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ハッキング被害に遭ってもアメリカが「ロシアと手を結ばなければならない」理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年1月8日 17時35分

ハッキング被害に遭ってもアメリカが「ロシアと手を結ばなければならない」理由

Russian President Vladimir Putin chairs a teleconference meeting of the Military-Industrial Commission of the Russian Federation, at his Novo-Ogaryovo state residence, outside Moscow on September 19, 2020. (Photo by Mikhail KLIMENTYEV / SPUTNIK / AFP)

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月8日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。地政学から見たアメリカとロシアの関係について解説した。

ウラジミール・プーチン大統領=2020年9月19日 写真提供:時事通信

ロシア政府のハッカー集団

アメリカ商務省はハッキングの被害にあって情報が流出したことを確認した。このハッキングについて、アメリカの新聞「ワシントン・ポスト」が事情を知る匿名の関係者の話として、ロシア政府のハッカー集団がアメリカ商務省や財務省などの政府機関を標的にしたと伝えた。

飯田)2020年12月13日のニュースですが、このロシア政府のハッカー集団。コロナに紛れて他のニュースがなかなか入って来ないのですが。

奥山)ハッキングに関しては、他にも起こっておりまして、例えばロシア政府の支援を受ける「コージーベア」というハッカーグループがあります。

飯田)「コージーベア」。

奥山)このグループも、新型コロナウイルス感染症の研究に携わる企業や研究機関に、またアメリカ政府全体のインフラに対しても攻撃を仕掛けていたことがわかっています。バイデン政権には、当然ですがロシア嫌いな人たちが多いので、サイバーセキュリティ、ネット環境をしっかり守るということを重要な政策として出して来ています。

米司法省の記者会見で提示されたロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のハッカー6人の写真=2020年10月19日、ワシントン(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

長期的にはロシアを味方にしなければならないアメリカ

奥山)こういう状況があると、ロシアのイメージが悪いですよね。しかし、短期的にはロシアを警戒しなければいけないのですが、長期的には、私がやっている地政学という世界で考えると、最終的に、アメリカはロシアを味方にしなければいけないと思っています。それはなぜなのかという話なのですが、地政学の世界の話で言うと、例えば、私はきょうニッポン放送にわざわざ来ていますけれども、外の人間です。ユーラシア大陸という大きい大陸にいるときに、飯田アナと新行アナがここにいらっしゃいます。私はニッポン放送に攻撃されないためには、どちらかを味方にした方がいい。つまり、飯田アナか新行アナを仲違いさせておくのがいちばんいいわけです。

飯田)なるほど。奥山さんが仮に「番組を乗っ取りに来ました」という場合、まずは2人を殲滅するよりは、どちらかを味方につけると。

米財務省の庁舎(アメリカ・ワシントン)=2018年10月18日 AFP=時事 写真提供:時事通信

中ソを対立させて冷戦に勝ったアメリカ

奥山)そうです。各個撃破している場合ではなくて、どちらかを自分の味方にして、2人が私に向かって来ない状況にすることが大事なのです。これが地政学の基本の考え方で、アメリカはそういうことを、中国とロシアを……ユーラシア大陸をニッポン放送とすると、あったわけです。

飯田)ユーラシア大陸のなかに大国として2つあると。

奥山)2つあって、その2つに対してどうアプローチをしたかと言うと、お互い共産圏で、冷戦時代だったので、ソ連と中国を仲違いさせたということです。

飯田)中ソ対立というのがありましたね。

奥山)それで中国を味方につけたのが1972~1973年の話です。

飯田)ああ、なるほど。

奥山)それで、一応冷戦に勝ったのです。いまは中国が敵になっていますので、アメリカが本当にやらなければいけないのは、ロシアを味方にすることなのですが、ロシアがハッキングなどをやって来るので、「嫌な状況が続いているなあ」という感じです。

中国は2020年10月14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕写真提供:時事通信社

中国を倒すためにもロシアと中国を分断させなければならない

飯田)ロシアとしては、アメリカが最終的にこちらに来る可能性があるというのを見ながら家賃を上げるというか、自分を高く売るためにも、ちょっかいを出しているところがありますか?

奥山)もちろん、その通りです。最終的には、アメリカはロシアと付くしかないので、ここで「中国を倒さなければいけない」と思っている人がアメリカには多いですし、実際に米中対立でそういうところにあります。バイデン政権はロシアを味方にしなければいけないのですが、こういうことをロシア側がやって来るので、なかなか厳しい状況です。ただ、我々が覚えておかなければいけないのは、日本としてもアメリカとしても、最後はロシアとどこかで手を打たなければならない。味方にならなくてもいいのですが、中立でいて欲しいということです。

飯田)いまみたいに「プーチン、習近平が蜜月」みたいなものはあまりよろしくないと。

奥山)どこかで分断しておかないといけない。

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