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日本がワクチン開発に遅れた本当の理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月23日 17時30分

日本がワクチン開発に遅れた本当の理由

A medical syringe and a vial in front of the AstraZeneca British biopharmaceutical company logo are seen in this creative photo taken on 18 November 2020. Pfizer and Biontech announced its conclude phase 3 study of COVID-19 vaccine candidate with 95% primary efficacy analysis, as media reported on 18 November 2020. (Photo by STR/NurPhoto)

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。日本政府がイギリスからの入国制限を強化する方針を固めたニュースについて解説した。

COVID-19 Vaccine Symbolic Creative Photo=2020年11月18日 NurPhoto via AFP 写真提供:時事通信

日本政府がイギリスからの入国制限を強化へ

イギリスで感染力が強いとされる、変異した新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、政府は日本人以外のイギリスからの入国を一時的に停止するなど、入国制限を強化する方針を固めた。

飯田)変異種の新型コロナウイルス、WHOによると重症率を上げるというような根拠は現時点ではないということですが、イギリス以外にデンマーク、ベルギーなどでも確認されています。日本国内ではいまのところ確認されていないようです。

高橋)変異するのはよくあることです。ヨーロッパで拡大しているので、入国制限をするというのは、当たり前と言えば当たり前ですけれどね。アジアはどうするのですかね。こういうときには、相互主義でやったほうが無難なのですけれどね。いまの日本の仕組みは相互主義になっていないような気がします。アジアのなかでも、台湾や中国は厳しいですよね。

飯田)中国や韓国に関しては、事前のウイルス検査や14日間の隔離などが、日本に来る方に関しては、事前にチェックをして証明書を提出すれば、検疫もほぼなくなっていると。

【新型コロナ(新型肺炎)中韓からの入国制限開始】中国と韓国からの入国制限が始まり、成田空港で最初の対象の便になったソウルからの乗客ら。検疫所で質問票などを記入していた=2020年3月9日午前、成田空港 写真提供:産経新聞社

感染者の国籍を出すべき~感染者数が多いのでプライバシーは守れる

高橋)相互主義でやったほうが無難だと思いますけれどね。運用のやり方ですが、もう少し考えたほうがいいのではないでしょうか。それと、プライバシーで各国の感染者の国籍を出さないということになっているけれど、最初は出していましたよね。いまは数が多いから、出してもプライバシーは守れます。この辺りも、もう少し積極的にやったほうが「あらぬ話」が出ることもないのですけれど。

飯田)11月から入国の運用が一部緩くなったので、それが第3波の1つの要因ではないかと。外国人が増えたからではないかと言われているところもあります。

高橋)わからないから言ってしまうのですよね。

飯田)そういうことなのですよね。遺伝子の型などを見ると、「必ずしもそうではないだろう」と専門医の方は説明していますが。

高橋)だけどデータなどがないと、そのように言われてしまうのです。

飯田)確かに入国者数のデータはあるから、そこから数えると、この1日3000人くらい出る感染者の全部を説明しきれないだろうなとは……。

高橋)とは思うけれど、国別のデータがないと、いろいろな話が出て来てしまうのです。こういうときには、誰しも疑心暗鬼になるので。

飯田)携帯のビッグデータもそうですけれど、ある程度プライバシーが出ない形に加工して、国籍だけを出すというのは、別に規制に反するものではないですよね。

英製薬大手アストラゼネカなどのロゴと、新型コロナウイルスワクチンのラベルが貼られた薬瓶と注射器(イギリス・ロンドン)=2020年11月17日 EPA=時事 写真提供:時事通信

ワクチン~2月下旬に医療従事者から

飯田)一方でワクチンがどうなるのか。求めている方が多いです。

高橋)うまく行けば2月下旬くらいからでしょう。

飯田)医療者に関してはということですね。

高橋)医療従事者に関しては。世界中でたくさんつくっていますからね。供給については、それほど不安はないと思います。

FRANCE – HEALTH – VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas 写真提供:時事通信

日本がワクチン開発に遅れた理由

高橋)「なぜ日本がワクチン開発に遅れたのか」という質問をいろいろなところで受けます。本当の答えを言うとみんな嫌がるのでしょうが、それは「基礎研究が軍事に関係するから」ということです。ABC兵器と言って、アトミック・バイオロジカル・ケミカルでしょう。バイオロジカルのなかでも、ワクチンは防備するには最高の手段です。軍隊のなかに感染症が増えたとき、早く対処しなくてはなりませんから。

飯田)終息させなくてはいけないですね。

高橋)今回、革命と言われていますが、各国、いろいろなタイプのワクチンがあるわけです。それは、「いろいろなタイプのワクチンが安全でかつ速く開発できる」という軍事研究があったからできるのです。日本でも「軍事研究はダメだ」と言っている人が「ワクチンはどうした」と、同じことを同じ人が言うから驚きますよね。「それは違うでしょう」と思いますけれど。ある程度は軍事研究をやらないと、こういうことはできないのです。原発のときも同じでしたね。制御というのは、軍事研究からかなり来るから。こういうときに国力の差のようなものが出るのですよ。

飯田)ABC兵器という話がいま出ましたけれど、この生物兵器を専門に対応しているのが「対特殊武器衛生隊」というところで、ダイヤモンド・プリンセス号にも行った部隊です。先日取材しましたが、隊をつくるときに、「731部隊をもう1度つくるのか」と言って大批判されたということです。いやそうではなくて、命を守るためにこそつくる部隊なのにと、かなりその偏見に苦しんだという話を聞きました。

高橋)それはそうですよね、研究だからやっておかないと、いざというときに対応できないのですよ。「研究するな」と言ってね。その一方で「助けてくれ、速くワクチンをつくれ」と。これは難しいですよ。

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