里崎智也~日米でのFA権の違いは何か
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月28日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に元プロ野球選手・野球解説者の里崎智也が出演。日米のFA権の違いについて語った。
黒木)今週のゲストは元プロ野球選手・野球解説者の里崎智也さんです。セカンドキャリアのことは、引退を決められたときは考えていらっしゃったのですか?
里崎)考えていました。「引退後、80歳まで仕事をしなくても生きて行けるくらいの資産を築くこと」が現役時代の目標でした。それを最低限確保できたので、引退後、どんな生活が待っているのか楽しみでしかなかったです。
黒木)それ、読みました。現役中は貯蓄に励まれたと。野球選手というと、ブランド物を持って、とてもおしゃれで、というイメージがありますが。
里崎)いまもそうではないですか。「使わないと稼げないよ」くらいの雰囲気ですね。「そんなに貯めてちゃあ、ダメダメ」みたいな。
黒木)里崎さんのころも派手な方は多かったのですか?
里崎)たぶん、私だけではないですか。せっせと貯蓄していたのは。
黒木)死ぬまで大丈夫というくらい貯蓄をしておいたということですが。
里崎)そうしたら、セカンドキャリアは関係ないので。
黒木)それは、何からそう学んだのですか?
里崎)お願いしている税理士の先生が、「プロ野球で頑張っても、第2の人生の方が長いので、これくらいは貯蓄して資産を築けば、死ぬまで仕事をしなくてもいいから。里崎さんの生活スタイルなら目指せるので、これを目指しましょう」と言われて、「いいですね」と言いました。だから、税理士の先生のおかげというのもあります。
黒木)そうなのですか。野球選手に、みんなに聞かせてあげたいですよね。
里崎)本当に聞かせてあげたいです。
黒木)メジャーリーグと日本のプロ野球では、システムが違うという話を聞いたのですが、日本はいまのままでいいのですか?
里崎)日本のFAの方が選手は守られるのです。もちろん、「FAします」と言わないとFAできないので、限られた人しかFAを使えないというのが日本のルールです。メジャーリーグでFA権を取得した場合、全員がFA権になります。全員がFA権になるので、移籍が活性化されるのがメジャーリーグです。日本は移籍が活性化されないのですが、メジャーリーグのように自動的に全員FAになってしまうと、フリーになるので、契約先が見つからない場合は引退になってしまうのです。FAできるか微妙な人が手を上げにくいという、閉鎖的な部分もあるのですが、どちらを取りますか、ということです。
黒木)日本の選手の人たちはみんなそのように感じているのですか?
里崎)ここまで理解しているかどうかはわかりませんが、誰でも彼でもFAできないというのは、日本のルールのなかにはあります。成績を出していないと出しづらいので。
黒木)実力の世界ですからね。里崎さんがもし、現役のときに選ぶとしたらどちらを取りましたか?
里崎)FA権を取ったときに、FAをする気はまったくありませんでした。千葉ロッテマリーンズというところにいましたが、ロッテは弱かったのです。万年Bクラスで弱かったところを、2度の日本一にすることができて、「強いマリーンズ」にすることができた。みんなの力を合わせてそこまでのチームにしたという自負があるので、たくさんお金をもらって強いチームに移籍して優勝したときに、「泣けるか」と言われたら、私は泣けないと思ったのです。それであれば、自分が思っているお給料をもらっているし、「どちらで野球をしたほうが楽しいのか」と言われたら、言い方は悪いですけれど、弱いロッテで野球をしたほうが、圧倒的に楽しい。自分の人生は豊かだし、勝ったときに泣けると思ったので、ロッテを選ぶことにしたのです。そこは人によって違いますし、何が正解かはわかりませんが、私にとっては、FAはあってもなくてもよかったルールにはなってしまいました。
里崎智也(さとざき・ともや)/元プロ野球選手・野球解説者
■1976年5月20日生まれ。徳島県鳴門市出身。
■小学2年生で野球を始め、鳴門市第一中学校では軟式野球部に所属。高校は鳴門工業高校。3年時にはキャプテンを務めるも甲子園出場経験はなし。
■帝京大学へと進学し、4年生で正捕手となり活躍。
■1998年のドラフト会議で、2位指名で千葉ロッテマリーンズに入団。背番号22。
■2年目の2000年に1軍出場を果たし、2003年からは本格的に正捕手として活躍。
■2005年には千葉ロッテの日本一に貢献。2006年には日本代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝に貢献(監督は王貞治監督)。また2008年の北京オリンピックにも日本代表として出場した。
■千葉ロッテの中心選手として活躍し、2010年にもリーグ3位からの日本一に貢献。
■2014年の現役引退後は、千葉ロッテのスペシャルアドバイザーに就任。また解説者としてさまざまなメディアに登場し、冷静な分析と軽快なトークで大人気。2019年3月には自身のYouTubeチャンネル「Satozaki Channel」を開設。YouTuberとして活躍され、現在の登録者数は42.7万人。元プロ野球選手のなかでもトップの人気を誇っている。
■現在はフジ『野球道』、ニッポン放送『ショウアップナイター』など解説者として活動。
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