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Creepy Nuts、M-1グランプリの厳しさを語る「勝たないと終われないんだよね」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月29日 11時50分

Creepy Nuts、M-1グランプリの厳しさを語る「勝たないと終われないんだよね」

12月22日(火)深夜、ラッパー・R-指定とターンテーブリスト・DJ松永による音楽ユニット・Creepy Nuts(クリーピーナッツ)がパーソナリティを務めるラジオ番組「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送・毎週火曜27時~28時30分)が放送。20日に行われた若手漫才師日本一決定戦「M-1グランプリ2020」の決勝について語った。

「M-1グランプリ2020」の決勝戦へ向けた告知動画がYouTubeにて公開されているが、このBGMにCreepy Nutsが歌う『板の上の魔物』が起用されており、歌詞の世界観がマッチしていることから「カッコイイ」「泣ける」とSNSで反響を呼んだ。

R-指定はラップの日本一を決める大会「UMB」でのことを、DJ松永はDJの世界大会「DMC」での経験を回想しつつ、賞レース「M-1」の決勝戦について語った。

DJ松永:M-1の告知動画で、Creepy Nutsの『板の上の魔物』とコラボしていただきましてね。

R-指定:元々は『べしゃり暮らし』という漫画原作のドラマのオープニング曲として書き下ろしたんですけど、その時から、板の上に立つ、何かを表現する人……主に漫才師さんの2人組と、我々Creepy Nutsの2人っていうのをかけ合わせて歌ったんです。そういう人たちと自分達の仕事は重なる部分があるな、ということで書きましたが、このタイミングでね。

DJ松永:その動画では芸人さんのインタビューの一節とかが使われつつ、Creepy Nutsの曲が使われているんですが、歌詞の切り取り方、完璧じゃなかった? 歌詞を書いた人間としてどうだった?

R-指定:最高の部分を切り取ってくれているし、音を上げて歌詞を強調したところとかも「そうそうそう!」っていう。

DJ松永:動画で使われている、芸人さんの一言一言も、あれ、全部共感する。ド頭のぺこぱの松陰寺さんの「ここでしか味わえない刺激があるんですよね」っていう、あそこから全部わかる! だってもう、ぺこぱさんはM-1に出て、そこで結果出して、バーン!って有名になってバラエティに出たりして。それで花を開きたいっていう目的でみんな出ているところじゃない? 去年3位になって、日の目を見て大ブレイクしていろんなメディアだったり舞台だったり。すごくヒリヒリする現場で毎日やってると思うんだけど、やっぱり賞レースのあの舞台っていうのは全く替えがきかないのよ。まったく別物なんだよね。

R-指定:本当にあそこでしか味わえないんだろうな。

DJ松永:もう優勝した人ぐらい売れたじゃん? 俺らは「UMB」とか「DMC」だから、漫才じゃないしまったく別かもしれないけど、同じ賞レースとして自分のシチュエーションに置き換えて話すけど、M-1で負けたあの悔しさは、たぶんM-1じゃないと晴らせないじゃない? あれだけ売れて、みんながなりたい姿なのにも関わらず、もう1回出るっていうのは、そんぐらいのことなんだろうなって思う。

R-指定:それこそ、三四郎の相田さんとご飯に行った時に……三四郎ぐらい売れていたら、M-1に挑戦すること自体「もういいじゃん」って言われるだろうけど、「そういうことじゃねえんだよ、バカヤロー!」って言っていたから。そういうことなんだろうね。

DJ松永:あとさ、マヂカルラブリーの野田クリスタルさんが冒頭で「みんな、仕上がってましたよ。結局」って……。たぶん、今年はコロナで舞台数が少なかったじゃないですか? で、みんなネタを仕上げられないだろうっていう中で、もしかしたら自分はいいネタができた、勝負できるかもしれない、と思って。でも本番、みんなのネタを見たら全員仕上がっているじゃん! って。だから、まあ、これは全部自分に置き換えた話ですが「DMC」に置き換えてみると、やっぱり結局“穴の年”なんて存在しないなと思うの。大会で「あれ? 今年のラインナップって過去の優勝者とかいないし、意外と行けるかもしれない!」って思って出てみたら、今までノーマークだった人がとんでもない仕上がり方をしているのよ。「うわ、結局穴じゃないな!」って。楽な試合っていうのはまったくないなっていう。マヂカルラブリーの村上さんがさ、「本当にいいですよね。優勝して終わった人たち」って言うじゃん? これは本当にもう、呪いにかかった人たちの言葉だよね。

R-指定:せやな。ホンマに呪いやな。

DJ松永:みんな、やめるためにやっているところも、人によってはあると思うんだよね。勝たないと、終われないんだよね。で、あの呪いが解けるのって、優勝した人だけなんだよな。

R-指定:唯一、それしかない。

DJ松永:唯一。年に1組しか存在しないじゃん? で、あれって出るのも苦痛じゃん? 精神がすり減るし。勝つかどうかわからないドキドキで、1年消費する中でやっと出て。それでほとんど勝てないんですよ。1年に1組だけ呪いが解けていくっていう……エグい。で、野田クリスタルさんが「嫌なことで終わったら嫌だからでしょう。嫌なことがあったまま、終わらないし」って。

R-指定:それで、泣いて。

DJ松永:『板の上の魔物』の歌詞で、“板の上の魔物”っていうのは、その板の上にいる魔物に食われて、たとえばミスしたり、失敗したり、お客さんを上げれなかったり、そういったことじゃなくて、サビにあるように「やめられない、離れられない」っていう。これも板の上の魔物だなと俺はたしかに思ったの。

R-指定は日本一を、DJ松永は日本一と世界一の座を獲得しているが、“日本一”を目指すM-1出場者のコメントに「全部共感する」と語った2人。賞レースについて、「一生出たくない」「バトル前の気分なんて、最低やぞ」「マジで生きた心地がしない」と、二度と出たくないと振り返りつつも、0.1パーセントぐらいは「もう1回やりたい」という気持ちがあることも吐露。その理由について、生きた心地がしないが、生きている実感を得られるのもその瞬間だったりするのだと語った。

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