックとかもちょっと使われているから。元は、浜名湖のイメージで、ブルーのパッケージだったんです。でも、世間が“ちょっといやらしい夜のお菓子”っていうイメージになっているから、「じゃあそれに寄せちゃえ!」っていうことで、赤、黄、黒のドリンク剤カラーに変えちゃったんです。

戸田:へぇ~!

藤井:そうしたら大ヒット!

戸田:すごく面白い! 私、子供の時は全然そんなことは思っていなかったけど、『これは昼間に食べちゃいけないのかな?』と思っていました。青銅さんが書かれた本『ゆるパイ図鑑』を拝見すると、日本全国、全ての都道府県にご当地パイがあると。

藤井:ありますね。うなぎパイがヒットしたから、みなさん魚介系で作るんですよ。ハモとか、アナゴ、ドジョウとか。

戸田:ハモパイもある?

藤井:そうそう。で、佐賀県にムツゴロウという魚があって、それもパイにしているんですけど、(味に)クセがあるらしいんです。だから、唐辛子とカレー粉で素材の味を消す、ということをやっているんです。

戸田:あはははは(笑)素材の味を、むしろ、消すという。

藤井:いろんなことを工夫しているんですよねぇ。魚介が無い所ではフルーツとか。例えば「りんごパイ」とかね。

戸田:それはおいしそう!

藤井:でも、「アップルパイ」とどう違うんだ? と思ったりもするんですけどね(笑)

戸田:ふふふ(笑)

うなぎパイの「夜のお菓子」というコピーを勘違いしている人が多く、発売当初は売れ行きも伸びず。「それならば……」ということで、ドリンク剤を意識したパッケージに変更したところ、爆発的にヒットしたそうだ。

また、ご当地パイの中には“ご当地の味がしないもの”もあるそうだが、藤井氏いわくそれもアリとのこと。こういった“ゆるパイ”がコミュニケーションツールとなって、「○○の味がするね!」「あれ? ○○の味がしない!」とみんなで盛り上がったり、話のきっかけになればいいのだと語った。

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