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池袋暴走事故~遺族が民事訴訟「何が起こったのか」を知りたいだけ

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年1月20日 17時35分

池袋暴走事故~遺族が民事訴訟「何が起こったのか」を知りたいだけ

【池袋暴走事故実況見分】 池袋暴走事故の実況見分に立ち会う飯塚幸三元院長=13日午前、東京都豊島区

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月20日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。2019年に暴走した車により母子が死亡した事故で、妻と長女を失った遺族が東京地裁に民事訴訟を起こしたニュースについて解説した。

【池袋暴走事故実況見分】池袋暴走事故の実況見分に立ち会う飯塚幸三元院長=2019年6月13日午前、東京都豊島区 写真提供:産経新聞社

松永拓也氏が民事訴訟を起こす

2019年4月に東京・池袋で乗用車が暴走し、親子2人が死亡したほか9人が重軽傷を負った事件で、妻と長女を失った松永拓也さんら遺族が、飯塚幸三被告と損害保険会社を相手に慰謝料などの損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こしていたことがわかった。

 

松永拓也さん)私は何よりも早く、何が起きたのか、何で2人が亡くならなければいけなかったのかということを、加害者に直接真意を聞いてみたい。まだ話したことがないですから。そういった意味を含めて民事訴訟、先生の力を借りながらやって行きたいと思っています。

 

飯田)早く被告から真実を聞きたいということです。

鈴木)現在、刑事裁判が行われています。そこで何が起きたのか、何が罪に問われるのかが進められますが、いきなり被告が無罪を主張した。無罪ということは、起訴事実を全部否定して行くわけです。

飯田)自分に落ち度がないということ。

「軽い罪で終わらせない」飯塚幸三元院長の書類送検を受け記者会見する男性(中央)。東京・池袋の暴走事故で妻の松永真菜さんと長女莉子ちゃんを亡くした=2019年11月12日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ 写真提供:共同通信社

「何が起こったのか」を語ってもらうために起こした民事訴訟

鈴木)そういうことになると、遺族の気持ちからすると真実を知りたいわけです。無罪を主張しているということであれば、刑事裁判もどこで止まってしまうかわかりません。そこで、いろいろな思いがあって、もう1つ説明してもらう場として、民事訴訟を起こしたのでしょう。民事となれば損害賠償ということになりますが、民事裁判に持って行ったのは、決して慰謝料が欲しいというわけではありません。被告にそのときの真実を語って欲しいということです。自分の奥さんと娘さんが、なぜあの日、青信号で渡っていたのに死ななければならなかったのか。何があったのか。「それを語ってもらうための民事裁判」です。私たちはそう見て行かなければいけないと思います。

飯田)松永さんは、新型コロナウイルスの影響で刑事裁判も進まず、被告本人の口から何があったのかを早く聞きたかったということです。刑事裁判となると、自分の量刑と直結することもあるので口が重くなるとか、いろいろなことが考えられたのでしょう。

鈴木)実際に口が重いですよね。民事に持って行ったということは、心情として理解できます。

【池袋暴走事故実況見分】池袋暴走事故の実況見分に立ち会う飯塚幸三元院長=13日午前、東京都豊島区 撮影日:2019年06月13日 写真提供:産経新聞社

刑事裁判で事故車両の不具合を主張する飯塚被告

飯田)被告側は刑事裁判の方ですが、事故車両の不具合を主張しています。そういったものはないだろうというのが事故車両の調べでわかっています。

鈴木)私は司法キャップを3年半くらいやっていましたが、民事裁判というのはお金ではないと思います。民事裁判の場で被告が言葉を尽くし、説明をします。場合によっては和解ということもあります。和解するなら最初から訴えなければいいではないかという話になりますが、民事裁判に持って行く人たちの気持ちは「その場で話を尽くす」ということに重きがあります。そのことを飯塚被告も認識して欲しいと思います。

飯田)ご遺族が聞きたいのは真実ですよね。謝罪の言葉もないということです。

初公判を終え記者会見に応じ「犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度」について訴える遺族の松永拓也さん=2020年10月8日午後、東京・霞が関の司法クラブ 写真提供:産経新聞社

高齢者の車の運転問題にも波及した事故

鈴木)最愛の奥さんと娘さんを失った彼にとって、この事件は一生終わりません。そういう思いに飯塚被告には立っていただきたいです。この事件は高齢者の運転ということで、「運転免許証をいつ返納するべきか」というような話にも波及した、大きなきっかけにもなっています。単に「自動車の不具合があったから」という話ではないと思います。日ごろから運転に対してどうだったのか、年齢的な判断力はどうなのかということもすべて含めて、法廷の場で話を詰めるべきではないでしょうか。

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