外国人の子どもにがんを教えるために必要な配慮……小中高で行うがん教育
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月20日 11時20分
東京都医師会理事で「名和医院」院長の内科医・弘瀨知江子氏が5月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小学校、中学校、高校で行われているがん教育について、抱えている課題や必要な配慮などを解説した。
飯田浩司アナウンサー)先生は学校で、かなり具体的にがんについて教えていらっしゃるそうですが、一方で去年(2020年)の春先から、コロナ禍の関係で授業どころか、しばらく休校していたということもありました。がん教育の部分でも、いろいろと影響が出ていますか?
弘瀨)やはり時間数が少なくなってしまったために、削らなくてはならないところもあるようですが、幸い私どもの学校に関しては、今年(2021年)も同じように教育をさせていただくことになっております。
飯田)がん教育が必修になってから、まだ日が浅いという部分もあります。いろいろな課題が出て来ると思いますけれども、何か気づく点はありましたか?
弘瀨)小学校の場合には、だいたい学校医が中心になって教えるのですが、学校医の方が準備できず、担任の先生が教えているところもあります。中学校や高校になると、外部講師やがん専門の先生、あるいはがん経験者をお呼びしてやってもらうことも考えています。しかし、時間が減ってしまっているので、なかなかそういう方たちをお呼びできないところがあるようです。
飯田)なるほど。他に、がん教育に必要な配慮はありますか?
弘瀨)がんそのものについては、生活習慣病と深い関わりがありますので、生活習慣が大事です。いま日本の学校には、外国の方たちも多く入られているので、そういう方々との生活習慣の違いについては難しいですね。
飯田)さまざまな地域からいらっしゃって、日本の学校に入って来るお子さんたちも大勢います。生活習慣としては、食の部分の違いなどもありますか?
弘瀨)そうですね。肉が食べられないといったことや、甲殻類など、もちろんアレルギーもありますけれども、宗教的に食べられないという理由もあります。事前に管理栄養士と相談して、「この子にはこういう食材で」というようにつくっております。
飯田)確かに給食1つとっても、気を遣うところが多いというお話を聞きます。がん教育では生活習慣の話をすることになりますが、例に出す献立などにも気を遣いますか?
弘瀨)「これであれば大丈夫だろう」というものを、事前にチョイスして出しています。
飯田)場合によっては、管理栄養士さんとも相談しなければいけないのですね。やはり世の中が進んで来ると、いろいろと気を遣わなければならないことが増えますね。
弘瀨)そうですね。
飯田)がん教育のカリキュラムというか、スライドづくりなども大変ですよね。いまは弘瀨先生を中心につくっていらっしゃるのですか?
弘瀨)がんのスライドは、もちろん私たちもつくっておりますけれども、生活習慣病医院のほうでもつくっています。
飯田)それもまた、世の中の変化に応じてアップデートして行くのでしょうね。
弘瀨)そうですね。
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