日韓局長級協議の背景にある「中国に対するアメリカの焦り」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月2日 11時30分
4日、米大統領選で優勢となり、デラウェア州で演説する民主党のバイデン前副大統領(ロイター=共同)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月2日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。4月1日に行われた日韓局長級協議について解説した。
日韓局長級協議~議論は平行線に
外務省の船越健裕アジア太平洋州局長と韓国外務省の李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長は4月1日、都内で会談し、慰安婦問題やいわゆる徴用工問題について協議した。日本側は問題解決のための具体策を求めたが、韓国側は従来の主張を繰り返し、平行線に終わった。対面での局長級協議は2020年10月29日以来、およそ5ヵ月ぶりになる。
飯田)日本側としては、「ボールはすでに韓国側にあるではないか」というところですが。
バイデン政権から韓国問題を早急に解決して中国に向き合うよう迫られる日本
青山)韓国は相当追い込まれています。トランプ政権のときから、アメリカは韓国に厳しくなっています。特に、文在寅大統領ご本人に対しては厳しかった。バイデン政権に変わって韓国、文在寅大統領は柔らかくなると期待をしたら、逆なのです。ただし、バイデン政権は日本にも、朝鮮半島は北朝鮮だけではなくて、韓国も中国側に取り込まれているというような現状だと。「中国に対してどう向き合うか」というのが日米共同の課題であるから、「早く韓国問題を解決しなければいけない」と迫って来ています。それで今回のような日韓局長級協議を、目に見える形でやっているのです。
一方では日米韓による安全保障分野での協議も
青山)もう1つ目に見えない部分、「安全保障の分野」でやっているのです。それは日米韓です。それは、まさしく始まったばかりです。
飯田)この週末に向けて、日本からは北村国家安全保障局長が行き、韓国からも国家情報院のトップが行ってやるという話がチラッと記事に出ていました。
青山)全部伏せるのかと思ったら、チラッと出したのです。
飯田)ベタ記事(重要性の低い記事)のように出ていました。
青山)これは、ベタ記事とは真逆です。アメリカからはサリバン大統領補佐官が出席します。このサリバンさんの評価が非常に高いのです。まだ政権が発足して2ヵ月余りですけれども、ブリンケン国務長官も落ち着いた取り組みで評価はあるのですが、それを支えるサリバンさんの評価が高く、日本の北村滋安保局長ともすでに信頼関係にあります。その絆があるので、そこに韓国を入れて、「(韓国に)安全保障から考えたら中国側ではなく、日米側に来るべきだ」ということをやるわけです。しかし、文在寅大統領自身が動かないとどうにもならないですし、文在寅大統領は韓国特有の現象がもう起きています。要するに、1期5年しかできない。5年が終わると死刑判決や自決に追い込まれたりすることもある。いま韓国の2人の元大統領が牢屋にいらっしゃるのです。無茶苦茶ですよね。
日韓問題を早く収束させて安全保障問題に取り組みたいアメリカ
青山)文在寅さんも検事総長と大喧嘩になって、検事総長が辞めて次の大統領候補になろうとしています。文在寅さんは「それどころではない」という話なのです。
飯田)でしょうね。
青山)アメリカはバイデン政権、トランプ政権ということではなく、米軍そのものがこういう韓国の実態には頭を抱えている。ですので、日本のプッシュを得て、韓国をもう少し正常な自由主義陣営の国として機能するようにしようとしているのです。
飯田)なるほど。
青山)日本はどちらかと言うと、冒頭で飯田さんが言ったように、ボールは韓国にあって、国際合意に反するでたらめなことが司法の間で行われている。日本は韓国が是正しない限りはお付き合いできないというのは、安倍政権から菅政権になっても一貫してあるのですけれど、それよりも安全保障の問題が大きいというのがアメリカの立場なのです。
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