橋下徹「国民に義務を課した感染対策をしなかった怠慢のつけ」緊急事態宣言“再々発出”要請で直言
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月22日 11時35分
元・大阪市長の橋下徹氏が4月21日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に生出演。大阪府の緊急事態宣言の発出の政府への要請を受けて、政府・行政のこれまでの対策の不備を指弾した。
この1年間「お願い」ばかりだった日本の政治・行政
大阪府は4月20日、緊急事態宣言の発出を正式に政府に要請した。大阪府の吉村知事は、宣言の期間については3週間から1ヵ月が適切との認識を示している。
吉田尚記アナウンサー)今回の緊急事態宣言についての橋下さんのご意見は。
橋下)まず、指標に照らせばステージ4段階だから、緊急事態宣言状況なのです。それから、指標に照らせば緊急事態宣言の状況、それから、大阪府の専門家会議でも、「これは緊急事態宣言を要請するべきだ」というオープンな議論のなかでそう決まったので、プロセスとしては問題ないと思うのですが、私は、ここは吉村さんとは意見が違うというか、あえて言わせてもらうと、この1年間、これは吉村さんだけではなく、日本の政治行政は何をやっていたのだと。ずっとお願いばかりで、本来やらなければいけないのは、感染対策を確実に守らせる。義務化をしてでも、確実に守らせるようなことを本当はこの半年か、そのくらいかけてやらなければいけなかったのです。
というのは、私が出演した朝のテレビ番組(フジテレビ系『めざまし8』)なのですが、歌舞伎界の感染対策の特集というのがあったのです。市川右近さんがレポーター役だったのだけれど、ものすごく神経を張り巡らせた感染対策をやっているのですよ。入場者数もものすごく制限をかけて、経営に影響があるような状況でも入場者数に制限をかけて、感染対策をやって、いまのところ、クラスターの発生の報告がないのですよ。こういうところまで、全部止めなきゃいけないのかと。ディズニーランドだって、すごくキャパシティをコントロールをして、入場制限をやっている。
感染対策を真面目にやってきたところも一斉に休業させるのは筋が違う
橋下)もともと、新型コロナって感染はどうやって起こるのかというと、これは専門家会議がみんな言っているところですが、飛沫感染なのでしょう。そこを防ぐというのが本来のあり方じゃないですか。これを、本当は半年間くらいかけて、昨年の夏くらいから、ずっとこれを徹底的やって、なんとか感染対策を徹底させて、「それをやっているお店は営業をさせますよ」と。「それができていないお店は営業を閉めてください」というのが本来の筋じゃないですかね。でないと、一斉に何でもかんでも止めるということになると、感染対策を真面目にやっているところも、いなくなってしまいますよ。
私が、吉村さんのいまの立場で、小池さんの立場もそうだけれども、いまのこの状況のなかで一斉に社会経済活動を止めたい。「みんな全部止めたい」という気持ちはすごくわかります。だって、本当に病床使用率が危ない状況だから。医療が逼迫している状況だから「全部止めたい」という気持ちはわかるのだけれど、小池さんや吉村さんだけの責任ではなくて、日本の政治行政全体の問題なのだけれども、結局何が足りなかったかと言ったら、法律の根拠に基づいて国民にきちんと義務を課して、感染対策というものをきちんとやってこなかったという怠慢のつけが出てきてしまったな、というのが残念です。
国民に義務を課した感染対策をやってこなかった怠慢のつけ
吉田)ということは、ルールで飛沫感染を法律の条文でどう表現するのかはあると思うのですが、いまの段階だと、法律とか条例で飛沫感染はこういうふうにやるよ、という物理的な、というか医学的なルールをはっきり決めるべきだと。
橋下)例えば、アルコールが入ったときに酔っ払って大騒ぎしちゃって、大きな声で感染したという事例がものすごく多くて、これがいちばん急所で、抑えなければいけないというのは昨年から言われていていたわけです。何が言われていたかというと、マスクをつけて、マスク会食をやりましょうと。これを言ったときにテレビのコメンテーターとか、馬鹿にしていた人がいっぱいいました。こんなので本当に飯が食えるのかということを言っていた人がいる。たしかに、マスク会食って面倒臭いし、「本当に効果がどうなのか」という疑問点があるかどうかもわからないけれど、専門家が言うには、「効果もある」と言うのです。一斉にいっぺん、やってみる。そういうプロセスも必要だったのではないですか。いま、義務も罰則もないわけですよ。これくらい、マスクをつけて飯を食えというところに罰則をつけて徹底的に義務化するということを、昨年のときに1つその段階を踏んで置いてもよかったのではないでしょうか。
吉田)いまからコロナ対策特区みたいなものをつくってはいけないのですか。
橋下)感染が急拡大しているから、いまは、それは間に合わないのです。これは、本当は昨年のときにそういうことをやっておくべきだったと思いますよ。
吉田)その先、まだコロナ禍は続くかもしれませんよね。
橋下)だから、今回は一斉に止めるにしても、もう1度立ち返って、飛沫感染が問題なら、これを徹底的に止めるような、ある意味義務。国民の自由を制限してでも、飛沫感染を防ぐような義務を国民や、それからお店の方に課す。「国民の自由を制限するのはよくない」というような、また批判が出るから、政治家が及び腰になってしまうのですよね。
吉田)でも、及び腰になっても言うこと言わないと政治じゃないのではないですか。
橋下)いや、その通り。
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