1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

コロナだけでなく、がんで命を落とさないために……いまこそ見直すべきがん予防対策

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月27日 7時20分

コロナだけでなく、がんで命を落とさないために……いまこそ見直すべきがん予防対策

国立がん研究センター東病院 =27日午後、千葉県柏市 

東京都医師会理事で「ケイアイクリニック」理事長の消化器内科医、黒瀬巌氏が2020年12月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。がんにかからないための予防策について解説した。

国立がん研究センター東病院=2011年9月27日午後、千葉県柏市 写真提供:産経新聞社

飯田浩司アナウンサー)2020年は、ある意味ずっとコロナにかかりきりになった1年間で、その影響はいろいろなところに出ています。がん検診の受診率も下がっている傾向にあるのでしょうか?

黒瀬)ご存知の通り、2020年4月に緊急事態宣言が出たため、4月~5月はほとんどがん検診に行く方がおらず、7月の段階では、前年比で約5割も受診者が減ってしまいました。少しずつ回復して来ましたけれども、やはり2019年に比べると、(2020年は)3割程度に減ってしまっています。受診率の低下は日本だけではなく、ロックダウンなどで社会を閉鎖してしまったイギリス、あるいは欧米諸国でも問題になっていて、将来がんで亡くなる方が増えるのではないかと考えられ、深刻な問題として捉えられています。

飯田)これまで毎年がん検診を受けていた方も、「コロナだから仕方ない。1年くらいは受けなくてもいいのではないか」と思っているのかも知れません。しかし、やはり体にいろいろな影響が出るのでしょうか?

黒瀬)そうですね。がんは早期発見が基本なのです。本来だったらその年に見つかっていたはずのがんが、1年後、2年後に見つかることによって、早期がんではなく進行がんになってしまう可能性があります。例えばイギリスの研究でも、がんの発見が1年遅れると、そのためにがんで亡くなる方が5%増えるという結果が出ています。例えば、日本人は毎年肺がんで7万5000人が亡くなっているのですが、そうすると肺がんだけでも3000~4000人の方が、本来なら助かるはずの命を落としてしまうことになります。肺がんだけでなくがん全体で考えると、何万人という方が、せっかくの助かる命を落としてしまうことにもなりかねません。大変深刻な問題だと思います。

新行市佳アナウンサー、黒瀬巌氏、飯田浩司アナウンサー

新行市佳アナウンサー)改めて、どのようにがんを予防するのか教えていただけますか?

黒瀬)皆さんも耳にしたことがあると思いますが、がんの予防には大きく2段階あります。1次予防と2次予防があり、1次予防はがんにかからないようにする予防です。そして、残念ながらがんにはかかってしまったけれども、早期で見つけて治療につなげ、命を落とさないようにする。あるいは生活の質を落とさずに先端的な治療を受けて行くことが、がんの2次予防になります。

1次予防に関して言うと、がんの種類やできる場所によって、予防法は若干異なります。がんになる原因として、一般的には喫煙、大量の飲酒、運動不足や肥満、塩分の多い食事や野菜不足など、生活習慣に深い関連があるもの。もう1つは、ウイルスや細菌の感染によって、慢性的に体のどこかに炎症が起きることでがんになるという、2つの原因があります。

1次予防のためには、禁煙をすること、お酒は禁酒または適度に飲むこと、運動習慣やメタボの予防をすること、食生活の適正化をすることなど、いわゆる生活習慣を改善することが必要です。また、慢性的な炎症の原因があるような方は、炎症を鎮める、あるいは治すための治療を受けていただくことが、がんの1次予防になります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください