株式会社「農人たち」代表 有機栽培農家・宮本暢常~「里山」の重要性
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月16日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に株式会社「農人たち」代表、有機栽培農家の宮本暢常が出演。里山を再生し、体験していただく「景観プロジェクト」について語った。
黒木)今週のゲストは株式会社「農人たち」代表、有機栽培農家の宮本暢常さんです。宮本さんはご自身で野菜を育てるだけでなく、農業を通じたさまざまな活動をされているそうですが、「農人たち」で行っている活動について教えていただけますか?
宮本)実践型と言っていますが、草むしりを含めた農業体験を行っています。あとは「景観プロジェクト」として捉えているのですが、昔ながらの原風景の里山を自分のなかで箱庭のように、いろいろなものを配置して、散策できて楽しめる、農園自体を歩いて楽しめる場所をつくっています。そこではやぎを飼っているのですが、それも含めて原風景に触れていただくことができます。農業ネットワークを広げて行く取り組みもしていまして、野菜だけにとどまらず、第1次産業に携わっている方、また、陶芸家の方たちともネットワークを広げて、器に至るまで新しいビジネスにつなげています。都内でマルシェの企画や食のイベントのプロデュースもさせていただいています。最近では、バーベキューと農業体験を組み合わせたり、何かと農業体験をプラスしています。音楽やスポーツなど、違う業態、性質のものと農業がコラボするという試みをしています。
黒木)野菜をつくるだけではないのですね。
宮本)いろいろなプロフェッショナルの方とお会いすると、ついつい二言目に「農業と一緒にやりましょう」と言ってしまうのです。そう言うと、乗ってくださる方がたくさんいらっしゃいますので、実現しているのです。
黒木)「景観プロジェクト」は自然を守るという意味で大事ですね。
宮本)見捨てられてしまっている里山がたくさんあるのですが、少し手を入れるだけで、美しい原風景に戻せるのです。昔ながらの里山がたくさんあるのですが、耕作放棄地になったり、機械が入りづらく後回しになってしまった場所など、残念な景観となってしまっているところが少なくありません。来ていただいた方が懐かしくもあり、近代的にも美しいと感じていただければと思って景観プロジェクトをやっています。里山のなかに、美術館のような近代的な体験施設をつくり、来ていただいた方にはお野菜を食べていただくスペースもあります。
黒木)「里山を守る」というフレーズはいいですね。
宮本)里山は本当に素敵な場所なので、自分のなかでも守るという意味合いと、守られているというところと両方感じながら生活しています。心のなかの懐かしさを感じて、リフレッシュして何かをお土産として持ち帰れる場所だと考えています。
宮本暢常(みやもと・のぶつね)/有機栽培農家「農人たち」代表
■1975年、栃木県宇都宮市生まれ。
■IT企業「サイバーエージェント」に勤務した後、農業に転向。
■農業をベンチャーマインドで捉え、「生で食べられる野菜づくり」をコンセプトに事業展開中。栃木県で新規就農者を対象とした塾を開校するなど支援を行っている。
<株式会社「農人たち(のうじんたち)」>
・農に携わる「人たち」との組手で新たなものをつくり出しているネットワーク。
・宮本さんが設立した会社。
・農薬を使わない野菜や米、原材料の品質が高い加工品、農にかかわる工芸品、芸術品の販売、さまざまなコラボレーション企画の農業体験を提供。
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