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日本が米中争いの「傍観者」ではいられない現状

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月20日 17時40分

日本が米中争いの「傍観者」ではいられない現状

 バイデン次期米大統領(ゲッティ=共同)、中国の習近平国家主席

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月20日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。中国国営の中央テレビが映像を公開した南シナ海での中国人民解放軍の射撃訓練について解説した。

バイデン次期米大統領(ゲッティ=共同)、中国の習近平国家主席=2020年12月2日 写真提供:共同通信社

中国軍の射撃訓練~日米首脳会談に反応してのことか

中国国営の中央テレビは4月18日、SNSに中国人民解放軍の南シナ海での掃海艇部隊による実践的な射撃訓練の様子を公開した。

飯田)4月15日から20日まで、台湾海峡南側の南シナ海で、実弾の射撃訓練が行われるため、船舶の航行を禁止すると警告を出していまして、訓練はこの期間に行われたものと見られております。日米首脳会談に対して激烈に反応している中国ですが、台湾へのプレッシャーという部分も当然ありますね。

高橋)そうですね。台湾は中国の一部だというのが中国の主張でしょうからね。「内政干渉」という言い方があるのでしょうけれど、世界的に言うとそれは少し違います。武力で制圧せんばかりという、そんな感じです。先日の日米首脳会談では、台湾の話が出て来ましたが、中国の核心的利益をすべて否定しているので、痛快と言えば痛快ですけれどね。ウイグルの話も書いてあるし、南シナ海の話も書いてあるし、香港の話も書いてあるし、当然台湾の話と尖閣の話も書いてある。中国の核心的利益を全部否定したという意味です。

飯田)そうですね。

高橋)習近平氏で言えば、「一丁目一番地」の政策が否定されたような感じがするのでしょう。あの政策を許していたら、世界が滅んでしまうというレベルですからね。これに中国が反応したということは、日米首脳会談が成功したという証にもなるわけです。

米中の戦争に「巻き込まれる」のではなく、「やって来る」というのが現実

飯田)日本国内の報道のなかでは、「アメリカの戦争に巻き込まれる」というようなことが言われてもいますが。

高橋)いわゆる巻き込まれ論ですね。でも、何もしなくても向こうが仕掛けて来るというレベルです。台湾と尖閣の話を言っているということは、「やって来る」という意味です。「やって来る」と言っているときに何もしなかったら、本当にやられますよ。巻き込まれるのではなくて、「やって来る」と言っている人がいるというのが現実です。

飯田)やって来る。

高橋)例えば、あるところに行って「おまえをボコボコにしてやるぞ」と言われたときに、どのように対応するのかということです。そこで「ボコボコにしてください」と言うのか、それともクラスのなかでもっと強いやつと組むのかという、そういう話ですよ。自分が強くなればいいのですけれどね。自分が強くなれなかったら、クラスのなかで最も強いやつと組むというのがボコボコにされない、いい工作ですよ。

2021年4月16日、日米共同記者会見~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202104/16usa.html)

日本は中国からどう身を守るのか

飯田)いままでもそしてこれからも、最も強いやつ、つまりアメリカと緊密に連携を取りながらやって行くというのが当然ですが、アメリカからの要求としても、また日本国内からも声が上がらなければいけないと思います。きちんと用意しないといけませんね。

高橋)本来は日米首脳会談にも書いてあるのですけれど、「日本の防衛力を増やします。自分が強くなります」と。「でも、万が一のことがあったときには一緒にやりましょう」という話です。だから、そばにナイフを持っている暴力的な人がいると考えたらいいのではないでしょうか。そのときにどうやって身を守るかという話です。

尖閣を獲りに来ている中国に対して日本は傍観者ではいられない

飯田)「米中の間で日本は中立であるべきだ」というような主張もありますが、もはやそういうフェーズは超えて来てしまっていると思った方がいいですか?

高橋)米中がやっているわけではなく、「そばに刃物を持っている人がいたときに、どうするか」という話です。米中がやっているのであれば、傍観するということもあるかも知れませんが、いまはとりあえず米中がやっていなくて、中国の核心的利益として日本に関係があるのは尖閣です。中国はそれを獲ると言っているのです。それが現状ですよ。だから傍観ではいられないのです。

飯田)当事者ですからね。

高橋)傍観者でいたいと言うのであれば、中国に行って「核心的利益を取り下げろ」と言わなければならないでしょう。

飯田)「取り下げろ」と言って取り下げるような国であるかというところですね。

高橋)取り下げるわけがないでしょう。

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