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笙奏者・宮田まゆみ~音楽監督を務める「伶楽舎」が「ENEOS音楽賞」を受賞

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月3日 8時10分

笙奏者・宮田まゆみ~音楽監督を務める「伶楽舎」が「ENEOS音楽賞」を受賞

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に音楽監督・笙(しょう)奏者の宮田まゆみが出演。自らが音楽監督を務める雅楽演奏のグループ「伶楽舎」について語った。

宮田まゆみ

黒木)今週のゲストは、雅楽で使われる東洋の伝統楽器「笙」の演奏家、宮田まゆみさんです。宮田さんは演奏家であると同時に「伶楽舎」という雅楽演奏のグループで音楽監督も務めていらっしゃいまして、今回、伶楽舎が第50回「ENEOS音楽賞・邦楽部門」を受賞されたそうです。おめでとうございます。

宮田)ありがとうございます。

黒木)ENEOS音楽賞というのは、1971年に創設されて、日本の音楽文化の発展や向上に大きく貢献された個人や団体に送られる賞だということですけれども、いかがでしたか?

宮田)私ども伶楽舎は、去年(2019年)他界された芝祐靖先生のご指導のもとに集まったグループです。芝先生がENEOS音楽賞と言われる前の、「モービル音楽賞」を受賞されています。その賞を、芝先生が創設された伶楽舎が受賞できたということで、本当にありがたく、伶楽舎一同で感動しました。

黒木)伶楽舎はどのような活動をなさっているのですか?

宮田)もともとは、芝先生を中心に、雅楽の古典の曲を勉強したいということで、練習と研究を目的に創設されたグループです。その創設メンバーの1人として私も入れていただきました。1985年が最初なのですが、その前から準備段階のようにして、芝先生を中心にいろいろな活動をしていました。芝先生が去年他界されたため、私は古いメンバーなので、「あなたがなりなさい」と言われて、音楽監督をさせていただいています。何もできないのですが、何かメンバーや若い人たちの役に立てればという気持ちでしています。雅楽の古典の音楽の演奏と同時に、新しい作品や、雅楽以前にあった音楽を復元して、「復曲」という形で演奏するということも多くあります。それから、雅楽で使われなくなってしまった楽器で、正倉院に残っている楽器があるのですが、そういうものも復元して演奏することもあります。

黒木)雅楽を未来へつなぐべく、子どもたちへの雅楽プロジェクトというのもやっていらっしゃるのですね。

宮田)大きなものは、学校公演と言いまして、文化庁に申し込まれた本物の芸術を体験する子どもたちのプロジェクトという形で、毎年、期間を定めて、日本国内のいろいろな場所の小学校や中学校を回り、皆さんに古典の雅楽を聴いていただいています。舞も見ていただいたり、一緒に体験してもらったり、雅楽の楽器を触ってもらったりということをしています。

黒木)いかがですか、子どもたちの反応は?

宮田)子どもたちは、目をキラキラと輝かせて体験しています。子どものための雅楽というものがありまして、日本版ジャックと豆の木という感じのわかりやすいものを、ナレーションを含めて演奏します。古典の雅楽を少し変えた感じの音楽なのですが、とても楽しんでくれています。

宮田まゆみ

宮田まゆみ(みやた・まゆみ)/音楽監督、笙奏者

■1954年生まれ。東京都出身。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、雅楽を学ぶ。
■1979年より国立劇場の雅楽公演に出演。
■1983年より「笙」のリサイタルを行って注目をあび、第3回リサイタルにより芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。
■1998年の長野オリンピック開会式では「君が代」を演奏。
■海外ではニューヨーク・パリ・アムステルダム・ミラノ・ウィーンにてリサイタルを行う他、ドナウエッシンゲン現代音楽祭、ウィーン現代音楽祭に招かれ、数多くの国際的作曲家の新作初演を行うなど、西洋の音楽家と積極的に交流。
■現在、国立音楽大学招聘教授。古典的な演奏の他に、オーケストラとの共演や現代音楽にも取り組み、「笙」の音色を通じて、多彩な音楽表現を追求している。
■雅楽の合奏研究を目的に1985年に発足した雅楽演奏グループ「伶楽舎(れいがくしゃ)」の音楽監督を務め、第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門を受賞。

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