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中国が日本との関係改善に動く理由~大島衆議院議長と全人代常務委員長がテレビ会談

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月17日 7時50分

中国が日本との関係改善に動く理由~大島衆議院議長と全人代常務委員長がテレビ会談

中国は14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月16日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。大島理森衆議院議長が中国全人代常務委員長とテレビ会談を行ったニュースについて解説した。

中国は2020年10月14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕写真提供:時事通信社

大島理森衆議院議長が栗戦書全人代常務委員長とテレビ会談

大島理森衆議院議長は12月15日、中国の栗戦書全人代常務委員長とテレビ会談を行った。大島議長は、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵入や香港情勢について懸念を表明し、前向きな対応を求めた。

飯田)栗戦書さんは習近平さんに近いですよね。

宮家)党中央の要職にいた人です。全人代常務委員長になったのですね。

飯田)中国共産党中央弁公室の主任をやっていました。

宮家)今回は「中国側からの申し入れ」とされていますが、もしそうだとすれば、そこがポイントです。衆議院議長という立場は、日本の民主主義では法律を決める、政治を決める重要なポジションです。それに比べれば、全人代は形式的なシンボルとして重要な存在です。そのトップの人たちが会談をする。しかも中国側から会談を求めて来たということは、中国が日本との関係改善に積極的に動いているように見えます。中国はアメリカのトランプさんとの関係は悪く、バイデンさんになってもよくなる可能性は低い。そうなると日米の間にくさびを打たなければいけません。日本にとっていまはチャンスなのですが、中国側も戦略的な譲歩はしません。それでも、中国としては日本と関係をよくしたいという意気込みが感じられて、「なるほどな」と思いました。

飯田)全人代の常務委員長ということで、格を合わせるために大島理森衆議院議長となったのでしょうか?

宮家)この人は議長ですからそうでしょう。そのカウンターパートが大島さんなのだと思います。でも、全人代とは香港国家安全維持法をつくった人たちですからね。もっと文句を言っていいくらいですが、まあ、栗戦書さんが全部をやったわけではないですからね。

会談後、腕でタッチを交わす岸防衛相(左)と在日米軍のシュナイダー司令官=2020年10月8日午前、米軍横田基地 写真提供:共同通信社

岸防衛大臣は魏鳳和国防相とテレビ会談~中国の国防相は防衛大臣のカウンターパートではない

飯田)14日夕方ですが、岸防衛大臣と中国の魏鳳和国務委員兼国防部長(国防相)がテレビ会談という形でこちらも会談しました。

宮家)国防相ということですが、中国人民解放軍にはもっと偉い人がたくさんいるわけです。中央軍事委員会の主席は習近平さんだし、副主席は制服のトップです。そのくらいの人と会ってもいいと思いますが、あの人たちは絶対に会いません。外交部長だって王毅さんがこの間日本に来ましたが、厳密には外務大臣の相手かと言うと、必ずしもそうではありません。外交を統括している国務委員がいるではないですか。

飯田)楊潔篪さんですね。

宮家)楊潔篪さんは政治局員です。政治局員は25人しかいませんからね。中国トップの25人、日本で言えば閣僚クラスです。別に王毅さんがダメだと言っているわけではありませんが、本当は、日本の外務大臣のカウンターパートは国務委員の楊潔篪さんなのだと思います。でも、中国は人口が多いから、それはそれでいいとして・・・・、とにかく、国防相とやるのは非常に大事ですし信頼醸成措置としてはいいと思います。ですが、本当はその上とやるべきなのです。国防相というのは人民解放軍のなかでは決して地位は高くありません。国防省の地位は最近少しずつ上がっているような気はしますが。

飯田)もともと人民解放軍は党の軍隊であって、中国では、党が行政も指導する形ですよね。そうするとヒエラルキーとしては、ピラミッドの上と下で違うわけですよね。

中国の外交政策を統括する楊潔チ共産党政治局員(左)とポンペオ米国務長官(アメリカ・ワシントン)=2018年11月9日 写真提供:時事通信

中国の国防相はスポークスマンのようなもの

宮家)本当は本当の権力を握っている中央軍事委員会の関係者とちゃんと話せるようにならなければいけませんが、世界にそういう国はないはずですよ。アメリカも含めて、そこは中国側が聖域にしています。ですから国防相とやってもいいですが、まあ、人民解放軍の中では格下で、スポークスマンとやっているようなものです。

飯田)制服のトップ同士でやりましょうと言ったらどうでしょう。

宮家)それでも大したものは出て来ません。アメリカがやっても、実際には何も出て来ません。彼ら解放軍は内向きですので、昔はあったかも知れませんが、いまのアメリカとの緊張を考えると、そういう軍の実権を握っている連中との対話はできていません。アメリカも困っているという話は、昔聞いたことがあります。

飯田)その軍事委員会が指導しているなかに、例の中国海警局などが入っていますよね。

宮家)入っています。

飯田)海上保安庁にあたる組織だと言われますが。

宮家)日本ではそういう形では指揮命令系統が一元化されていないのですよ。いい意味でも悪い意味でも。そうなると日本も褌を絞めて頑張らなければいけませんよ、相手は強力ですからね。

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