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年々、「月が地球から離れている」という事実

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月9日 8時10分

年々、「月が地球から離れている」という事実

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に神奈川県・平塚市博物館の学芸員である塚田健が出演。天文学を志すことになった経緯について語った。

塚田健

黒木)今週のゲストは、宇宙や星のプロフェッショナル、神奈川県「平塚市博物館」学芸員の塚田健さんです。「月ってどんどん地球から離れているの?」というのはそうなのですか?

塚田)そうなのです。

黒木)なぜですか?

塚田)月は地球の周りを回っていますよね。回ると遠心力という力が働きますが、それは外に行こうとする力なのです。もちろん地球も引っ張ってはいるのですけれど、そのバランスで、だんだん遠ざかっているのです。いつかは止まるのですけれど。

黒木)止まるというと?

塚田)遠ざからなくなる。いまはまだ遠ざかっている最中ですね。

黒木)それは、もっと近くにあったものが、少しずつ離れているということですか?

塚田)そうです。簡単に言ってしまえば、バランスが取れるところまで遠ざかって止まる。

黒木)いまはバランスが取れていないと。

塚田)ない状態です。

黒木)そうなのですか。

塚田)1年間に3cmくらいですけれど。

黒木)3cmも離れているのですか。ということは、秋に見る中秋の名月も小さくなっていると。

塚田)本当に少しですけれどね。

黒木)どこかでは止まるだろうと。その計算はされているのですか?

塚田)だいたい数十億年はかかるだろうと言われています。

黒木)気が遠くなりますね。

塚田)もしかしたら地球がないとは言いませんけれど、太陽も寿命を迎えてしまうので。

黒木)塚田さんの考えでは、太陽はいつまであるのですか?

塚田)だいたい50億年。

黒木)50億年。いろいろな専門の勉強があるのですね。

塚田)そうですね。

黒木)どうしてその宇宙や星の学芸員になろうと思われたのですか?

塚田)自分が好きなことを周りの人に伝えたかったのです。中学・高校では理科があって、そのなかに地学という科目があって、そして、そのなかに天文が入っているのです。

黒木)天文学は地学のなかに入っているのですか?

塚田)なぜか日本はそうなのですよ。石のことも天気のことも宇宙のことも、地学なのです。

黒木)そうなのですか。それでみんなにそういう自分の好きなことを伝えたいということで、博物館で皆さんに教えていらっしゃるということですね。よく聞かれる質問は何ですか?

塚田)「宇宙人など、地球以外に生き物がいる星はあるのか」ということはよく聞かれます。小さなお子さんだと、「いちばん大きい星は何か」とか、「宇宙に星はいくつあるのか」という質問が多いです。

黒木)ではいまの質問に答えてください。まず宇宙人はいますか?

塚田)どこかにはいると思います。宇宙には星がたくさんあるので、地球にしか生き物がいないということはないと思います。

黒木)いちばん大きい星は何ですか?

塚田)「いちばん大きい星」というのは難しいですけれど、太陽みたいな星、自分で光っている星だと、太陽の大きさで言うと、1500倍くらい大きい星が見つかっています。

黒木)太陽よりも1500倍も大きい? それも遠くにあるのでしょう?

塚田)何万光年という彼方にあります。

黒木)星の数は?

塚田)私たちの太陽系がある銀河系という星の集まりがありますけれど、そのなかにだいたい1000億ほどあります。そういう星の集まりの銀河がさらに何千億あると言われています。

黒木)すごいですね。

塚田健

塚田健(つかだ・けん)/平塚市博物館 学芸員(天文学)

■東京学芸大学大学院・教育学研究科・理科教育専攻修士課程修了。
■姫路市宿泊型児童館「星の子館」の天体観測担当嘱託職員を経て、平塚市博物館学芸員(天文学)。
■博物館でプラネタリウムの投影や講座の開催、特別展の制作などをしつつ、館外でもさまざまな天文普及活動を行っている。
■近著は『身近にあふれる「天文・宇宙」が3時間でわかる本』(明日香出版社)。

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