認知症の方が安心して暮らせる地域づくりを……いま社会に求められること
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月26日 11時20分
東京都医師会理事で「西田医院」理事長の西田伸一氏が3月18日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。現在行っている認知症への取り組みについて解説した。
新行市佳アナウンサー)先生は地域を巻き込んだ認知症に対するさまざまな取り組みを行っていますが、どういった取り組みがあるのか教えてください。
西田)まず基本は、一般外来のなかでも認知症診療ということですよね。一般診療科、つまり町医者は、長年通っておられる方の認知機能が少しずつ低下して行く過程に関わっています。一方で、認知症専門医の方は、認知症を発症したあとの関わりになります。ここには大きな違いがあると思っています。我々のようなかかりつけ医は、認知症診療を行うというよりも、むしろ1人の患者さんが物忘れによって気持ちや生活に変化をきたして行く、その過程に寄り添っているというスタンスになります。当然、外来で医師にできることは限られていますので、現在取り組んでいる地域に住む高齢者の方々、その集いの場を確保することなどが、合わせて重要になって来るのだと思います。
新行)お医者さんだけではなく、地域を巻き込んで取り組むことが大切なのですね。
西田)そうですね。認知症を理解することは、医療関係者やご本人、ご家族だけではなく、地域の住民全てに求められていることだと思います。最近では、がん教育やメタボ教育などは、学校も含めて広範囲の年齢に実施されるようになって来ましたが、認知症についてはまだまだ不十分です。認知症の方に対する差別をなくして、認知症はあらゆる方の人生の延長線上にあるものと考える。そこに見えて来るのは1つの個性であるということを、多くの方々に理解していただきたいです。そして必要に応じて支援し、また逆に、我々が支援される立場に立つということも重要だと思っています。
新行)現在の西田医院や(西田医院のある)調布市の、認知症への取り組みはどういったものがあるのですか?
西田)当院では、医院の隣にあった空き家を買い取って、専従の職員とボランティアの方々に全面的に運営を任せています。地域の独居高齢者に対する支援をメインとして、多世代交流にも発展させ、そのなかで認知症のある方にもご活躍いただけるような場づくりを目指しています。ですので、認知症を持った方に昔語りをしていただくといったことも組み込んでいます。
新行)これまでそういった取り組みを耳にすることがなかったのですが、先進的な取り組みなのでしょうか?
西田)いえ、そんなことはありません。私と同じ考えを持ったボランティアの方々が、あちこちで小さなサロンやカフェをつくっておられますが、個人的な活動ですので面としてはつながっていません。それは、行政がしっかりとサポートできていない部分があるのだと思います。活動自体はたくさんあるものの、皆さんご存知ないということが多いのが現状です。
新行)今後、どういった形で認知症のケアをして行きたいというような、見通しなどもありましたら教えていただけますか?
西田)認知症全般についてよく言われることですけれども、認知症についてのケアモデル、いわゆる「支える」という考え方から、コミュニティモデルへの転換が求められているのだと思います。認知症の方が安心して地域で暮らすためには、やはり社会が変わらなければいけないと思っています。そして、寂しい思いをしておられるかも知れない独り暮らしの高齢者の方々に、もっと生きがいを持って活躍していただきたいと願っています。
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