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新型コロナウイルスワクチン~日本における「輸送と人の問題」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月14日 17時35分

新型コロナウイルスワクチン~日本における「輸送と人の問題」

Illustration of a syringe and the logo of the american laboratory Pfizer which, following its clinical trials, announces a vaccine against covid 19. Paris on 18 November 2020. Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. Illustration d une seringue et du logo du laboratoire americain Pfizer qui annonce suite a ses essais cliniques un vaccin contre le covid 19. Paris le 18 novembre 2020. Photographie par Magali Cohen / Hans Lucas

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカで接種が始まる新型コロナウイルスワクチンについて解説した。

FRANCE – HEALTH – VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

アメリカ、12月14日からワクチン接種開始へ

アメリカの食品医薬品局(FDA)が、ファイザーなどの新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可したことを受け、配送作業がすでに始まり、12月14日以降、全米各地にワクチンが到着する見通しとなった。最初の接種は高齢者施設の入居者ら約300万人、医療関係者ら約2100万人に対して行われる。

飯田)このファイザーのワクチンは、1人に対して2回接種が必要だということです。

須田)実際にワクチンの接種が開始されるということで、大きく局面が変わるだろうと思います。特にアメリカの場合は、クラスター感染しているところは高齢者の施設ですから、そこを封じ込めることが必要なのです。そのため、大きく局面が変わって来ると捉えられているのだと思います。いずれにしても、イギリスに続いてアメリカでも接種が開始されたということは、世界的に見れば局面が変わって来ますし、日本での接種についても一定のスケジュール感というものが出て来るのだと思います。

ドイツ西部ケルンで、新型コロナの検査のため歩行者から検体を採取する医療従事者(ドイツ・ケルン)=2020年10月15日 EPA=時事 写真提供:時事通信

感染者数の抑制以外にも心情的な安定が得られる

飯田)特にアメリカやイギリス、フランスやドイツもそうですが、感染者数が相当増えていて、死者数も増えていますからね。

須田)局面が変わるということには2つ意味があって、実際上の感染者や死者の数を抑制させることができるという点での実効性の部分と、心情的なところもあるのです。ワクチンが出て来たということで、集団ヒステリー状態になっているところをとりあえず冷静になれるような状況になった。ワクチンの接種が開始されると、心情を安定させるという点では、大きく局面転換が図れるのではないかと思います。

英製薬大手アストラゼネカなどのロゴと、新型コロナウイルスワクチンのラベルが貼られた薬瓶と注射器(イギリス・ロンドン)=2020年11月17日 EPA=時事 写真提供:時事通信

一般的な接種が行われるまでの見極めが必要

飯田)アメリカとイギリスで始まったということですが、日本も含めて他の各国はどうなるかというところですよね。

須田)これはあくまでも緊急使用ですので、副作用等も含めて、これからどうなるかということについても、見極めて行かなければなりません。それに加えてファイザーのワクチンというのは、かなりの低温で保存しなければならないということもあるので、一斉にスピーディーに接種が行われるのかどうか。この辺りの体制についても見極める必要があります。そして2回接種するということは、マンパワーの部分で負担も大きいわけですから、どの程度のスピードで接種が広がって行くのかということもポイントとなります。

新型コロナウイルス感染拡大で医療体制の逼迫する北海道旭川市で、クラスターが発生した「慶友会吉田病院」に入る陸上自衛隊の看護官ら=2020年12月9日午前 写真提供:共同通信社

ワクチンの輸送とマンパワーの問題

飯田)航空会社にとっては、このワクチンの輸送需要はかなり大きくなるという予想もあります。

須田)とは言っても、ワクチンを運ぶということはかなりナイーブなものです。その辺りのキャパも含めてできるのかどうかということもあります。

飯田)確かにそうですね。いまは直行便や旅客便が止まっていて、荷物が動かせないという話も出ています。日本に関しては、残念ながら国内でつくるワクチンは間に合いそうにないので、海外から持って来るという形になりそうですが、それは日本国内でも同じ問題を孕むわけですね。

須田)どのような形で末端まで持って行くのかということですね。都市部はいいですけれども。

飯田)冷凍庫を3000個発注したなど、細かい話は出て来ていますが、全体の物流を1からつくるということをしなければいけませんね。

須田)あとは接種をするために必要なマンパワーです。

飯田)確かにいまこれだけコロナにかかりっきりのなかで、お医者さん看護師さんをどうするかというところですね。

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