ロシアと握って中国に集中したいアメリカ~米ブリンケン国務長官と露ラブロフ外相が会談
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月23日 11時40分
14日、江蘇省南京市で開かれた長江経済ベルトの全面的発展推進座談会で演説する習近平氏。習近平(しゅう・きんぺい)中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は14日、江蘇省南京市で長江経済ベルトの全面的発展推進座談会を主宰し、重要演説を行った。(南京=新華社記者/鞠鵬)=2020(令和2)年11月14日、クレジット:新華社/共同通信イメージズ
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月21日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。アイスランドのレイキャビクで行われた米ブリンケン国務長官と露ラブロフ外相の会談について解説した。
アメリカとロシアの外相がバイデン政権発足後、初の対面での会談
アメリカのブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相は5月19日、アイスランドの首都レイキャビクで会談した。バイデン政権発足後、対面で米露外相が会談したのは初めてである。両外相は米露間に相違があることを認めつつ、協調分野を模索。冷戦後、最低水準と言われる米露関係の改善を目指す首脳会談の実現が今後の焦点とみられている。
飯田)協調分野、コロナ対策等を冒頭発言で挙げています。
ロシアと握って中国に集中したいアメリカ
宮家)アメリカの外交政策の重点が欧州や中東からインド太平洋へ移りつつあり、その先には中国が念頭にあるわけです。こうして国際情勢が動いて行くなかで、本来アメリカは戦略的に考えれば、ロシアと何らかの形で握っていたい。少なくとも二正面作戦だけは嫌ですから、中国に対して、エネルギーをより集中したいと、私がもし戦略家であれば考えます。
飯田)中国に集中したい。
宮家)ところが実態としてはそうなっていません。ロシアはロシアでまったく違う発想で、ヨーロッパはソ連が崩壊したらロシアに優しくなるかと思ったら、逆にNATO加盟国が広がってしまった。「自分たちは騙されたのではないか」とロシアは思っている。その上で、我々からすればとんでもない話なのだけれど、クリミアに少し手を出しただけで、あんなに経済制裁されてしまった、ロシアはそう思っています。
アメリカ側からロシアとの関係改善をしなくてはならない~経済制裁を解除させたいロシア
飯田)ロシアにしてみれば。
宮家)「経済制裁をどうやって解除させるか」というのが、今プーチンさんの頭のなかにあることだと思います。ロシアはアメリカに対して「やられた」と思っていますから、アメリカの大統領選挙にも手を出したという説があるくらいで、アメリカに対しいろいろな手を打つわけです。そうなると、現実としては、アメリカが「ロシアとの関係改善をしなくてはいけない」ということはわかっているけれども、なかなかその糸口が見えないという状況になったということです。
飯田)なるほど。
宮家)よきにつけ悪きにつけ、トランプさんの時代には、ロシアとの関係は不透明な部分が多くてよくわからなかったのですが、今回バイデンさんになって、よりまともな外交チームができている。すぐに両国の関係が改善するとは思いませんし、すぐに首脳会談が開かれるわけでもなさそうですけれども、方向としてはそういう方向に行くのではないでしょうか。米露関係はすぐに解決ではないけれども、小康状態を維持することを念頭に置いて話し合っているのではないかという印象を持ちました。
G7での米露首脳会談は難しい
飯田)G7の首脳会議が6月にイギリスで行われますが、その辺りの日程に合わせる形で、プーチンさんとも会うのではないかと言われていますけれども。
宮家)どうですかね。やはりG7では、ヨーロッパとの結束をまず考えなくてはいけない。例えば「ノルドストリーム2」というパイプラインの問題もありますし、ヨーロッパ方面はヨーロッパ方面でアメリカとしても解決すべきことがあるので、すぐにロシアと首脳会談をするわけではないかも知れません。サミットでの首脳会談というのであれば、日米韓の方が大事だと私は思います。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
米英ウクライナ、ロシア領への長距離兵器の使用制限解除めぐり協議か
日テレNEWS NNN / 2024年9月12日 5時25分
-
イランがロシアへミサイル供与 米国務長官、両国に追加制裁を発表
日テレNEWS NNN / 2024年9月11日 8時39分
-
米英外相、11日にキーウ訪問 ロシア領への兵器使用巡り協議
共同通信 / 2024年9月11日 5時12分
-
米中間に大きな進展はないものの、懸念の共有と協力継続を目指す、ジェトロの米中月例レポート(2024年7月)(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月30日 9時50分
-
一時は「どん底の危険」水域まで悪化した米中関係、トランプ氏返り咲きならどうなる? ハリス氏の外交手腕は未知数、各国が注目する大統領選の行方
47NEWS / 2024年8月20日 10時0分
ランキング
-
1元妻は「検索履歴が残らない設定に」 “紀州のドン・ファン”殺害事件 スマホ分析の警察官が法廷で証言
ABCニュース / 2024年9月17日 17時33分
-
2アイフォーン買い占め巡りチャイニーズドラゴン同士が怒号、店の業務妨害 容疑で7人逮捕
産経ニュース / 2024年9月17日 18時53分
-
3《“密告”で正社員から降格させられることも…》東京中央美容外科(TCB)現役看護師たちが記者に告発した“ギスギスした雰囲気”「気に入らない同僚はチクり放題で…」
文春オンライン / 2024年9月17日 16時0分
-
4日本だけがハンドドライヤーを禁止に メーカー社長、国に怒り
毎日新聞 / 2024年9月17日 11時0分
-
5仙台市のアパートで「刺された」と110番、駆けつけると腹部から血を流す女性…何者かが刺して逃走か
読売新聞 / 2024年9月17日 15時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください