「中国公船の侵入とは別次元の結構“怖い”状況」 中国による尖閣諸島の地形図作成の意味を竹田恒泰が解説
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月16日 21時10分
写真説明 2021年3月7日 cns2021-03-07-02 習主席、政協会議の医薬衛生・教育両界委員を慰労 習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は6日、中国人民政治協商会議(政協)第13期全国委員会第4回会議に出席している医薬品・医療衛生界、教育界の委員を訪ねて意見や提案を聞いた。〔新華社=中国通信〕
作家で政治評論家の竹田恒泰氏が4月27日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。尖閣諸島の地形図や調査報告書を中国政府が公表した状況について、その危機感を解説した。
世界の常識として、地図作製は軍事的活動である
外務省は4月27日、中国政府が公表した尖閣諸島の地形図や調査報告書をめぐり、中国の領有権があるとの主張が前提になっているとして、外交ルートを通じて抗議した。
竹田)中国の尖閣に対しての動きは、公船を日本のまわりにはべるような形で滞在させたり、いろいろとありますけれども、地図をつくるというのはどういうことか。地図くらいつくったっていいんじゃないの?と思う人も居るかもしれませんが、これけっこう重大なことでして。
日本だと地図は国土地理院がつくっていますからちょっとピンとこないかもしれませんが、もともと世界の常識では地図は軍の機関がつくるんですね。中国も当然、軍の機関が地図をつくっているわけでして、ですから自分の領域の詳細な地図をつくるというのは軍事的な活動なんですね。
増山さやかアナウンサー)なるほど。
竹田)だから中国政府がこうやって尖閣の地図をつくったというのは、軍事的な活動を通じて、いよいよ実効支配を主張する足場固めをしているということなので、公船が近づいているというレベルとはちょっと次元の違う、けっこう怖いニュースだなと思っています。
森田耕次解説委員)人工衛星でデータを集めてこの地形図などをつくったということですもんね。
尖閣諸島を実効支配しているのは中国だと、いよいよ言い始める段階
竹田)日本人はピンときていないんですけれども、世界の人は、軍の活動をした上で地図をつくっていると当然見ています。アメリカでもヨーロッパでもどこでもそうですので。
正確な地図をつくる技術があるかどうかって、軍にとって結構大切なことなんですね。自分たちの領域は当然ですけれども、占領地の地図をいかに早く正確につくれるか、これも軍の力の見せどころといえます。なので、あらゆる方向で、尖閣諸島をもはや実効支配しているのは中国だと言い始める、そういう段階に近づいてきているなという気がします。
森田)日本政府も尖閣諸島のアホウドリの生態調査なんかは行ってはいるんですけどね。
竹田)生態調査も上陸して調査するのであれば、相当踏み込んだ行動なんですけれども、これも衛星写真で見て数えるとかいうレベルなので、ちょっとそれを聞いたときにずっこけてしまったんですが。
民主党政権のときでしたけれども、漁船の衝突の事故がかつてありました(2010年9月の、中華人民共和国船籍の漁船と日本国船籍の巡視船の衝突)。あのときは完全に日本が実効支配していましたので、中国の公船が多少近づいても、日本の実効支配は揺らがない、それだけ強いものがあったんです。けれども最近は、常に中国の公船が常駐するような状況になってきていますので、いよいよ、実効支配はもはや中国にありということを言い出しかねない、そんなところに近づいている気がしますね。
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