辛坊治郎「生きるか死ぬか、毎日考える」 日付変更線を越え目前に心境を告白
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月7日 23時7分
ヨット太平洋単独無寄港横断に出航したキャスターの辛坊治郎が5月6日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」にヨット太平洋単独無寄港横断中の船上から電話出演。日付変更線越えを目前に控えた心境を語った。
ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」では、番組パーソナリティの辛坊治郎がヨット太平洋単独無寄港横断に挑戦している間、“スペシャルパーソナリティ”たちが“留守番”をしているが、番組では「生存確認テレフォン」と題して、辛坊に持たせた衛星携帯電話へ毎回必ずかけることとなっている。
辛坊は4月9日午前9時17分に大阪府岬町の淡輪ヨットハーバーからKaorinV(カオリンファイブ)号で出港したが、5月6日、まもなく日付変更線を越えるという辛坊へ、この日スペシャルパーソナリティを務める飯田浩司アナウンサーとアシスタントの増山さやかアナウンサーは電話を掛けた。
「昨日今日、結構順風なんで、このままだとおそらく日付変更線越えられるのは明日(日本時間7日)の夜か明後日(同8日)の朝だと思う」
さっそく日付変更線越えの見込みを報告する辛坊。
「本当は、晴れている昼間に日付変更線越えてシャンパンでも抜こうかと思ったんだけど、どうも可能性一番高いのは、明日の夜かな。明日全然風が吹かなければ明後日なんだけど。夜じゃあシャンパン抜いても恰好つかないよなあ(笑)」
その口ぶりから、穏やかな航海をできているように聞こえるが、そうは問屋が卸さないようだ。
「全然落ち着いてないよ。今日なんか、もうずっと35ノットとか(風が)吹き続けてるからさ。晴れてはいるんだけどさ、陸上だと台風の時くらいしか吹かないような風がずーっと吹いてる感じ。だから波もずーっと4~5m、継続してあるしね」
そして手元の航跡記録を見ながら「だいぶ南下しましたね」と飯田アナが問いかけると、そこには興味深い“理由”が。
「やっぱりね、北緯37度を超えるとね、寒いのよ。猛烈寒いのよ。最終的には北緯40度ぐらいまで上がらないと(ゴールに)着かないんだけど、とりあえず日付変更線を越えるぐらいまでは35度ぐらいまで下がったほうがあったかいんで、とにかく南に行こうという判断ですね」
すると、さらに重要な話が。
「でも実は、日付変更線より重要なことが昨日あってね、東経175度超えたんですけど、これ重要で。日付変更線を越えるのは精神的な意味しかないんだけど、実は東経175度というのは、北太平洋では海難救助において日本がやるかアメリカにやるかの境界線になっているの」
なるほど!と大きくうなずくスタジオの2人。
「だから、実は今ここで俺がSOS打つと、アメリカのコーストガードが助けにくるというのが、日米間の取り決めになっているのよ」
さらには、国際情勢の“解説”にまで波及した。
「これはまじめな話だけどさ、中国が、太平洋の東はアメリカ、西は中国のものにしようみたいな話が一時期あったじゃない。現状、北太平洋というのは東経175度を境に東はアメリカ、西は日本というのが基本的な管轄になっているんだよね。中国はそれが念頭にあるよね、きっと」
こういったことを実感しながら、175度を超えたという辛坊。
「とりあえず祈っててください、無事を。みなさんの祈りしかないですね、おすがりするのは。もう本当に、毎日ね、生きるか死ぬかとか、『ここで寝たら、次、目がさめるかしら?』とかとかね、ずっと考えちゃうよね、これ」
しみじみとこのように語る辛坊へ、「辛坊さん、本当に仙人にでも何にでもなってもいいから、無事に帰ってきてくださいね!」と増山アナがエールを送ると、
「ありがとうございます!!」
と力強く答えた辛坊は、日付変更線、そしてアメリカ大陸へ向けて、引き続き航海を続けた。
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