ワクチン接種は感染の「終わりの始まり」なのか~新型コロナウイルス
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月16日 21時50分
In this photo illustration, A medical syringe seen in front of Moderna U.S. biotechnology company logo displayed on a screen. Moderna said its experimental vaccine was 94.5% effective in preventing COVID-19 based on interim data from a late-stage clinical trial, becoming the second U.S. company in a week to report results that far exceed expectations. (Photo by Pavlo Gonchar / SOPA Images/Sipa USA)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月16日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。川崎市健康安全研究所所長で内閣官房参与、岡部信彦を電話ゲストに招き、新型コロナウイルス感染症の重症者が増えるなかでの医療現場の現状、また、今後、国民が取るべき対応について解説した。
新型コロナ、全国の重症者は過去最多の592人
感染が拡大している新型コロナウイルス、厚生労働省によると全国の重症者数は12月15日時点で592人となった。これまでで最も多い人数である。
飯田)人工呼吸器をつけている、集中治療室で治療を受けている重症者の数が15日午前0時の時点で592人だったということです。重症者が増えていることは気になります。この辺りも含め、医療現場の現状などについて川崎市健康安全研究所所長で内閣官房参与、岡部信彦さんに伺います。よろしくお願いいたします。まずGo To トラベルの全国一斉一時停止というのはどうご覧になりましたか?
岡部)感染症は人から人へ感染するので、人が動くとなれば拡がります。増えて来た以上、止めるには人の動きを抑えなければいけません。他にもいろいろな要素があるので、旅行に行くこと自体がいけないのか、あるいは旅行先での行動がいけないのか、そこはまだ結論は出ていません。しかし、動きを少し止めないと、行く側も来る側も心配ではないでしょうか。
年末年始のタイミングでの「Go To トラベル」の一時停止
飯田)菅総理大臣は、年末年始のタイミングでやるというのは、人が動くタイミングということでしょうか?
岡部)お正月は観光地は混みますが、いろいろなものが止まっているときです。医療体制が薄くなるので、その負担を減らす必要があります。
飯田)医療体制の部分ですが、重症者が過去最多の592人ということで足元の現状はいかがですか?
岡部)全体の数から見ると、急上昇は抑えられています。しかし、急上昇しているときに具合が悪くなった人がいま積み重なっているので、増え方が抑えられていても、ただちに重症者の数が減るということではありません。地域によっても違います。全国的には上がっていたのが、平たくなっているところ、例えば北海道は落ちている傾向があります。また、地域によっては、いままでは少なかったけれども増えているところもあります。全体的には、みんなで注意をする段階だと思います。
ワクチン接種によってどう変わるのか
宮家)ワクチン接種が日本でも始まると思いますが、これは世界的に感染の「終わりの始まり」と見ていいのでしょうか?
岡部)例えばはしかのように、病気を止められるようなワクチンなのか、インフルエンザのように何回か続けてやらなければいけないものなのか……。病気の経過がまだ1年しか経っていないのでわかりません。一時的に効果があるということであれば、繰り返しワクチンを接種すればいいという感じです。どうやら一発で止められるタイプではなさそうです。
宮家)もう1つ気になるのは、イギリスではウイルスの新たな変異が起きているという報道がありました。大きく変わらないという説もあれば、これは大変だという説もありますが、どうなのでしょうか?
岡部)変異というのは遺伝子の病原性、病気の強さに関わる部分の変異なのか。人で言えば単に洋服だけ着替えたのか、本質的に性格を変えたのかという違いがあります。「変異イコール重大」かどうかは、いろいろな傍証を見ないとわかりません。日本にいるコロナウイルスも、最初の中国由来のコロナウイルスから、ヨーロッパスタイルのウイルスに途中から変わりました。ヨーロッパ側も変異をしているので、いまの日本のウイルスはヨーロッパのスタイルとは違うと言えます。それが直ちに病気の違いに出るかどうか、実験動物でわかったこともあるかも知れませんが、人に置き換えると、同じことを反映しているかどうかはわかりません。関心のあるところではありますが、結論は出ていないと言えます。
海外からの入国者よりも日本人の移動の方が数は多い
飯田)海外からのビジネス渡航を一部緩めた部分が、11月に患者が増えたことと符合するという意見があります。この辺りはいかがですか?
岡部)国外から来た方の感染者は発見されています。しかし、国外から来た人でも行動を控えてもらうとか、2週間家にいてくださいとかあるので、そこからただちに感染が拡大したということはありません。ウイルスの遺伝子的にどこかでひそかに感染しているかどうかはわからないので、そこは単純に結論をつけられません。移動の数から言えば海外からの移動より国内の移動の方が多いです。
ウイルスは優しい気持ちを嫌う~相手にうつさない配慮が必要
飯田)圧倒的に桁が違いますからね。国内で日本人がどう行動して防いで行くかになりますね。これから先の生活において注意するべき点はどういうところですか?
岡部)もし移動するのであれば、人にうつすかも知れないと配慮をする優しい気持ちが必要です。受け入れる側も注意が必要です。お互いに行き過ぎない注意力が必要です。
飯田)「ウイルスは優しい気持ちをいちばん嫌う」と岡部先生はいろいろなところでおっしゃられています。逆に感染症が好むのはどういう社会の空気ですか?
岡部)自由奔放な状態がウイルスはうれしいでしょうね。
飯田)あまり自由になり過ぎずに、ギスギスしない程度に、お互い配慮するということですね。
岡部)少なくとも、インフルエンザより拡がる力は弱いようですから、インフルエンザ並みの注意はした方がいいと思います。
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