新型コロナ治療薬の注目候補「抗寄生虫薬 イベルメクチン」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月10日 17時20分
![新型コロナ治療薬の注目候補「抗寄生虫薬 イベルメクチン」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_276144_0-small.jpg)
東京都医師会副会長で感染症を担当する「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が2月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスの治療薬について解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2021/03/10000000000000075306_20210310022020003824_P151214000129RS.jpg)
ノーベル賞授賞式を終え、北里大学特別栄誉教授の大村智博士がスウェーデンから帰国。メダルを持ち笑顔を見せる大村智博士=2015年12月13日 午後、東京都大田区 写真提供:産経新聞社
飯田)新型コロナウイルスにかかってしまった方の治療薬というものも、重要度を増しています。この1年間でいろいろな知見がたまってきたと思うのですが、いまはどういう治療薬が使われているのですか?
角田)中等症から重症になることを予防するという意味では、レムデシビル。あとは、副腎皮質ホルモンのステロイドであるデキサメタゾンを使い、ウイルスを抑えたり重症化する肺炎などの炎症を抑えたりする治療が主流です。
飯田)「これを行えばこの症状は抑えられる」というのは、お医者さんとして、ある程度見えてきたと言えますでしょうか?
角田)現場でそういったものを使い、実際に有効であるということがわかってきています。重症化する方が出るのを、少し防いでいます。
飯田)レムデシビルは、元々はエボラ出血熱の薬だったそうですが、体にどう作用するのですか?
角田)ウイルスの増殖を抑える作用があります。一方でデキサメタゾンのほうは、体の中で炎症個数が増えて肺炎を引き起こすサイトカインストームという現象を、ステロイドでしっかり抑えるという作用です。
飯田)その薬は、錠剤なのですか?
角田)レムデシビルとデキサメタゾンは注射薬で、よく聞く名前のアビガンは飲み薬です。
飯田)お薬の種類は、ほかにもあるのでしょうか?
角田)まだ認められてはいないのですが、寄生虫の薬であるイベルメクチンです。ノーベル賞を受賞された大村智さんが開発されたその薬がとても有効だというデータが、海外で出ています。感染がわかって4日以内に一度だけ飲むと、それによって、肺炎などの重症化を明らかに下げることができます。重症化率も死亡率も下げるというデータが、ブラジル南米や中近東で出ています。
この薬は、既にアフリカでは、寄生虫の患者さんに対して何億錠も投与していますから。値段が非常に安い上に、普段から使われている薬なので副反応もほとんどありません。ただ、まだコロナに対する適応が取れていないのです。ですので、なるべく早く認めてもらい緊急使用していけると、私たちにとっては、感染者に対する最初の投与で治法を持てるという形になります。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2021/03/image-1RS.jpg)
新行市佳アナウンサー、角田徹氏、飯田浩司アナウンサー
飯田)今のところ日本では承認まで至っていないというのは、どんな理由が考えられますか?
角田)やはり薬というのは、副反応などどのように作用するかがわかりませんので、厚生労働省も、いろいろな新しい薬も含めて慎重に承認する形になるのです。ですので、通常のルートですと時間掛かってしまいます。ただ、いまは緊急事態であり、既に海外のデータなどの治験がありますので、それを踏まえた上で、ぜひもう少し高い政治的レベルで認めてもらいたいと私は思っています。
飯田)日本の報道だと、コロナの患者さんは大きく増えているというイメージがあるのですが、厚生労働省の方にお話を伺うと、正規ルートで治験を行うには、症状のある患者さんがさらに多くいないとできないようですね。
角田)やはり治験というのは、投与した方たちと投与しない方たちに本当に違いがあるのかなど、そういったことを見なければいけません。ですが、既に感染している方を治療しないという選択肢はできないですよね。イベルメクチンはこれだけ安全性がある薬ですし、海外では有効性が認められているので、いまは緊急事態ということもありますから、そこは研究で認めていただき、その代わり健康観察をしっかりするという方法がいいと思います。
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