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「東京五輪中止」でいちばんダメージを受けるのは菅政権

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年1月18日 17時35分

「東京五輪中止」でいちばんダメージを受けるのは菅政権

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月18日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ニューヨーク・タイムズが「東京五輪中止の可能性がある」と指摘したニュースについて解説した。

2021年1月18日、会見する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202101/18bura.html)

ニューヨーク・タイムズが東京オリンピック中止の可能性を報道

アメリカのニューヨーク・タイムズは1月15日、2021年夏に延期されている東京オリンピックの開催について、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で不確実性が増している」として悲観的な見通しを報じた。その理由として、日本の河野太郎行革担当大臣が14日、「東京オリンピックがどちらに転ぶかはわからない」と述べたとロイター通信が報じたことと、カナダのIOC委員が開催について「確信が持てない」とBBCの取材に対して述べたことを挙げている。

飯田)河野さんの発言は、「ロイターネクスト」という会合での発言だったということですが。

須田)欧米で感染拡大が収まる気配がない。ドイツでは4月までロックダウンするとしているなかで、果たして本当にできるのか、選手が来るのかどうか。観客云々ではなく、もはや、「選手を派遣できるかどうか」という問題になって来ています。

東京都庁で会談する小池百合子都知事(右)とIOCのバッハ会長=2020年11月16日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

東京五輪中止でいちばんダメージを受ける菅政権

須田)その一方で、ダメージを受けるのは、日本であることは間違いない。なかでも、いまの菅政権にとって、今年(2021年)いちばん大きなイベントは、もちろんオリンピックなのだけれども、それ以上に大きなイベントは解散総選挙ということになります。オリンピック開催後に解散戦略を描いている菅官邸にとって、これがなくなると、相当大きなダメージになり、政局が大きく流動化する可能性も出て来ます。

飯田)衆議院の議員の任期が10月までということになっている。オリンピック・パラリンピックは9月の頭までです。この2つの日程が絶妙に絡まり合いますね。

須田)そうです。そして9月に自民党総裁選があって、総裁任期が切れるわけです。もちろん、いまの流れからすると、ほぼ菅総裁で決まりなのだけれども、それもオリンピックや解散などの変数によっては、大きくぶれて来る可能性が出て来ます。そんなこともあり、ここへ来て、「菅おろし」というような言葉がメディアでも散見されます。

飯田)各社の世論調査でも、内閣支持率が段々と下がりつつあるというところで、そろそろ浮き足立って来る人が出てもおかしくない。

須田)それぞれの衆議院の候補者、また現職者にとって、「誰が看板であれば自分は当選できるのか」というところで動き始めますからね。

緊急事態宣言地域に7府県が追加され国民に対しさらなる協力を呼びかける菅義偉首相=2021年1月13日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

内閣支持率が30%を割るようなことが起これば、政局は一気に流動化する

飯田)今後の政治日程を考えると、18日から国会がスタートします。そうすると、法理論上ですけれども、いつ解散になってもおかしくない。4月25日に2つの補欠選挙が行われます。北海道の2区、吉川元農林水産大臣の辞職に伴うところと、羽田雄一郎参議院議員が亡くなられたので、それに伴う参院の長野の選挙区です。この行方も、怪しくなって来ているという話もありますね。

須田)北海道は候補者を立てませんし、長野の場合は羽田王国なのですよ。

飯田)もともと総理をやった羽田孜さんの息子さんでもある。

須田)長野は弔い合戦という色彩も強くなりますからね。ですから、この勝敗はさほど大きな影響はもたらさないのではないかなと思います。北海道の選挙区は、公明党の影響力が強いところです。自公で選挙協力をやっているのならば、なぜ立たないのかなと思ったくらいです。しかし、有権者の反発が相当強く出ていることもあり、見送るということです。そういう点で言うと、そこの補欠選挙ということよりも、内閣支持率の推移というところで、支持率が30%を割るようなことが、もし仮にあれば、一気に政局が流動化して行くのではないかと思います。そういう意味でも、今回の国会運営は大事になります。

飯田)支持率が高いうちにということで、この通常国会冒頭の解散もあるのではないかとか、4月25日の補欠選挙に合わせて、全体の選挙もやるのではないかという話まで出ていますが。

須田)通常国会冒頭というシナリオは、昨年(2020年)の臨時国会のなかで第3次補正予算を成立させて、一定程度の予算上の余裕を持った上で、通常国会冒頭で解散、ということでした。冒頭解散しても、年度内に次年度予算の成立は間に合うと、そういう針の穴に糸を通すようなスケジュール感のなかでの通常国会冒頭解散だったのです。ですから、昨年の臨時国会で補正予算が成立していないという状況で、もうこれは100%ありません。

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