ベーカリープロデューサーの岸本拓也～成功の秘訣は「固定観念に囚われないで個性を出す」ということ

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」（ニッポン放送）にベーカリープロデューサーの岸本拓也が出演。自著『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』について語った。

岸本拓也

黒木）今週のゲストは食パンブームの仕掛け人、ベーカリープロデューサーの岸本拓也さんです。岸本さんがCCCメディアハウスから出版された『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』という本ですが、「考えた人すごいわ」というパン屋さんの名前を考えた人である岸本さんはすごい人、という意味ですよね？

岸本）恐縮です。

黒木）ベーカリープロデューサーの岸本さんの頭のなかを覗きみる1冊となっています。この本の紹介を岸本さんからしていただけますか？

岸本）決してパンに限らず、「ものをつくるときの発想の原点は同じだ」ということを伝えたいと思って書きました。これからベーカリーを目指す方以外にも、私が手がけて来たビジネスの本質というものをわかってもらえると思います。

黒木）町に根ざしている飲食店というのは、パン屋さんだけではないですからね。町の人に愛されるということが大切だということです。

岸本）プロセスとして、「固定観念に囚われないで個性を出す」ということは、どんな仕事にも通ずることだと思います。この本では、そういうことを説明しています。

黒木）私が特に付箋を貼ったところは意外なところで、「キャベツたっぷり生姜焼きサンド」。レシピが載っているのです。

岸本）ガッツリ系が好きなので、我々のパンは、具材と一体化するのです。食べたときに、パンと具材が口のなかで消える。

黒木）生姜焼きを挟むということですよね？

岸本）そうです。

黒木）簡単ですね。

岸本）パンの甘さと生姜焼きの甘さがうまくマッチして、大好物の1つです。

黒木）あとは「シソ香る納豆サラダカナッペ」。これは私、納豆パンってすごく好きなんです。

岸本）納豆パンは美味しいですよね。

黒木）美味しいですよね。これはバゲットにマヨネーズを塗って、シソを1枚乗せて、納豆に刻んだトマトを混ぜて青ジソドレッシングを絡めたものをシソの上に載せればいい。これも簡単ですね。

岸本）そこにフランスパンの香ばしさが合うのです。鼻に抜けるときの香りが、納豆の発酵した香りとパンの香りがものすごく合う。

黒木）シソと納豆というところが「ほお、なるほど」と思って、これもやってみたいと思いました。

岸本）ありがとうございます。

黒木）「柚子胡椒マヨのだし巻き卵サンド」というのもありますが、柚子胡椒を入れるのですね。

岸本）我々のパンも甘いし、卵も甘いので、アクセントとして入れています。

黒木）甘ったるいのではなく、ちょっとピリッとした卵サンドができるということなのですね。これを試してみようかなと思います。

岸本）ありがとうございます。生姜焼きも本当に大好きで。やっぱり合うのですよね。パンの味だけが強過ぎてもいけないので、ほのかな甘さと生姜焼きの甘さが何とも言えない相性なのです。あとは、みずみずしいところがポイントかも知れません。

黒木）東京にも岸本さんがプロデュースしたお店はあるのですか？

岸本）門前仲町や用賀にもあります。

黒木）用賀は何というお店で？

岸本）「くちどけの朝じゃなきゃ！！」というパン屋さんです。

黒木）またロマンチックですね。

岸本）千歳船橋では「リップを塗る前に」というパン屋があります。

黒木）「リップを塗る前に」、なるほどね。ロマンチックですね。

岸本）リップを塗る前にちょっと食べてしまおうかなという。

黒木）これからパン以外でもいろいろプロデュースされるのだろうと思いますが、目標はございますか？

岸本）目標は至ってシンプルで、常にシチュエーション毎に出会った方に対して、幸せと笑顔を届けて行きたい。そして、昔から演出するのが大好きなので、対象の方に喜んでいただきたい。そこに尽きますね。

岸本拓也

岸本拓也（きしもと・たくや）／ベーカリープロデューサー

■昭和50年、横浜市生まれ。関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。
■外資系ホテルを経て20代後半で独立。平成18年、横浜市にベーカリーカフェ「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN（トツゼンベーカーズキッチン）」を開業。
■平成23から異業種のベーカリー開業を支援するコンサルティング業務を開始。平成25年、その業務を専門に請け負う会社「ジャパンベーカリーマーケティング」を設立。代表取締役社長に就任。これまでに約250店舗以上のパン屋さんを手掛ける。
■岸本さんがプロデュースするパン屋さんは味の豊かさはもちろん、店舗名・商品名がユニークで驚きの連続！　全国各地で行列ができるお店となっている。
「考えた人すごいわ」「これ半端ないって！」「パンダが笑ったら」「アゴが落ちた」「街がざわついた」「うん間違いないっ！」など。