「Go To トラベル」再開の難しさ~基準をどう設定するか
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月21日 17時30分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。一時停止となった「Go To トラベル」再開の問題点について解説した。
全国知事会「Go To」再開の運用方針を求める
全国知事会は12月20日にテレビ会議を開き、全国での「Go To トラベル」一時停止期間後の2021年1月12日以降の運用方針を早期に示すと共に、感染が落ち着いている地域から順次再開するよう国に求めることになった。
鈴木北海道知事)「Go To トラベル」の停止ですとか再開ですとか、そういった基準については繰り返し知事会でも決めて欲しいと申し上げているところでございまして、具体的に示していただく必要がそろそろあるのではないかと。
飯田)全国知事会は年末年始の新型コロナウイルス対策など、近く国に緊急提言を行うことも決めたということです。Go To が停止になって、その後ということですが。
停止基準がないなかでの停止~再開する際の基準をどうするか
須田)Go To トラベルを中心としたGo To キャンペーンの経済的な効果は、地方にとって大きかったのです。私もいくつかの地域を回りましたが、一時停止になって以降、当然ですが、各地域の飲食店の売り上げやホテルの稼働率が下がっています。その辺りを、各都道府県の知事さんたちが感じ取ったのだろうと思います。ただその一方で、再開へ向けての基準、これは相当難しいと思います。なぜかと言うと、停止基準がないのですから。
飯田)ワイドショーなども含めて、世の中的にGo To がやり玉にあがって、「止めろ」という大合唱が起こった。専門家の皆さんは、「旅行で移動するだけならば問題はない」とおっしゃっていたときがあったのですが。
「Go To トラベル」と感染拡大には因果関係がない~世の中の空気で動いてしまった
須田)私もいろいろなところで申し上げましたが、Go To トラベルそのものと感染拡大には因果関係がないのです。それについては私が勝手に言っているのではなく、例えば福岡県福岡市の市長が、自らのブログのなかでそのエビデンスを示して、説明をしています。日本医師会や東京都医師会、分科会等々が、「根拠はないのだけれども、一旦立ち止まって考え直した方がいいのではないか」と言ったことに、多くのメディアが乗っかって、「中止すべきだ」と、政権批判をする1つのツールとしてその中止を求めた。その空気に押されてしまった。そこに世論調査の内閣支持率が下がったということが加わり、政権運営する上で、「ここは一旦中止しよう」という政治判断が下された。しかし、そこには停止に向けての基準がなかった。停止するのはいいけれども、再開へ向けての基準もないのです。「感染者数がこうなったら」などという「客観的な基準が設定できないのだから、再開するとき大変ですよ」と申し上げていたのですが、その通りになってしまったのです。
各地域でそれぞれの知事が判断するべき~全国一斉に停止してしまった弊害が出ている
須田)それぞれの地域で、知事さんたちが自らの判断で地域の実情を見た上で、「うちの県はいま停止しておこうか」などとそれぞれ判断すればいいのです。全国一律でやってしまった弊害が大きく出ているのではないかと思います。
飯田)感染症専門のお医者さんに、「エビデンスがないのに、なぜやめろと言うのですか」と聞くと、「日本の場合、人の行動を強制的に制限する法律がないでしょう」と。何だか、それに全体が引きずられてしまったようなところがありましたね。
須田)政府の分科会の尾身会長も、いま飯田さんが言われたことと同じようなニュアンスで言っているのです。そういう「空気で物事が決まって行く」というのが、いちばん悪いことなのではないでしょうか。やはりきちんと方向性を示し、基準を設定して、「それを超えた場合には、否応なく停止をする」というようなはっきりとした手続きが必要だったのです。再開するにあたっては、その辺りの検証が必要だと思います。
人の移動に問題があるわけではなくて、その行動に問題がある
飯田)前々から言われていましたけれども、経済を回そうとしてやって、また感染が拡がって来たら止める、ということを繰り返すのですと。「ハンマーアンドダンス」だと言っていたではないですか。その通りになっているのに、なぜか、いちいち一喜一憂しているということは、基準がないことも大きいのですかね。
須田)今回のGo To トラベルの一時停止に関して言えば、ピントがずれてピンボケだったのです。人の移動に問題があるわけではなくて、その行動に問題があるのです。旅行先で大きな声で会食をするとか、カラオケに行って羽目を外して歌ってしまうとか。そういったことが問題であって、旅行に行くことそのものは問題ないのです。例えば、シルバーウィークでは京都にたくさんの観光客が訪れましたが、感染者の大きな増加が見られたかと言うと、見られていないのです。
飯田)マスクをして、大声を出さずに鑑賞したり、風景を見ていれば問題ないということが証明されているわけですね。
須田)「問題なのはここなのです」ときちんと言って、それを守らせる方が、よほど感染拡大を抑止する方向につながったと思います。
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