辛坊治郎「刑務所の独房にいるようなもんだね」 半径数千キロ誰もいない“孤独の航海”の心境を太平洋上で語る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月21日 21時7分
ヨット太平洋単独無寄港横断に出航したキャスターの辛坊治郎が5月20日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」にヨット太平洋単独無寄港横断中の船上から電話出演。孤独な航海の“心境”を明かした。
ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」では、番組パーソナリティの辛坊治郎がヨット太平洋単独無寄港横断に挑戦している間、“スペシャルパーソナリティ”たちが“留守番”をしているが、番組では「生存確認テレフォン」と題して、辛坊に持たせた衛星携帯電話へ毎回必ずかけることとなっている。
辛坊は4月9日午前9時17分に大阪府岬町の淡輪ヨットハーバーからKaorinV(カオリンファイブ)号で出港したが、5月20日、日付変更線を越え、東北地方・三陸沖から東へおよそ5000キロ離れた太平洋上にいるという辛坊へ、この日スペシャルパーソナリティを務める飯田浩司アナウンサーとアシスタントの増山さやかアナウンサーは電話を掛け、話し始めた。
「今日は一日曇ってたんですけどね、そこそこ風があったんで、気持ちよく北のほうに、だいぶね、緯度上げてきてるんですよ。緯度を上げて、だいたい北緯40度くらいで東へ向かっていくと、そのうちカリフォルニア沖に大きな高気圧がいつもあるんですけど、その周りに入れれば、あとはもうその高気圧に沿ってずーっと回っていけば着く、っていうような予定なんだけど、予定だからなあ。あとは天気次第だな」
今後の見込みも含め詳細に説明した辛坊。そこで、「もうすでに、半分を越えて、全行程の6割に至らんという……」と飯田アナが問いかけると……
「いやいやいやいやいやいやいや、本来は、オレの予定では5月の末くらいには着くつもりだったんだけどさ、少なくとも2週間は遅れてるね」
このように、想定よりかなり遅れていることを明かした。そして、
「でもまあ、ちょっとずつでもね、進めばそのうち着くからさ」
と、悟ったような口ぶりで言ったかと思うと、
「もうそう思うしかないよね。ガッキーも結婚……」
と、一転、“悟り”とはだいぶ違うつぶやき。
そこへすかさず「もう、船内の生活も慣れました?」と、増山アナが問うと、
「船内の生活ね……言ってしまえば、刑務所の独房にいるようなもんだね」
と強烈なことを言い出す辛坊。苦笑いするスタジオの2人は思わず「なんか楽しみは無いんですか?」と返すしかない。
「やっぱり、夜は晴れてれば満天の星だし、昼間はクジラとかイルカとか時々出てくるし、鳥が飛んでるしね」
なるほど、キラキラした世界が頭に浮かんでくる。
「やっぱり、半径1000キロ、人間が誰もいないなんていう経験は、人生の中でないだろう? 半径数千キロの中でたぶん俺ひとりしかいないんじゃないか? だってこの2週間ぐらい、船の一艘も見ないもの」
そう言われると、この航海の広大さがジーンと染みる。
そこで、「動物たちに語りかけたりとかもするんですか?」と、ファンタジーのような質問を増山アナが投げかけたが、答えは意外な方向へ……
「動物に語りかけなくてもね、船内の“きしみ”がね……出航時は日本語で語りかけてきてたんだけど、最近ね、“Good Job!”グッジョブとか英語で語りかけてくるんだよね」
最近“きしみ”に語りかけられるようになったと告白していたが早くも英語バージョンになったということで、大爆笑の2人。
しかし辛坊はいたって真剣。ついにはこんな“ことば”まで……
「天気悪いとね、やっぱりちょっと精神的に落ち込んだりもするんだけどね。でもまあ、自分がこれまで重ねてきたいろんな罪に対してはね、自分で罰を、みたいなところがあって、それはそれでいいかなみたいな。それで禊を済ませて、俺はね、日本に帰ると“新生・わたくし”がスタートしますから」
解脱のような宣言を聞き、現実へ戻すべく?飯田アナは伝えた。「辛坊さんが帰ってきたら、松井一郎大阪市長の引退とも重なるタイミングだし、後継になりうるんじゃないか……みたいな話をですね、スポーツ報知が書いてましたよ」
「何を言ってやがんだよ! 勝手なこと言うなよ。おかしいだろそれ!」
思わず憤る辛坊に「スポーツ報知、どうやらこのコーナーかなり聞いてるらしいので、ガツンと言っておいたほうがいいですよ」と促したが、
「とりえず今ね、そんなこと考える余裕が無いんです。とにかく生きて帰る。生きることに精一杯です!」
こう答えた辛坊は、2人からの「気をつけてくださいねー!」とのエールに、「ありがとうございます!」と力強く答え、アメリカ大陸へ向けて、引き続き航海を続けた。
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