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1週間の曜日の名称がすべて太陽系の星からとられている理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月8日 8時10分

1週間の曜日の名称がすべて太陽系の星からとられている理由

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に神奈川県・平塚市博物館の学芸員である塚田健が登場。古代からの「人と星」の密接な関係について解説した。

塚田健

黒木)今週のゲストは、宇宙や星のプロフェッショナルでいらっしゃいます、神奈川県「平塚市博物館」学芸員の塚田健さんです。冬の季節は天体観測に最適だと言われていますけれども、冬が天体観測に向いている理由は何ですか?

塚田)空の澄み具合がいいのですね。透明度と言うのですけれども、空がとても澄んでいて星がよく見える、ということと、日本も広いので一概には言えないのですけれど、東京のような太平洋側はよく晴れる。

黒木)はい。

塚田)ということがあります。あとは夜が長いというのもあるかも知れません。星が見える時間が長い。

黒木)都会だと、どうしても街のあかりが明るいので見えづらいというのもあると思うのですけれど。1週間の曜日、「月火水木金土」も、星の名前から来たのですよね?

塚田)そうですね。太陽の「日」と、「月」は違いますけれど。あとはすべて惑星の名前です。

黒木)古代の人たちは5000年くらい前から、星の存在が身近だったということですよね。

塚田)そうですね。太陽が昇ってから沈む1日。1週間の月の満ち欠け……新月から半月、半月から満月……これがそれぞれ7日間ですが、これが「時間」というものの起源ではないかという説があります。当時は他に時間を知る手立てがなかったのです。農業をやるにしても何にしても、星をよく見て、それで時を測っていた。いまの人よりもしっかりと空を見ていたかも知れないですね。

黒木)1年もはじめは10ヵ月程度しかなかったとか、諸説ありますよね。

塚田)そうですね。

黒木)昔から我々は星と密接した生活をしているのですね。

塚田)星を見る文化はいろいろ残っています。日本でも、お月見などありますけれど、いろいろ星に親しんで来たのではないかと思います。

黒木)他に生活に密着している星のお話はありますか?

塚田)北斗七星がありますよね。柄杓の形をしていて、星が7つありますが、それぞれの星と自分の生まれの干支が結び付いて、それぞれの守護星が決まっていて、それで自分の運勢を占っていたのです。

黒木)それは占星術の1つなのですか?

塚田)日本や中国での信仰なのですけれども、北極星が神様だったのです。いつでも北にあって動かないというのが1つ大きな理由だと思います。そこから始まって北斗七星がその北極星の周りを回るように動くので、「北極星の守り神」という発想が出たのではないでしょうか。

黒木)面白いですね。毎日の生活を送っていると、「私たちが宇宙にいて、宇宙のなかの銀河系にいて」などということを忘れてしまっているではないですか。でも、そういうことを思い出すことによって、環境問題を考えたり、いろいろなことを意識できますよね。

塚田)そうですね。「宇宙のなかの地球」などということは、なかなか普段は思い浮かばないですけれど、たまに星を見て、そういうことにも考えを及ばせていただければと思います。

塚田健

塚田健(つかだ・けん)/平塚市博物館 学芸員(天文学)

■東京学芸大学大学院・教育学研究科・理科教育専攻修士課程修了。
■姫路市宿泊型児童館「星の子館」の天体観測担当嘱託職員を経て、平塚市博物館学芸員(天文学)。
■博物館でプラネタリウムの投影や講座の開催、特別展の制作などをしつつ、館外でもさまざまな天文普及活動を行っている。
■近著は『身近にあふれる「天文・宇宙」が3時間でわかる本』(明日香出版社)。

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